人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京交響楽団第612回定期演奏会を聴く~ベルリオーズの劇的交響曲「ロミオとジュリエット」

2013年07月21日 07時22分42秒 | 日記

21日(日)。昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第612回定期演奏会を聴きました プログラムは①ルーセル「交響曲第3番ト短調」、②ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」、③ベルリオーズ「劇的交響曲”ロメオとジュリエット”」より抜粋で、指揮はユベール・スダ―ン、コンマスはグレブ・ニキティン、②のピアノ独奏は中村紘子です

オケがスタンバイして、コンマスのグレブ・ニキティンが席に着きます。指揮者のスダーンが少し足を引きずるようにゆっくりと指揮台に向かいます 指揮台の上には専用の椅子が置かれ、スダーンは座って指揮をするようです。ぎっくり腰でもやったのか、あるいは腰痛を患ったのか、とちょっと心配です

1曲目のルーセル「交響曲第3番ト短調」はボストン交響楽団創立50周年を記念して指揮者クーセヴィツキーの委嘱によって作曲されたものです。ルーセルは海軍士官でしたが、退役後の1894年に作曲家になることを決意したという変わり種です

第1楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」は、冒頭から、まるで闘争の音楽です 管弦楽により勇壮な音楽が展開します。第2楽章を経て、第3楽章のスケルツォは、いかにもフランスらしい楽しい音楽です 続く第4楽章「アレグロ・コン・スピリート」もフランスらしい雰囲気を湛えた音楽です。途中、コンマスによるヴァイオリン・ソロがありますが、なかなか美しい曲でした

曲が終わり、ヴァイオリン・セクションが舞台袖に引っ込み、段々になっている舞台が、コンピュータ制御によって下げられ、ピアノが通る道を作ります。舞台左サイドに控えていたピアノが”ピアノ道”を通って中央に移動します。その後、再びコンピュータ制御によってヴァイオリン・セクションの舞台がせり上がり元の位置に戻ります

ピアニストの中村紘子がスダーンとともに登場します。椅子は座る位置がかなり高く調整されています。彼女が背が低いということか、高い位置から叩き下ろすということか、はっきりしません

スダーンのタクトにより、ショパンの「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」が始まります。スダーンは座って指揮しているので、ピアノの蓋で遮られて姿が見えません

中村紘子の演奏を前に聴いたのはいつのことだったか、何の曲だったのか、思い出せません 思い出すのは、むしろン十年前にNHK教育テレビの「ピアノ教室」で子どものレッスンをしていた時の中村紘子の引き締まった表情です。何度かテレビで観ましたが、この人は人に教えるのが上手だな、と思いました。テキパキと指示を出して、ある時は自分で見本を見せて子どもに演奏方法を伝授していました

そんな彼女の生演奏を久しぶりに聴いたのですが、最初から最後まで、その力強さには衰えが見えませんでした。第2楽章のラルゲットも詩情豊かでしみじみと聴かせました 

会場一杯の拍手 でしたが、私にはイマイチ印象が薄い演奏に思えました 明らかにかつての”寄らば切るぞ”と言わんばかりの鋭い演奏からは遠い、こじんまりした印象を受けました。過去の栄光が偉大すぎるのかも知れません

休憩後の「ロミオとジュリエット」は、午前中、家で予習をしてあったはずでした。ところが、プログラムを見て勘違いしていたことに気が付きました この日の演奏はベルリオーズの劇的交響曲「ロミオとジュリエット」ですが、家で予習していたのはプロコフィエフのバレエ音楽「ロミオとジュリエット」の交響組曲でした。このほか、チャイコフスキーが幻想的序曲「ロミオとジュリエット」を作曲しています。したがって予習は無駄になりました

ベルリオーズの劇的交響曲「ロミオとジュリエット」は全4部から成りますが、演奏会では抜粋されて演奏されるケースが多いようです。この日は第1部から「序奏」、第3部から「愛の場面」、第4部から「愛の妖精の女王マブ」、第2部「ロミオただひとり、悲しみ、遠くから聴こえる音楽会と舞踏会、キャピュレット邸の大饗宴」が演奏されました

「序奏」はヴィオラの激しい演奏から開始されます。カプレーティ家とモンテッキ家の争いの音楽ですこの序奏はとても印象的です。他のエピソードもベルリオーズらしい管弦楽を駆使したダイナミックな音楽です。ブラス・セクションの咆哮、木管群の美しいメロディー、弦楽器の美しいハーモニーとピチカートこういう音楽を聴くと、ベルリオーズっていいな、とあらためて思います

終演後、いつもは管楽器だけを立たせるスダーンが、オーボエに次いでチェロ・セクションを、次いでヴィオラ・セクションを立たせました これは珍しいことです。先日の東響の演奏会ではフランスの指揮者ミシェル・プラッソンがチェロ・セクションを立たせました。かなり実力アップしてきているようですね。そう言えば、最近、東響のチェロは女性が増えているように思いますが、気のせいでしょうか

 

          

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「オー!ファーザー」「月と蟹」「史上最強の内閣」「ガミガミ女とスーダラ男」を買う

2013年07月20日 07時11分07秒 | 日記

20日(土)。昨夕、会社帰りにブック・オフに立ち寄って文庫本15冊を売りました さていくらで売れたでしょうか?正解はたったの400円でした 内訳は30円が10冊と20円が5冊だそうです。これを売る時には1冊300円とか400円とかで売るのでしょうね。ブック・オフっていい商売してますよね 大々的に「アルバイト募集」の看板を出していました。儲かってしようがないのでしょうね

