人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京交響楽団・東京オペラシティシリーズ第74回演奏会を聴く~ミシェル・プラッソン指揮

2013年07月16日 07時00分08秒 | 日記

16日(火)。昨日は、午後オペラシティでコンサートを聴くので若干早めに家を出て、新宿のタワーレコードに行きました 9階にあったクラシック・コーナーが10階に移って久しいですが、どうしてクラシックは一番遠くまで行かないとたどり着けないのでしょうね。これだから、クラシック・ファンは増えないのだと思います

エレベーターに乗っていると、どこかで聴いたことのある軽快な音楽が流れてきます 「なんだこれくしょん?」と思って壁を見ると、きゃりーぴゃむぴゃむの「にんじゃりばんばん」のプロモーション・ビデオが流れていたのでした 文字では、きゃりーぴゃむぴゃむと何の不自由もなく書いていますが、これを口に出して言ったら間違いなく舌噛みますね それにしてもきゃりーの人気って尋常じゃないですね今、きゃりーれぼりゅーしょんが起こっているのではないかとさえ思ってしまいます 今度の参議院議員選挙に立候補すれば、ぶっちぎりで当選間違いなしでしょう 政界は「われわれに対する素人のインベーダーインベーダーだ」と文句を垂れるでしょうが、だれがやったって同じならきゃりーぴゃむぴゃむでいいじゃん 娘は毎日のようにきゃりーの歌を聴いて踊っています。「おまえ、いくつになった?」なんて親子断絶の原因を作るような無謀なことはとても怖くて聞けません

と言う訳で(どういう?)CDを2枚買いました。1枚はHJリムの「ラヴェル&スクリャービン」です リムの演奏はベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集が出ているだけで、これは2作目です。ベートーヴェンとはまったく違った曲想の音楽をどのように表現するのか、聴くのが楽しみです

 

          

 

2枚目はフォーレ四重奏団のブラームス「ピアノ四重奏曲第1番、第3番」です フォーレ四重奏団は、メンデルスゾーンのピアノ四重奏曲のCDが愛聴盤で、時々聴いています。これも楽しみです

 

          

 

昨日午後、初台の東京オペラシティコンサートホールで東京交響楽団の東京オペラシティシリーズ第74回演奏会を聴きました 14日(日)ミューザ川崎での名曲全集・第88回演奏会と同じプログラム・同じ演奏家です 先日のブログにも書きましたが、まさか「オペラシティシリーズ」と「名曲全集」がまったく同じプログラム・演奏家とはつい最近まで気がつかずにいたのです どちらかに絞って片方を諦めようかとも思いましたが、会場が違うし、演奏は一期一会で何が起こるか分からないので2日連続で聴くことにしました。現実に14日は何かが起こりましたし

プログラムはフランス音楽の伝道師ミシェル・プラッソン選によるフランス音楽で統一されています 前半がドビュッシー2曲、後半はショーソンの代表曲と音の魔術師ラヴェルの2曲です

 

          

 

プラッソンがタクトを持ってゆったりと登場します。御年80歳 1曲目のドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」がフルートの独奏で始まります。音が空間をたゆたうような夢心地の音楽が続きます。ブレーズはこの曲を「現代音楽はこの曲をもって目覚めた」と評したそうです

続くドビュッシーの交響詩「海」は第1曲「海の夜明けから真昼まで」、第2曲「波の戯れ」、第3曲「風と海の対話」から成り、「3つの交響的素描」というサブ・タイトルが付けられています この曲は1905年に初演されましたが、出版された初版の表紙には、ドビュッシーの希望で葛飾北斎「富嶽三十六景」の「神奈川県沖浪裏」が印刷されています。ブレーズが振ったこの曲のLPジャケットにも波のかなたに小さな富士山が配された版画が載っていました

プラッソンは、まさにサブ・タイトルを地で行くような音による波の動きをオケから存分に引き出していました 音楽による絵を観ているような気分になりました 終演後、プラッソンはチェロを立たせ、次いでコンマスを立たせました。弦楽器、中でもチェロだけを立たせる。これは珍しいことです。よほど演奏が気に入ったのでしょう

休憩後の1曲目はショーソンの「詩曲」です。この曲は最初「ヴァイオリンと管弦楽のための交響詩~勝ち誇る愛の歌」でしたが、次に「ヴァイオリンと管弦楽のための詩曲」となり、最後に「詩曲」に落ち着きました 随分悩んだのでしょうね。あまり考えすぎるのは憔損です

ソリストの成田達輝がプラッソンとともに登場します。1992年生まれといいますから21歳です。若いですね 指揮者との年齢差は・・・・計算しないことにします。成田のしみじみとした演奏を聴いていて思うのは、深く感動的だけど重いなあ、ということです

次いで、ハープがセンターに移動、指揮者と対面する位置に配置されます。再び成田とプラッソンが登場し、ラヴェルの「ツィガーヌ」の演奏に入ります。成田は渾身の力を込めてゆったりと冒頭のメロディーを弾きます 前半はヴェイオリンのソロが続きます。前日、弦が切れた個所にきましたが、この日は無事に通過、一安心しました 後半はオケがバックに入って動きの速いパッセージが続きます

圧倒的なブラボーと拍手 に、プラッソンは成田とハープの女性奏者の手を取って3人揃って一礼します 今回は、聴衆が早めに諦めたせいか、成田のアンコールはありませんでした

最後は管弦楽の魔術師ラヴェルの「ボレロ」です。低弦のピチカートと小太鼓の小刻みなリズムにのって、フルート、クラリネット、ファゴット・・・・・と楽器を変えながら同じメロディーが奏でられ、だんだんクレッシェンドしていき音量が増していきます いつしか、足で拍子を取っている自分に気が付きます。主題と副主題が19回繰り返され、最後の8小節でどんでん返しが起きて曲を閉じます

この機に及んで、聴衆は”興奮の坩堝”状態に突入します プラッソンは何度も舞台に呼び戻され、にこにこしながら、それぞれの楽器郡ごとに立たせて拍手を求めます

前日のように、「シーッ」と口に人差し指を当て、アンコールにラヴェルの「マ・メール・ロワ」の「妖精の国」を穏やかに夢見るように演奏しました

会場一杯の拍手とブラボーの中、プラッソンは1階席、2階席の左右、後方に向かって一礼し、手を振りながら舞台袖に戻りますが、さきのハーピストの女性の手にキスをすることを忘れませんでした あの女性は、にわかプラッソン・ファンになって今ごろ彼のCDを買いまくっているかもしれません

と言う訳で、2日連続同じ演奏者で同じプログラムを聴いたわけですが、違う点は①会場、②聴衆の顔ぶれ、③プログラムの解説、④成田達輝の演奏中断の有無、⑤成田のアンコールの有無の5点でした。生演奏ですから、まったっく同じということはありませんね 今回、同じ演奏家で同じプログラムのコンサートが続いても、迷わず両方聴くべしという教訓を得ました

          

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