15日(土).昨日 今年2度目の衣替えをしました ジャケットをしまったのが1度目で,今回の2度目はあまりの暑さに長袖シャツから半袖シャツに替えました コンサート会場か映画館に行く日の方が多い身にとって,冷房の利き過ぎる会場は大敵です その意味で,長袖なら普段は袖をまくっておき 寒いなと思ったら降ろせばいいので,融通が利きます しばらくそれで様子をみましたが,どこの会場も半袖で寒さを感じないことが分かり,2度目の衣替えとなったという次第です
ということで,わが家に来てから今日で1018日目を迎え,米行政管理予算局のマルバニー局長が 米ウォールストリート・ジャーナル紙に,トランプ政権の経済政策を「マガノミクス(MAGAnomics=Make America Great Again)」と命名のうえ「持続的な3%成長を目指す」とする内容の論考を寄稿したというニュースを見て感想を述べるモコタロです
それを言うなら「マガノミクス」じゃなくて「マガイモノミックス」じゃないの?
昨日,夕食に「豚しゃぶ」「マグロの山掛け」「生野菜とアボガドのサラダ」「冷奴」「トマトとベーコンとミックスビーンズのスープ」を作りました 「豚しゃぶ」はもも肉の薄切りを使いますが,キャベツとの相性は抜群ですね
昨日の朝日夕刊「ご招待」欄にA学園OBオーケストラのコンサート(8月11日)の案内が載っていました それを見て私は思わずニヤリとしました それにはこう書かれていました
「チャイコフスキー『交響曲第4番』,ガーシュイン『ラプソディ・イン・ブルー』,ジョン・ケージ『4分33秒』などを披露する」
クラシック好きの人なら,私が何を見てニヤリとしたか解っていただけたと思います 言うまでもなくジョン・ケージ「4分33秒」です
この曲をどのように「披露する」のか興味津々ですが,はっきり言って演奏不可能です 何故ならピアニストはピアノの前に座り4分33秒の間じっとして,一切演奏しないからです この作品はアメリカの作曲家ジョン・ケージが1952年に作曲した3楽章から成る作品ですが,第1楽章「休み」,第2楽章「休み」,第3楽章「休み」となっています つまり「無音」の音楽なのです.ケージは,4分33秒の間に聴こえる会場内の雑音(「あのピアニストいつ演奏始めるんだろうね?」「やる気ないんじゃないの!」とかいったヒソヒソ話など)や,屋外であれば鳥の声などに耳を傾けさせることに意味を見出していたようです
と,ここまで書いて,この文章を書いた記者はケージの曲が演奏不可能だという事を知っていて「~などを演奏する」ではなく「~などを披露する」と書いたのではないか,と思ったのですが,他のコンサートの案内を見たら,やはり「~などを披露する」となっていました どうやら朝日の記者を買いかぶり過ぎていたようです
A学園のコンサートでは奇才・山下洋輔氏がピアノを弾く(?)ようですが,彼なら「休み」の間に何かをやってくれるような気がします
NHK交響楽団から2017-18シーズンのチケット(Cプロ・金)が届きました 年間会費を振り込んだと思ったらすぐに届いたので驚きました 私はN響のほか,東響(サントリー,オペラシティ),新日本フィル,読響,東京フィル(文京),新国立オペラ,バッハ・コレギウム・ジャパンの年間会員になっていますが,この手のリスポンスは圧倒的にN響が速いです さすがは「みなさまのNHK」だと思います
今の段階で,全9公演のうち2公演が東響,読響とダブっています 例年のことですが,また振り替えしなければなりません
佐藤正午「書くインタビュー③」(小学館文庫)を読み終わりました 念のため佐藤正午氏のプロフィールをご紹介すると,1955年長崎県生まれ.1983年に「永遠の1/2」で第7回すばる文学賞を受賞.2015年には「鳩の撃退法」で第6回山田風太郎賞を受賞しています 個人的には「身の上話」の衝撃的なラストが忘れられません
この本は小学館の「きらら」2015年7月号から2017年2月号に掲載された「ロングインタビュー 小説のつくり方」を改題しまとめた文庫オリジナル作品です 対面してインタビューするのではなく,東京にいるフリーライターの東根ユミさんが長崎に住む佐藤正午氏にメールで質問を出し,それに対し佐藤氏が答えを返すという形式をとっています
前回の「書くインタビュー②」が「鳩の撃退法」が出来上がるまでの経緯をインタビュー形式で収録していましたが,この③では最新作「月の満ち欠け」の執筆開始から第1稿完成までの経緯のやり取りを中心に収録しています
①から通して読んできて気が付いたのは,この本は「インタビュアーの東根ユミさんの成長物語を読んでいるみたい」ということです 最初のうちは,「勝手に正午さんなどと気安く呼ぶな」と叱られたり,小説巧者の佐藤氏から逆質問されて細かいところをほじくり返されたり,そのたびに謝って次の質問をしたりと,強者(小説家の佐藤正午氏)対弱者(フリーライターの東根ユミさん)という構図が明確になっていましたが,②③と進んでくるにしたがって,佐藤氏の作品をはじめ,佐藤氏がメールで触れた作家の作品などをすべて読んで感想を述べるなど,プロの小説家に必死に食らいついていくうちに,佐藤氏も東根さんの熱意を認めざるを得なくなってきた様子が窺えます
何度か東根さんが佐藤氏に,今書いている長編小説のタイトルを教えてくれないかと頼んでいるのですが,最後に彼が答えたのが「長編小説のタイトルは,ツチノコミツケタ,といいます」と書き,その内容をかいつまんで解説しますが,そのメールの最後に「ここまで書いてきたこと,小説のタイトルを除いて,すべて事実です 小説のタイトルは,ツチノコミツケタ,ではなくて,ほんとうは,ツキノミチカケ,といいます.著者として望ましい表記は,月の満ち欠け です」と打ち明けます 佐藤氏は一事が万事,この調子でやり取りしているのでインタビュアーは大変だと思います
「それにしても・・・・」と思うのは,佐藤正午という人は,考えに考え,練りに練って小説を書いているのだな,ということです 句読点ひとつを入れるか取るかで何時間も悩んだ末に結論を出す人です その意味では,小説家としては”真面目”な人だと思いますが,自分の父親の葬儀を欠席して競輪場に行ってしまったという文章を読むと,一般市民としてはどうなのよ,とツッコミを入れたくなります まあ,そこが普通の小説家と違うところかも知れませんが,異常です
最後に,「書くインタビュー③」のやり取りの最中に②で話題となった「鳩の撃退法」が山田風太郎賞を受賞したわけですが,早く文庫化してくれないかな,と熱望します