数年前にブック・オフに自宅まで900冊の本を引き取りに来てもらった時は合計で1万9000円位だったと思います。これだって1冊あたりに換算すれば21円です。やっぱりいい商売していますよね

 

  閑話休題  

 

と言う訳で、神保町の三省堂で新しい本を4冊買いました

1冊目は伊坂幸太郎著「オー!ファーザー」(新潮文庫)です。伊坂作品は文庫になると必ず買っています。これは父親が4人いる高校生の物語です。伊坂作品は裏切りません

 

          

 

2冊目は道尾秀介著「月と蟹」(文春文庫)です。道尾作品も文庫になると必ず買っています。これは2011年、直木賞受賞作です

 

          

 

3冊目は室積光著「史上最強の内閣」(小学館文庫)です。帯の「北朝鮮、核ミサイル発射準備! 国家の危機に、全国から選りすぐられた”本物の内閣”が現れた!!」という謳い文句につられて買いました。タイトルは決して現実離れしているとは言えません

 

          

 

4冊目は椰月美智子著「ガミガミ女とスーダラ男」(講談社文庫)です。椰月美智子は「るり姉」(双葉文庫)でブレイクした人です 帯の謳い文句を見る限り、とんでもない内容の本のようです

 

          

 

いずれも、この本で紹介していきます ここで、新しく買った本の行方を解説しておきます

①まず、自分で読んでブログに感想を書きます

②次にビル7階のパントリー(コーヒーをサービスする部門)に持っていき何人かで回し読みします

③再び私に戻してもらいます

④本を買うお金のない知人に無料で譲ります

⑤もし手元に戻ってきたらブック・オフに売ります

したがって、ブック・オフに持っていくケースは極めて稀と言えます

 

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椰月美智子著「るり姉」を読む~小説はリズムが命

2013年07月19日 07時06分15秒 | 日記

19日(金)。17日付朝日夕刊・文化欄に、富士山が世界遺産に決まったことを受けて、日本文学者ドナルド・キーンさんのインタビュー記事が載っていました その中で、キーンさんは、

「(富士は)日本で一番高いだけでなく、美しく、宗教とも関係があり、日本人にとって特殊な意味を持つ。米国で一番高い山を問われてもどこにあるのかよくわからない 富士のような存在の山はありません

として、富士山を讃えています。その上で、

「西洋の美学と対照してみると、日本の美は日常的です。バスの運転手の頭上やトイレの壁に小さな花入れがあったり、百貨店の店員が芸術的な包装をしたりするのを見て私は驚きます 私が書くものに価値があるとするなら、外国で生まれ育ったため、日本人の美を、日本人よりも敏感に見つけることができるということでしょうか

と語っています。キーンさんの言われる通りなのかも知れませんが、外国人の誰もが日本の美を敏感に感じ取ることができる訳ではありません やはり独特の感性を持っていらっしゃるのだと思います。われわれ日本人より日本のことをよくご存じなのにはです。

 

  閑話休題  

 

昨夕、当ビル8階の会議室で元の職場のOB会(旧友会)が、終了後に9階の記者クラブで懇親会が開かれ、幹事の一人として出席しました 何人かの先輩方と親しくお話しした後、新旧幹事団5人で地下のRに移り、酒を酌み交わして昔話に花を咲かせました 

元幹事のMさんとは一緒に何にでも挑戦しました。ン十年も前のことですが、私は神保町のヤマハ・フルート教室に通い発表会までやりましたが、”フルートは息が続かない”と限界を感じて1年間で引退を表明しました その後、Mさんに誘われて西新宿にあるヤマハ・エレクトーン教室に通うことにしました エレクトーンは指で鍵盤を押している限り音が出ているので、これは楽だ と思って始めたのです。

われわれの先生は、よく話を聞くと、Mさんの高校の後輩で、しかも築地のA新聞社の読者サービス室長の娘さんであることが判りビックリしました 先生は美人だったので、注目されたいばっかりにポータトーン(卓上電子ピアノ)を買って自宅で練習を積んでから週1回のレッスンに通ったものです 

レパートリーが30曲くらいまで拡大したある日、先生が「それじゃあ、明日から足に入りましょう」とおっしゃいました。「足に入る」ということは両手での演奏に加えて両足も使って複雑な演奏を始めることを意味します。私はその日を境に、きっぱりとエレクトーンと縁を切りました 能力の限界を早くも見極めた結果です その後、あの先生はどうしているでしょうか?先生、元気ですか?・・・・

 

  も一度、閑話休題   

 

椰月美智子著「るり姉」(双葉文庫)を読み終わりました 椰月美智子(やづきみちこ)は1970年神奈川県生まれ。2002年「十二歳」で第42回講談社児童文学新人賞を受賞してデビューしました。この本は「本の雑誌」2009年上半期エンターテインメント・ベスト1に輝いた傑作小説です

十代の三姉妹(さつき、みやこ、みのり)の母親けい子の妹がこの小説の主人公るり姉です 第1章は「さつきー夏」、第2章は「けい子ーその春」、第3章は「みやこー去年の冬」、第4章は「開人ー去年の秋」、第5章は「みのりー4年後 春」となっていて、それぞれが第1人称で、るり姉との関わりを綴っています 三姉妹の母親けい子はシングルマザーで、開人(かいと)はるり姉の2番目の旦那さんです

ほとんどどこの家庭にもあるような日常的な生活が語られていますが、思わず「うん、うん、あるある、そういうこと」と相槌を打ってしまうシーンがあちこちに散りばめられています

