人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

都響から「2025年度定期会員継続案内」届く ⇒ 現在の席でBシリーズ会員継続へ / 中山七里著「作家刑事 毒島の嘲笑」を読む ~ 「急進革マル派」による放火・爆発事件の謎

2024年10月12日 00時04分43秒 | 日記

12日(土)。東京都交響楽団から「2025年度定期会員継続案内」が届きました 次シーズンの「ラインナップ」と「新旧年間料金比較」については昨日のtoraブログでご紹介しました 現在私はBシリーズ(サントリーホール)の定期会員ですが、昨日のブログで書いた通り、Bシリーズの現行の会員席を継続することとしました WEB受付は10月15日(火)開始なので、その時に申し込みをする予定です

     

ということで、わが家に来てから今日で3560日目を迎え、ロシアの独立系世論調査機関「レバダ・センター」が9日公表した調査結果で、ロシアによるウクライナへの侵略が「より多くの損害をもたらした」と答えたロシア人が全体の47%に達し、昨年に比べて6ポイント増加した一方、「より多くの利益をもたらした」との回答は同比10ポイント減の28%にとどまった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     ウクライナでもロシアでも長引く戦争に嫌気がさしてる 無視するのはプーチンだけ

         

昨日、夕食に「鶏と野菜の炒めもの」「生野菜とアボカドとチーズのサラダ」「大根の味噌汁」を作りました 「鶏と~」は久しぶりに作りましたが、ピリ辛で美味しくできました

     

         

中山七里著「作家刑事  毒島の嘲笑」(幻冬舎文庫)を読み終わりました 中山七里は1961年岐阜県生まれ。2009年「さよならドビュッシー」で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、10年1月デビュー 他に法医学を扱った「ヒポクラテス」シリーズや、弁護士が主人公の「御子柴礼司」シリーズなど、幅広い作風と多作で知られ、「中山七里は七人いる」と言われている

本書は作家兼刑事の毒島(ぶすじま)を主人公とする推理小説「作家刑事 毒島」「毒島刑事  最後の事件」に次ぐ「毒島刑事シリーズ」第3弾です

右翼系雑誌を扱う出版社が放火された。思想犯のテロとみて現場を訪れた公安の淡海は、警察官僚OBで作家に転身し、警察の技能指導員として活躍する毒島と出会う やがて「急進革マル派」と名乗る者から犯行声明が出される 犯罪者をいたぶることを趣味とする毒島は口撃で容疑者を追い詰めていく しかし、衆議院選挙が迫る中、さらに「急進革マル派」がからむ爆発事件が勃発し、候補者がターゲットとなる 果たして「急進革マル派」とはどんな組織なのか? テロを防ぐことはできるのか

     

またしても最後の「どんでん返し」にやられました それにしても中山七里は屈指のストーリーテラーだと感心します この先どうなるか・・とワクワクさせて、最後には全く予想外の犯人を明らかにします

ところで、中山作品のもう一つの魅力は、登場人物の言葉を借りて社会で問題になっているイシューに対する著者の考えを率直に語っているところです

放火犯の容疑者がネットカフェの会員で、薄っぺらな正論を主張していたことを引き合いに、匿名性をいいことに 無責任に書きたい放題のことを書いている者たちを批判して、毒島に次のように語らせています

「ブログだろうがツイッターだろうがTikTokだろうが、基本タダだからね。思い出すのはさ、某サービスセンターでフリーダイヤルを廃止した途端にクレームが激減したって件。賭けてもいいけどSNSを全部課金制にしたら批判もディスりも誹謗中傷も炎上も同じように激減するよ そしてカネ出してでも言わせてもらうって本気だけが残る。言っちゃあ悪いけど、タップ一発で気軽にできる批判なんて貧乏人の娯楽でしかないんだもの

これを読んで思ったのは、トランプ前大統領と彼の支持者でXの運営責任者イーロン・マスクが大統領選を前にしてX上で展開している”嘘八百”や”誹謗中傷”です 彼らは自分たちの利益だけを考えて確信犯でやっている最強・最悪のコンビです。要は当選すれば良いのです

ところで、本書の「解説」を作家生活8年目の斜線堂有紀という女性が書いていますが、休む暇もなく次々と傑作を世に送り出す多作家の中山七里を目標に、「明日は、来年は、3年後はどうなっているのかを想像するだに恐ろしい作家」として、懸命に小説を書いている旨を告白しています このブログでもご紹介したエッセイ「中山七転八倒」を読むと、いかに中山が普段から複数の原稿締切に追われる苛烈な執筆活動をしているかが赤裸々に書かれています 「この人、いつ眠っているんだろう」と思うほど過激な生活を送っています

それで思い出したのが、私が新聞関係団体事務局で働いていた現役時代に上司だったGM氏のことです GM氏は当時、広告部長である傍ら、推理小説評論家としても活躍しており、出版業界で知らない人はいないほどの有名人でした 彼がよく言っていたのは「仕事が終わって家に帰ると、食事して睡眠をとって、深夜に起きて朝まで原稿を書いているんだ ここ(団体事務局)の給料より外部の原稿料の方が多いんだ 仕事が嫌になったらいつでも辞めるよ」ということです。彼は本当に定年前に辞めて推理小説評論家として活躍しました

GM氏については、推理小説みたいなエピソードが一つあります

業務多忙のため広告部で数週間 アルバイトを雇うことになりました    私を含めた数人は地方でのセミナー開催のため3日間程度の出張に出たので、人材派遣会社から派遣された その女性アルバイトがどういう人か顔も見たこともありません ところが、出張から帰ってきたら、いるはずのアルバイトがいません なぜ雇ったはずのアルバイトがいないのか、GM部長は口を濁して本当のことを教えてくれません さてはセクハラか(当時は、その言葉はなかったが)と疑っていたら、後で飲み会の時に他のメンバーから聞いた話では、アルバイトの初日の夜に、GM部長が作家が集まる銀座の行きつけのバーに行ったところ、何とその女性がホステスとして登場したということでした おそらく裏事情が明らかになり働きずらいと思って1日だけで辞めたのではないかとのことでした GM部長はプライバシー保護と本人の名誉のため、大っぴらに話すことはしなかったようです さすがは人権派評論家 と思いました

9月24日(火)に日本記者クラブ会議室で開かれた新聞関係団体事務局のOB会で久しぶりにGM氏に再会したので、「推理小説をよく読んでます 特に中山七里は面白いですね」と声を掛けると、当然彼の名前は知っているようでしたが、あまり興味はないようで、出てきた名前は松本清張、横溝正史、西村京太郎といったかつての往年の作家たちで、唯一 現在でも新作を発表している東野圭吾が一番新しい名前でした 「先日 出版社から、東野圭吾の初期の作品を再販するのだが、当時自分が巻末に書いた『解説』を再収録したいと言ってきた 著作権料はたいしたことはないが、いいですよと答えておいた」と語っていました たまには中山七里を読んで、いつまでも元気で過ごしてほしいと思います

話がだいぶそれましたが、本書は面白くてページをめくる手が止まりませんでした 広くお薦めします

         

今日は東京交響楽団「第725回定期演奏会」を聴くためサントリーホールに行きます

     


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