人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

七夕の真実とバレンボイムのワーグナー演奏事件~7月7日について考える

2013年07月08日 07時00分13秒 | 日記

8日(月)。急に梅雨が明けて、急に真夏になりましたね 「愛燦々と」は良いけれど「太陽サンサンと」は勘弁してほしいなあ 昨日、池袋まで買い物に出かけたのですが、汗びっしょり、くたくたになりました。今週も猛暑が続くようだし、ビールでも飲んで水分補給して・・・・・ってか と思っていたら、夕方、急に雷雨 がありましたね。どうせ降るのならもっとたくさん降ってほしいと思いますが

 

  閑話休題  

 

昨日の朝日「天声人語」を読んでいて、えっ と驚きました。カルピスは1919年7月7日に発売されたそうで、それに因んで毎年七夕に関する意識調査を続けているとのこと。2009年に実施した調査によると、七夕伝説は多くの大人が知っていたが、織姫と彦星が夫婦だと正しく理解していた人は1割もなく、9割超が恋人と誤解していた、ということが分かったというのです

えっ、そうだったの という感じです。私もてっきり織姫と彦星は恋人同士だとばかり思っていました。皆さん、知ってましたか?

 

  も一度、閑話休題  

 

同じ紙面の読書欄「思い出す本 忘れない本」のコーナーにピアニスト・文筆家の青柳いづみこさんがアラ・グゼリミアン編著「バレンボイム/サイード 音楽と社会」(みすず書房)という本について書いています

「パレスチナ人の文芸評論家サイードは、アラブ人キリスト教徒として生まれ、ムスリム色の強いカイロで少年期を過ごしたが、彼にはどこにも居場所がなかった 一方、ロシア系ユダヤ人の指揮者ダニエル・バレンボイムは真のコスモポリタンで、エルサレムでワーグナーを指揮して物議を醸し、アラブ諸国とイスラエルから若い音楽家を招いてミュージック・キャンプを開催するなど、音楽の力をどこまでも信じている

しかし、青柳さんは次のように指摘します。

「たしかに、音楽を通じて2つの世界の若者たちは完全に一つになり、それはすばらしいことだが、だからといって紛争がなくなるわけではない

青柳さんはここで、バレンボイムについて多くは触れていませんが、2001年7月7日、バレンボイムはイスラエルで開いたコンサートのアンコールでワーグナーのオペラの一部を演奏したのです この事件以来、彼は世界中のユダヤ人から非難され、猛烈な糾弾を浴びせられました その理由は、ワーグナーは偉大な作曲家であると同時に、有名な反ユダヤ主義者だったからです。その死後も、ヒトラーによって愛された音楽家としてナチス体制下で、ユダヤ人排斥・撲滅の象徴のように利用されてきたからです ただし、記憶している限りでは、バレンボイムはアンコールを演奏するに当たって聴衆に対し「これからワーグナーを演奏するが、聴きたくない人は出て行ってくれて結構だ」と断った上で演奏したはずです。その意味で、バレンボイムの音楽に対する姿勢は正しかったと思います

青柳さんは最後に、次のように結びます。

「音楽は世界共通言語だが、それゆえに私たちは、民族や宗教の違いを否応なしに肌で感じさせられることにもなる 音楽家はもっと行動し、もっと発言すべきだと、本書を読むたびに強く思う

青柳さんは、多くの著作を通してそれを実践している音楽家の一人です。一昨年の3.11東日本大震災の際には、多くの音楽家たちが被災地支援のために立ち上がりました それらの行動も音楽家としてのメッセージの発信でしょう。その時によく言われたのは「音楽家に出来ることは、音楽しかない」ということでした。それはその通りですが、それに加えて、青柳さんのように「言葉を通して発信する」ことが、もっとあっても良いような気がします

 

          

          〔ダニエル・バレンボイムのピアノ、オットー・クレンペラー指揮

          ニュー・フィルハーモニア・オーケストラによるベートーヴェン

          「ピアノ協奏曲全集」のCD〕 ※雄渾なベートーヴェン

 

          

          〔ダニエル・バレンボイムのピアノ、オットー・クレンペラー指揮

          ニュー・フィルハーモニアオーケストラによるモーツアルト

          「ピアノ協奏曲第25番K.503」のCD〕 ※堂々たるモーツアルト

 

  またまた、閑話休題  

 

というわけで、昨日は、家にいる時は本を読みながらHJリムのベートーヴェン「ピアノ・ソナタ全集」の8枚組CDを聴いていました どの曲も思わず引き込まれる魅力的な演奏で、とくに彼女のリサイタルで聴いた第8番”悲愴”、第12番、第23番”熱情”、最後のソナタ第32番は繰り返し聴きました 彼女の弾くベートーヴェンは”これこそベートーヴェンだ”という説得力があります。何度聴いても飽きることがありません

 

          

          

          

 

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