例えば、みやこが帰ってきた時のさつきとの会話です。

「ただいまーぼなす」

みやこご帰宅。腐った赤キャベツをてっぺんでお団子にしている

「おかえりーずなぶる」

なんとなくみやこに合わせて答えてしまった。そんな心境じゃないのに。こんなくだらないダジャレもるり姉の影響だ

「なにそれ。だっさ」

ふん。まーぼなす、のほうがダサいだろ。

これと同じパターンの会話が開人とるり姉との間で交わされます

「ただいまんぐーす」

と言うと、るりちゃんが

「おかえりんどばーぐ」

と飛び出してきた。このくだらなさが最高に楽しい新婚生活である。

わが家でもこれと似たような会話があります

「ただいまんもす」

「おかりんご」

あくまでも私と娘との会話ですが

この本で一番面白かったのは、るり姉が考え付いたという「悲しみごっこ」という遊びです

「『悲しみごっこ』というのは、二人で前後になって手をつなぎ、うなだれながら『昭和枯れすすき』などを口ずさみ、電気を消して廊下をとぼとぼ歩く、という遊びだ。なんだそれ とはじめは思ったけど、やってみると案外その気になる 特に悲しい出来事を思い出すとか、想像するとかではない。もうそれをやっている時点で、充分に悲しい その気になって二人が悲しみを分かち合い、存分に悲しんだあとは、やけにすっきりとする。もちろんるりちゃんが考案した遊びで、これをやると、なぜだか絆が深まるような気がするから不思議なものだ

こういう遊びを考え付くるり姉とはいったいどういう性格の人なのか、と考えてしまいますが、そういう人なのです 子どもたちにとってヒロインであると同時に、同じ大人にとっても魅力に溢れた女性なのだと思います

3人の子供たちもそれぞれが個性的ですが、母親のけい子がまた素晴らしいキャラの持ち主です 看護師をして女手ひとつで娘たちを育てていますが、いつも疲れていて、ズボンのチャックは開けっ放しになっており、子どもたちからいつも非難されています。思わず応援したくなります

小説家の宮下奈都さんが解説に書いているように、この小説には独特の「匂い」と「リズム」があります。心温まる家族小説と言えるでしょう

 

          

 

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ベルリン・フィル首席クラリネット奏者フックスを迎えて~東京藝大管打楽器演奏会

2013年07月18日 07時00分36秒 | 日記

18日(木)。14日、15日に聴いた東京交響楽団によるまったく同じ演奏家・同じプログラムのコンサートの模様を翌15日、16日に書きましたが、アクセス数(閲覧した人の数)が両日とも344で同じでしたもっとも何ページ見たかというページビューは15日が1069、16日が1176で異なりましたが、こんな偶然もあるものか、と少しました。

 

  閑話休題  

 

昨夕、上野の東京藝術大学奏楽堂で東京藝大管打楽器シリーズ2013演奏会を聴きました この演奏会にはゲストとしてベルリン・フィルの首席クラリネット奏者ヴェンツェル・フックスを迎えています。プログラムは①ブラームス「クラリネット五重奏曲ロ短調」、②ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」です

フックスはウィーン・フォルクス・オーパーとORF交響楽団の首席奏者を経て、1993年よりベルリン・フィルの首席クラリネット奏者を務めています

 

          

 

全自由席のため早めに会場に向かいました 雨の中を列に並び、幸い1階15列13番、センターブロック左通路側席を確保できました 会場は現役のベルリン・フィル首席奏者の出演とあってほぼ満席状態です

1曲目のブラームス「クラリネット五重奏曲ロ短調」は、作曲者が58歳の時に出会ったクラリネットの名手ミュールフェルトのために作曲した名曲です ブラームスの意図をくみ取っての演奏が絶賛されたといいますから、どんな演奏だったのでしょうか?

演奏は向かって左から第1ヴァイオリン=松原勝也、第2ヴァイオリン=對馬哲男、ヴィオラ=市坪俊彦、チェロ=山崎伸子、クラリネット=フックスという態勢です

第1楽章「アレグロ」が、弦楽器による哀愁をさそう序奏によって始まり、クラリネットに引き継がれます何とも言えない晩年のブラームスの諦観の境地というか、人生を達観したようなメロディーが切々と続きます 一言でいえば「たそがれ」の音楽です。それは第2楽章以下も同様で、フックスは柔らかで深い音楽を奏でていきます さすが!と思うのは弱音部でも音が良く通り、音楽が明確に伝わってくることです ブラームスのほの暗く控えめな人生を映し出しているかのような演奏です

一方、2曲目のベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」は、作曲者が29歳の時に作曲した明るく溌剌とした作品です 1曲目のブラームスの半分の年齢の時に作曲した計算になります

演奏は向かって左からヴァイオリン=松原勝也、ヴィオラ=市坪俊彦、チェロ=山崎伸子、センターにコントラバス=永島義男、右にホルン=日高剛、ファゴット=岡崎耕治、クラリネット=フックスという態勢を採ります

全員が揃ったところで、いきなりフックスが立ち上がり、何やら忘れ物をしたらしく舞台袖に引っ込んでいきました 会場のあちこちで「いったい何を忘れたんだろう?」と囁き声が聞こえます。しばらくして、拍手に迎えられて何も持たずにフックスが再登場して着席しました。忘れ物をポケットに入れて出てきたのか、忘れたと思ったけれど元々ポケットに入っていたのに気が付いたのか、よくわかりません 隣に座っているファゴット奏者の岡崎氏が忘れ物をするのなら分かるのですが・・・・fagottですから・・・・

 

          

 

