人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京交響楽団第612回定期演奏会を聴く~ベルリオーズの劇的交響曲「ロミオとジュリエット」

2013年07月21日 07時22分42秒 | 日記

21日(日)。昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第612回定期演奏会を聴きました プログラムは①ルーセル「交響曲第3番ト短調」、②ショパン「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」、③ベルリオーズ「劇的交響曲”ロメオとジュリエット”」より抜粋で、指揮はユベール・スダ―ン、コンマスはグレブ・ニキティン、②のピアノ独奏は中村紘子です

オケがスタンバイして、コンマスのグレブ・ニキティンが席に着きます。指揮者のスダーンが少し足を引きずるようにゆっくりと指揮台に向かいます 指揮台の上には専用の椅子が置かれ、スダーンは座って指揮をするようです。ぎっくり腰でもやったのか、あるいは腰痛を患ったのか、とちょっと心配です

1曲目のルーセル「交響曲第3番ト短調」はボストン交響楽団創立50周年を記念して指揮者クーセヴィツキーの委嘱によって作曲されたものです。ルーセルは海軍士官でしたが、退役後の1894年に作曲家になることを決意したという変わり種です

第1楽章「アレグロ・ヴィーヴォ」は、冒頭から、まるで闘争の音楽です 管弦楽により勇壮な音楽が展開します。第2楽章を経て、第3楽章のスケルツォは、いかにもフランスらしい楽しい音楽です 続く第4楽章「アレグロ・コン・スピリート」もフランスらしい雰囲気を湛えた音楽です。途中、コンマスによるヴァイオリン・ソロがありますが、なかなか美しい曲でした

曲が終わり、ヴァイオリン・セクションが舞台袖に引っ込み、段々になっている舞台が、コンピュータ制御によって下げられ、ピアノが通る道を作ります。舞台左サイドに控えていたピアノが”ピアノ道”を通って中央に移動します。その後、再びコンピュータ制御によってヴァイオリン・セクションの舞台がせり上がり元の位置に戻ります

ピアニストの中村紘子がスダーンとともに登場します。椅子は座る位置がかなり高く調整されています。彼女が背が低いということか、高い位置から叩き下ろすということか、はっきりしません

スダーンのタクトにより、ショパンの「ピアノ協奏曲第2番ヘ短調」が始まります。スダーンは座って指揮しているので、ピアノの蓋で遮られて姿が見えません

中村紘子の演奏を前に聴いたのはいつのことだったか、何の曲だったのか、思い出せません 思い出すのは、むしろン十年前にNHK教育テレビの「ピアノ教室」で子どものレッスンをしていた時の中村紘子の引き締まった表情です。何度かテレビで観ましたが、この人は人に教えるのが上手だな、と思いました。テキパキと指示を出して、ある時は自分で見本を見せて子どもに演奏方法を伝授していました

そんな彼女の生演奏を久しぶりに聴いたのですが、最初から最後まで、その力強さには衰えが見えませんでした。第2楽章のラルゲットも詩情豊かでしみじみと聴かせました 

会場一杯の拍手 でしたが、私にはイマイチ印象が薄い演奏に思えました 明らかにかつての”寄らば切るぞ”と言わんばかりの鋭い演奏からは遠い、こじんまりした印象を受けました。過去の栄光が偉大すぎるのかも知れません

休憩後の「ロミオとジュリエット」は、午前中、家で予習をしてあったはずでした。ところが、プログラムを見て勘違いしていたことに気が付きました この日の演奏はベルリオーズの劇的交響曲「ロミオとジュリエット」ですが、家で予習していたのはプロコフィエフのバレエ音楽「ロミオとジュリエット」の交響組曲でした。このほか、チャイコフスキーが幻想的序曲「ロミオとジュリエット」を作曲しています。したがって予習は無駄になりました

ベルリオーズの劇的交響曲「ロミオとジュリエット」は全4部から成りますが、演奏会では抜粋されて演奏されるケースが多いようです。この日は第1部から「序奏」、第3部から「愛の場面」、第4部から「愛の妖精の女王マブ」、第2部「ロミオただひとり、悲しみ、遠くから聴こえる音楽会と舞踏会、キャピュレット邸の大饗宴」が演奏されました

「序奏」はヴィオラの激しい演奏から開始されます。カプレーティ家とモンテッキ家の争いの音楽ですこの序奏はとても印象的です。他のエピソードもベルリオーズらしい管弦楽を駆使したダイナミックな音楽です。ブラス・セクションの咆哮、木管群の美しいメロディー、弦楽器の美しいハーモニーとピチカートこういう音楽を聴くと、ベルリオーズっていいな、とあらためて思います

終演後、いつもは管楽器だけを立たせるスダーンが、オーボエに次いでチェロ・セクションを、次いでヴィオラ・セクションを立たせました これは珍しいことです。先日の東響の演奏会ではフランスの指揮者ミシェル・プラッソンがチェロ・セクションを立たせました。かなり実力アップしてきているようですね。そう言えば、最近、東響のチェロは女性が増えているように思いますが、気のせいでしょうか

 

          

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