短いチューニングの後、第1楽章「アダージョ~アレグロ・コン・ブリオ」が、ゆったりした序奏から始まります 次いで躍動感溢れるアレグロ・コン・ブリオのメロディーがヴァイオリンで演奏されます。それがクラリネットに引き継がれていきます ここまでの一連の音楽はたまらないですね ベートーヴェンってなんて素晴らしいんだろうと思います。もっともこの曲は初演当初から人気があったようです

第3楽章「テンポ・ディ・メヌエット」はピアノ・ソナタ第20番の第2楽章から転用したメロディーです。軽快な音楽が続きます

第5楽章「スケルツォ」はホルンの勇壮なメロディーで開始されます。ここでは、弦楽器と木管楽器、とくに第1ヴァイオリンとクラリネットの掛け合いが何とも言えず素晴らしく、思わず身を乗り出して聴きそうになります

そして最後の第6楽章では、冒頭重々しい音楽が流れますが、第1楽章と同じように、一転して軽やかなプレストに突入します この部分もたまらない魅力です。若き日のベートーヴェンの金字塔と言えるでしょう

ブラームスを演奏した對馬哲男が加わって、全員でシューベルトの「八重奏曲」の「スケルツォ」をアンコールに演奏しました これほど素晴らしいプログラム・演奏で2,000円は安いです。このブログでは、これからも、こういう超コスト・パフォーマンスのコンサート情報を事前にお伝えしていきます

 

          

 

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藝大「秘密の結婚」、プーランクの夕べ、横浜市招待ピアノ演奏会、ハイドシェックのチケット入手

2013年07月17日 07時00分19秒 | 日記

17日(水)。昨日午前、丸の内消防署主催の自衛消防訓練審査会に出場する当PCビル警備隊員による屋外での練習がありました 9時半頃当ビル脇の広場に行くと、ちょうど消防署の講評の最中で、事細かな指導が伝えられていました

3人一組で「自火報発報」から消火栓を操作してホースの水を的に当てて倒すまでの一連の動作をタイムを含めて競うわけですが、来週水曜日(24日)に皇居前広場で開かれる同審査会には警備隊チームが43隊参加します。参加隊は年々増える傾向にあります (これとは別に男子隊、女子隊による競争もあります)

丸の内消防署管内は大企業の本社が集まっていることもあり、日本中で一番強豪チームが集中している地域として有名で、ここで優勝することは、すなわち日本一ということになるのです

一連の動作を通した後、消防から再度アドバイスがあり、次いで私から次のように話しました

「いよいよ審査会も間近に迫ってきた。これから審査会当日までは普段通りの生活をしてほしい。練習もこれまで受けてきたアドバイスを踏まえて最後の詰めをやってほしい。普段の練習通りやれば結果はついてくる。これから暑さも続くだろうが最後まで頑張ってほしい

私がなぜ「普段通りの生活」を強調したかと言えば、中学校時代の苦い経験があったからです。私は中学・高校と陸上競技部で短距離を走っていました。因みに100メートルは中学で12秒3、高校で11秒6が自己ベストでした。いま話題の10秒を切るか!?と期待されている高校生と比較しないでね

中学2年の時だったと思います。大事な試合を翌日に控えたある日、練習が終わって遊び半分で、朝礼台にジャンプして飛び乗るゲームが始まりました。よせばいいのに、私も思い切りジャンプして台に上がろうとしましたが、ジャンプ力が足りず、弁慶の泣き所を台の角にぶつけてしまったのです その痛さったらありませんでした。これが祟って翌日の試合は散々な結果に終わりました 顧問の先生からは大目玉を食いましたが、後の祭りです

そんなことがあったので、「普段通りの生活」をするように、裏を返せば「いつもと違うことをしないように」と言ったのです。暴飲暴食はもってのほか。”前祝い”なんて論外です

出場するI君、T君、S君 われわれは諸君を社をあげて応援している。S警備隊長以下残りの隊員も日常的に諸君をサポートしてくれている そのことを忘れてはならない。また、諸君の所属するT社も同様に応援してくれていると思う。残すところあと1週間 暑い中大変だと思うが、普段通りに生活し、後で後悔しないように練習を積んで、自信を持って審査会に臨んでほしい

  

   閑話休題  

 

昨日、会社帰りに神保町のチケットびあでチケットを4枚買いました

1枚目は10月5日(土)午後2時から東京藝大奏楽堂で開かれる「藝大オペラ定期 第59回 チマローザ:秘密の結婚」です。指揮はダグラス・ボストック、オケは藝大フィルハーモニアです。歌手は藝大の学生なので一人も知りません

 

          

 

2枚目は10月23日(水)午後7時から東京オペラシティコンサートホールで開かれる「没後50周年 フランシス・プーランクの夕べ」です 第1部は室内楽で「フルート・ソナタ」「クラリネット・ソナタ」「六重奏曲」などが演奏され、第2部はオーケストラ曲で「スターバト・マーテル」ほかが演奏されます 指揮はバッハ・コレギウム・ジャパンの鈴木雅明、東京フィル他の演奏です。フランスのエスプリを楽しんでこようと思います

 

          

 

3枚目は11月16日(土)午後6時から横浜みなとみらいホールで開かれる「第32回横浜市招待国際ピアノ演奏会~コンチェルト公演」です この日は萩原麻未がラヴェル「左手のための協奏曲」を弾くほか、先日リサイタルを聴いたイリヤ・ラシュコフスキーがショスタコ―ヴィチ「ピアノ協奏曲第2番」を、ミシェル・ダルベルトがベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」を弾きます。どれもが期待できるプログラムです

 

          

 

4枚目は11月29日(金)午後7時から東京文化会館小ホールで開かれる「エリック・ハイドシェック ピアノ・リサイタル」です バッハ、ヘンデル、モーツアルト、ベートーヴェン、ドビュッシーの小品を演奏します。個性的な演奏で知られるハイドシェックも喜寿を迎えたとのこと。初めて生で聴きます。とても楽しみです

 

          

 

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東京交響楽団・東京オペラシティシリーズ第74回演奏会を聴く~ミシェル・プラッソン指揮

2013年07月16日 07時00分08秒 | 日記

16日(火)。昨日は、午後オペラシティでコンサートを聴くので若干早めに家を出て、新宿のタワーレコードに行きました 9階にあったクラシック・コーナーが10階に移って久しいですが、どうしてクラシックは一番遠くまで行かないとたどり着けないのでしょうね。これだから、クラシック・ファンは増えないのだと思います

エレベーターに乗っていると、どこかで聴いたことのある軽快な音楽が流れてきます 「なんだこれくしょん?」と思って壁を見ると、きゃりーぴゃむぴゃむの「にんじゃりばんばん」のプロモーション・ビデオが流れていたのでした 文字では、きゃりーぴゃむぴゃむと何の不自由もなく書いていますが、これを口に出して言ったら間違いなく舌噛みますね それにしてもきゃりーの人気って尋常じゃないですね今、きゃりーれぼりゅーしょんが起こっているのではないかとさえ思ってしまいます 今度の参議院議員選挙に立候補すれば、ぶっちぎりで当選間違いなしでしょう 政界は「われわれに対する素人のインベーダーインベーダーだ」と文句を垂れるでしょうが、だれがやったって同じならきゃりーぴゃむぴゃむでいいじゃん 娘は毎日のようにきゃりーの歌を聴いて踊っています。「おまえ、いくつになった?」なんて親子断絶の原因を作るような無謀なことはとても怖くて聞けません

と言う訳で(どういう?)CDを2枚買いました。1枚はHJリムの「ラヴェル&スクリャービン」です リムの演奏はベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が出ているだけで、これは2作目です。ベートーヴェンとはまったく違った曲想の音楽をどのように表現するのか、聴くのが楽しみです

 

          

 

2枚目はフォーレ四重奏団のブラームス「ピアノ四重奏曲第1番、第3番」です フォーレ四重奏団は、メンデルスゾーンのピアノ四重奏曲のCDが愛聴盤で、時々聴いています。これも楽しみです

 

          

 

昨日午後、初台の東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団の東京オペラシティシリーズ第74回演奏会を聴きました 14日(日)ミューザ川崎での名曲全集・第88回演奏会と同じプログラム・同じ演奏家です 先日のブログにも書きましたが、まさか「オペラシティシリーズ」と「名曲全集」がまったく同じプログラム・演奏家とはつい最近まで気がつかずにいたのです どちらかに絞って片方を諦めようかとも思いましたが、会場が違うし、演奏は一期一会で何が起こるか分からないので2日連続で聴くことにしました。現実に14日は何かが起こりましたし

プログラムはフランス音楽の伝道師ミシェル・プラッソン選によるフランス音楽で統一されています 前半がドビュッシー2曲、後半はショーソンの代表曲と音の魔術師ラヴェルの2曲です

 

          

 

プラッソンがタクトを持ってゆったりと登場します。御年80歳 1曲目のドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」がフルートの独奏で始まります。音が空間をたゆたうような夢心地の音楽が続きます。ブレーズはこの曲を「現代音楽はこの曲をもって目覚めた」と評したそうです

続くドビュッシーの交響詩「海」は第1曲「海の夜明けから真昼まで」、第2曲「波の戯れ」、第3曲「風と海の対話」から成り、「3つの交響的素描」というサブ・タイトルが付けられています この曲は1905年に初演されましたが、出版された初版の表紙には、ドビュッシーの希望で葛飾北斎「富嶽三十六景」の「神奈川県沖浪裏」が印刷されています。ブレーズが振ったこの曲のLPジャケットにも波のかなたに小さな富士山が配された版画が載っていました

プラッソンは、まさにサブ・タイトルを地で行くような音による波の動きをオケから存分に引き出していました 音楽による絵を観ているような気分になりました 終演後、プラッソンはチェロを立たせ、次いでコンマスを立たせました。弦楽器、中でもチェロだけを立たせる。これは珍しいことです。よほど演奏が気に入ったのでしょう

休憩後の1曲目はショーソンの「詩曲」です。この曲は最初「ヴァイオリンと管弦楽のための交響詩~勝ち誇る愛の歌」でしたが、次に「ヴァイオリンと管弦楽のための詩曲」となり、最後に「詩曲」に落ち着きました 随分悩んだのでしょうね。あまり考えすぎるのは憔損です

ソリストの成田達輝がプラッソンとともに登場します。1992年生まれといいますから21歳です。若いですね 指揮者との年齢差は・・・・計算しないことにします。成田のしみじみとした演奏を聴いていて思うのは、深く感動的だけど重いなあ、ということです

次いで、ハープがセンターに移動、指揮者と対面する位置に配置されます。再び成田とプラッソンが登場し、ラヴェルの「ツィガーヌ」の演奏に入ります。成田は渾身の力を込めてゆったりと冒頭のメロディーを弾きます 前半はヴェイオリンのソロが続きます。前日、弦が切れた個所にきましたが、この日は無事に通過、一安心しました 後半はオケがバックに入って動きの速いパッセージが続きます

圧倒的なブラボーと拍手 に、プラッソンは成田とハープの女性奏者の手を取って3人揃って一礼します 今回は、聴衆が早めに諦めたせいか、成田のアンコールはありませんでした

最後は管弦楽の魔術師ラヴェルの「ボレロ」です。低弦のピチカートと小太鼓の小刻みなリズムにのって、フルート、クラリネット、ファゴット・・・・・と楽器を変えながら同じメロディーが奏でられ、だんだんクレッシェンドしていき音量が増していきます いつしか、足で拍子を取っている自分に気が付きます。主題と副主題が19回繰り返され、最後の8小節でどんでん返しが起きて曲を閉じます

この機に及んで、聴衆は”興奮の坩堝”状態に突入します プラッソンは何度も舞台に呼び戻され、にこにこしながら、それぞれの楽器郡ごとに立たせて拍手を求めます

前日のように、「シーッ」と口に人差し指を当て、アンコールにラヴェルの「マ・メール・ロワ」の「妖精の国」を穏やかに夢見るように演奏しました

会場一杯の拍手とブラボーの中、プラッソンは1階席、2階席の左右、後方に向かって一礼し、手を振りながら舞台袖に戻りますが、さきのハーピストの女性の手にキスをすることを忘れませんでした あの女性は、にわかプラッソン・ファンになって今ごろ彼のCDを買いまくっているかもしれません

と言う訳で、2日連続同じ演奏者で同じプログラムを聴いたわけですが、違う点は①会場、②聴衆の顔ぶれ、③プログラムの解説、④成田達輝の演奏中断の有無、⑤成田のアンコールの有無の5点でした。生演奏ですから、まったっく同じということはありませんね 今回、同じ演奏家で同じプログラムのコンサートが続いても、迷わず両方聴くべしという教訓を得ました

          

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ミシェル・プラッソン+東京交響楽団・第88回名曲全集を聴く

2013年07月15日 07時15分31秒 | 日記

15日(月)。昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで東京交響楽団・第88回名曲全集コンサートを聴きました プログラムは①ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、②同「交響詩”海”」、③ショーソン「詩曲」、④ラヴェル「ツィガーヌ」、⑤同「ボレロ」で、指揮はミシェル・プラッソン、ヴァイオリン独奏は成田達輝です

先日のブログにも書きましたが、この日(14日)と今日(15日)の東京オペラシティシリーズのプログラム・出演者は同じなのです どちらか一つに絞ろうかと悩みましたが、生演奏は何があるか分からないので、取りあえず1日目のミューザに出かけたのでした

          

          

 

コンマス水谷晃のもとチューニングが終わり、ミシェル・プラッソンが大儀そうにゆっくりと登場します 1933年生まれといいますから今年満80歳。動作はゆっくりですが、まだまだ指揮者としてはやっていけます

1曲目のドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」は、象徴派の詩人マラルメの詩「牧神の午後」に触発されて1892~94年に作曲されました 「真昼の暑い野原で眠りから覚めた牧神(半獣神)が葦の笛を吹き、ニンフと戯れたくて追いかけるが逃げられ、疲れて夢想しながらまどろむ」という内容の詩です

冒頭、相澤政宏のフルートが、けだるいような眠いような旋律を奏でます。思わず聴いているこちらも眠くなってきます

2曲目のドビュッシー「交響詩:海」は、作曲者が音の色彩によって海と波の表情を描いた描写的な音楽です プラッソンは次々と変化する海の表情をオケから引き出します。東響の面々もしっかりと指揮者に応えます

休憩後の最初はショーソンの「詩曲」です。ショーソン(1855-1899)はバリ音楽院でマスネやフランクに師事した作曲家です。この曲は1896年夏に完成、ベルギーの名ヴァイオリニスト、イザイに捧げられています

2012年エリーザベト国際コンクール第2位の成田達輝がプラッソンとともに登場します。最初にオーケストラが神秘的な音楽を奏で、次いでヴァイオリンが悲しげな旋律を紡いでいきます。そしてカデンツァ風のパッセージを弾きます。ロマンティックな曲です

ハープが指揮台の正面に置かれ、2曲目のラヴェルの「ツィガーヌ」が始まります。ツィガーヌとは”ロマ”という意味ですが、”ロマ”というのは”ジプシー音楽”のことを意味します

成田は冒頭、渾身の力を込めてヴァイオリンを弾き込みます。そしてエキゾチックな旋律を奏でていきます 途中、ピチカートに移ったところでヴァイオリンの弦が切れました(あるいは外れました)。よほど力を入れて弾いたのでしょう。成田は慌てず、演奏を中止して指揮者と聴衆に本体から外れた弦を示し、直してくると合図して舞台袖に引っ込みました。数分後、拍手に迎えられた成田は再び演奏を再開、後半にはオケのサポートを受けながら、見事に全曲を弾き切りました

プラッソンは右に成田の肩を左にハーピストの女性の肩を抱え、いっしょに会場に一礼しました。ハープの女性は「いえ、わたし、そんなんじゃないんですけど・・・・」というような戸惑った様子でしたが、プラッソンはお構いなしに成田と女性を引き立てます フランス人らしい粋な振る舞いに聴衆は大喜びで惜しみのない拍手を送ります

再度登場した成田は、会場一杯の拍手に応えパガニーニの「24のカプリース」から第1番をアンコールに選び、超絶技巧で弾き切りました。なかなかの青年ですぞ。将来が楽しみです

最後は弦楽器も管楽器も大幅に追加されてラヴェルの「ボレロ」ですスペイン=アラビア風の二つの旋律が違う楽器に受け継がれながら永遠に続いていくような曲です。最後は楽器も大幅に増え、音量が最大になり、どんでん返しで急に終結します

プラッソンは、小太鼓と握手、次いでソロを吹いた楽器をフルートから順に一人一人立たせて拍手を求めました 何度も舞台に呼び戻され、「しーっ」と指を口に当てて振り返り、ラヴェルの「マ・メール・ロワ」から「妖精の国」を夢見るように演奏し、拍手喝さい を浴びました。会場の左右、後ろにも投げキッスをするプラッソンはサービス精神旺盛な”好々爺”です

生演奏は何が起こるか分からない・・・・・その通りこの日何かが起こりました 今日は会場こそオペラシティですが、同じ演奏者で同じプログラムを聴きます。さて、何が待っているのか

 

          

 

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東京藝大オケ、読売日響サマーフェスティバル、萩原麻未+成田達輝デュオ・リサイタルのチケットを入手

2013年07月14日 07時01分47秒 | 日記

14日(日)。昨日は曇りながらも暑い一日でしたね コンサートの予定がなかったので、今までホッタラカシにしていた衣替えの作業をしました。長袖シャツにアイロンがけしてタンスにしまい、代わりに半そでシャツを出しました ついでに押入れがゴチャゴチャなので整理整頓したら、使用していないカバン・バック類が10個以上も出てきたので、ほとんど捨てました。多分、あとで後悔すると思います 中腰の作業が続き腰が痛くなったので整骨院に行きました。といっても毎日通っているのですが

10月3日の「リゴレット」プルミエ公演が新日本フィル室内楽シリーズと重なっているので、新国立劇場に電話して10月12日に振りかえてもらいました。プルミエ会員は年3回まで振り替えが可能です。毎年2~3回ダブっているのでこの制度は非常に助かります

 

  閑話休題  

 

暑くて外に出るのは控えたかったのですが、神保町までコンサートのチケットを買いに出かけました

1枚目は7月17日(水)午後7時から東京藝大奏楽堂で開かれる「東京藝大管打楽器シリーズ~ベルリン・フィル首席クラリネット奏者ヴェンツェル・フックスを迎えて」公演です。プログラムは①ブラームス「クラリネット五重奏曲」、②ベートーヴェン「七重奏曲」です。両方とも大好きな曲です 入場料2,000円は超お得です

 

          

 

2枚目は読売日響が毎夏実施しているサマーフェスティバル”三大協奏曲”で8月16日(金)午後6時半から東京芸術劇場で開かれます

プログラムは①メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」(vn:小林美樹)、②ドヴォルザーク「チェロ協奏曲ロ短調」(vc:ドミトリー・フェイギン)、③チャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」(p:田村響)で、指揮は広上淳一です これは主に小林美樹のヴァイオリンを聴きたいために買ったものです

 

          

 

3枚目は同じく読響サマーフェスティバル”三大交響曲”で8月21日(水)午後6時半から東京芸術劇場で開かれます プログラムは①シューベルト「交響曲第7番”未完成”」、②ベートーヴェン「交響曲第5番”運命”」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番”新世界から”」で、指揮は広上淳一です たま~に三大交響曲を聴きたくなります 以上2つの公演は昨年までサントリーホールで開催されていましたが、今年8月は同ホールが保守点検のため閉鎖されるので、会場が東京芸術劇場に移されたようです

 

          

 

4枚目は11月6日(水)午後7時から浜離宮朝日ホールで開かれる「成田達輝&萩原麻未 デュオ・リサイタル」です。これはチケットぴあでの発売がないので、直接浜離宮朝日ホールに電話してチケットを手配しました

プログラムは①ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第5番”春”」、②ストラヴィンスキー「協奏的二重奏」、③酒井健治「カスム」(委嘱作品)、④グリーグ「ヴァイオリン・ソナタ第3番」です 

成田達輝は1992年生まれ、2012年のエリザベート王妃国際コンクール・ヴァイオリン部門で第2位を獲得した俊英、萩原麻未は2010年第65回ジュネーヴ国際コンクール・ピアノ部門で日本人で初めて優勝したホープです これはもちろん萩原麻未のピアノを聴くのが目的です

 

          

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バルトーク弦楽四重奏団創設者コムローシュ+東京藝大教授陣でブラームス「弦楽六重奏曲第2番」を聴く

2013年07月13日 07時14分43秒 | 日記

13日(土)。昨日は、夕方になって急にX部長に誘われ、5人で地下のRで飲みました と言っても私はコンサートがあるので、ビールを1杯飲み、いきなり仕上げ蕎麦を食べ、いつもの「冷やしトマト、エイヒレ、枝豆、串盛り」を食して、6時ちょうどに一人酒場を後にしました

 

  閑話休題  

 

という訳で、昨夕7時から上野の東京藝術大学奏楽堂で東京藝大室内オーケストラのコンサートを聴きました プログラムは①ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第2番」、②モーツアルト「弦楽五重奏曲第4番ト短調K.516」、③バルトーク「2つのヴァイオリンのための44の二重奏」より、④ブラームス「弦楽六重奏曲第2番」です。今回は藝大の教授陣がバルトーク弦楽四重奏団創設者ペーター・コムローシュをゲストに迎えています

 

          

 

もっと混んでいるかと思っていましたが、会場は6割程度の入りでしょうか 会場入り口に「本公演はNHK-FM ベスト・オブ・クラシックの収録をしている」旨の掲示がありました。全自由席なので、取りあえず通路側席をということで1階18列36番、右端の席を確保しました

照明が落とされ、コムローシュとピアノの渡邊健二が登場します。コムローシュは”白髪の老人”といった印象です。それはそうでしょう。1935年生まれと言いますから今年77歳~78歳です

1曲目のブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調」が始まります。演奏の第一印象は、パワー不足で不安定ということです しかし、コムローシュの年齢を考えれば、いたしかたないことでしょう。プログラムにベートーヴェンが入っていないことが頷けます 年齢を考慮すれば”枯れた境地の演奏”ということになるでしょう

2曲目のモーツアルト「弦楽五重奏曲第4番ト短調K.516」は、向かって左から第1ヴィオリン=コムローシュ、第2ヴァイオリン=松原勝也、チェロ=山伸子、ヴィオラ=市坪俊彦、川崎和憲という態勢を採ります

他のメンバーが第1ヴァイオリンのコムローシュを気遣いながら演奏している様子が伺えます。この曲でもコムローシュのパワーが足りないので他のメンバーがなかなか強く出ることが出来ない状態です。それでもモーツアルトらしさは垣間見ることが出来ました

 

          

 

休憩後の最初はバルトーク「2つのヴァイオリンのための44の二重奏曲」のうち8曲をコムローシュと澤和樹が演奏しました 最初に演奏した第15曲「兵士の歌」を聴いて、まるでバグパイプの音だな、と思いました その名の通り「バグパイプ」という曲も演奏しました。面白いのは「蚊の踊り」という曲で、まるで蚊がブーンと飛んでいるようでした 最後に第44曲の「トランシルヴァ二アの踊り」を楽しげに弾き切りました。コムローシュはやはりバルトークの曲を演奏している時が一番生き生きとしていて演奏も素晴らしいと思いました

最後の曲はブラームス「弦楽六重奏曲第2番ト長調」です。向かって左からコムローシュ、漆原朝子(以上ヴァイオリン)、藤森亮一、山崎伸子(以上チェロ)、川崎和憲、市坪俊彦(以上ヴィオラ)という態勢を採ります

この曲でコムローシュは本領を発揮しました もちろん他のメンバーがコムローシュの動きを注視しながら盛り立てていたことは言うまでもありません 藝大教授陣の中ではチェロの藤森(N響)と山の二人が冴えていました とくにピチカートが音楽的で魅力に溢れていました

 

          

 

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イリヤ・ラシュコフスキーのピアノ・リサイタルを聴く

2013年07月12日 07時00分27秒 | 日記

12日(金)。昨夕、浜離宮朝日ホールでイリヤ・ラシュコフスキーのピアノ・リサイタルを聴きました プログラムは①プロコフィエフ「バレエ組曲”ロメオとジュリエット”からの10の小品より”別れの前のロメオとジュリエット”」、②同「ピアノ・ソナタ第8番」、③ショパン「エチュード作品25番・全12曲」④ストラヴィンスキー「バレエ組曲”ぺトルーシュカ”からの3楽章」です

 

          

 

ラシュコフスキーを聴こうと思ったきっかけは、今年2月27日に新日本フィルと演奏したチャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番」を聴いて、「なかなかやるじゃないか」と思ったからです その時、彼が1984年シベリア生まれで、2012年の第8回浜松国際ピアノコンク―ルの優勝者であることを知りました

自席は1階13列14番、センターブロック右通路側です。会場は8割方埋まっている感じでしょうか

1曲目のプロコフィエフ「別れの前のロメオとジュリエット」はバレエ組曲の第2幕の幕切れでティボルトを刺殺してしまったためにヴェローナからの追放処分を受けたロメオが、ジュリエットとの別れを惜しむ場面の音楽です 劇的な別れの場面で盛り上がり、最後は寂しげに曲を閉じます。ラシュコフスキーにとって、まずは名刺代わりの演奏といったところでしょう

2曲目のプロコフィエフ「ピアノ・ソナタ第8番」は、第6番から第8番までのソナタが第二次世界大戦のさなかに続いて作曲されたことから”戦争ソナタ”と呼ばれています 技巧的にも相当難しそうな曲ですが、ラシュコフスキーはパワー全開でアグレッシヴに弾き切ります

 

          

 

休憩後の最初の曲はショパンのエチュード作品25の全12曲です。第1番「エオリアン・ハープ」から第12番「大洋」まで、それぞれ異なる演奏技巧上のポイントが(練習曲ですから)付されています。ラシュコフスキーはスタインウェイを良く鳴らします とくに最後の第10番ロ短調、第11番「木枯らし」、第12番「大洋」での白熱の演奏は圧巻でした 本人は激情している訳ではまったくないのに、出てくる音は会場を揺るがすほどの迫力なのです

最後のストラヴィンスキー「バレエ音楽:ベトルーシュカ」から3楽章~「ロシアの踊り」、「ペトルーシュカ」、「謝肉祭の日」は、バレエのための管弦楽曲として作曲されたものを、アルトゥール・ルービンシュタインの委嘱によりピアノ独奏用に3つの場面を抜粋した作品です 曲の冒頭からかなり高度な技巧が要求される超難曲ですが、ラシュコフスキーは確かな技術の裏付けのもと、正確無比の超高速演奏を展開します 「1台のピアノはオーケストラに匹敵する」ということを実践で示した演奏とでも表現すべき、カラフルで見事な演奏でした

会場一杯の拍手 とブラボーに応え、チャイコフスキーの「四季」から「10月 秋の歌」を静かに演奏、聴衆のクールダウンを図りました 鳴り止まない拍手に、スクリャービンの「エチュード作品8-12」を圧倒的な迫力で弾き切り、再び聴衆をホットにしました それでも鳴り止まない拍手にモンポウの「プレリュード」を穏やかに演奏、再びクールダウンを図りました この辺の選曲と演奏順は彼ならではの計算に基づくものでしょう これからの活躍が大いに期待される若き大器です

 

                    

 

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