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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

大宮エリー著「生きるコント」を読む ~ 作家、脚本家、演出家、CMディレクター、CMプランナー、映画監督、画家を一人でこなす女性の抱腹絶倒のエッセイ集

2025年05月19日 00時08分21秒 | 日記

19日(月)。先週末のことです。北大塚にある行きつけの歯科医で順番を待っていると、前の順番の高齢男性が診療が終わり診察室から出てきました 出てくるなりガラケーで誰かと話を始めました 聞くとはなしに聞いていると、「辞めさせたよ。統一教会だってよ。だから全員辞めさせたよ」と言っています 彼の服装を垣間見ると、ジャージの胸に菊の紋章のワンポイントがあり、腕のところに右翼団体のような組織名が書かれていました どうやら旧統一教会の信者が右翼団体に潜り込んで何やら活動をしていて、それがバレたようです JR大塚駅周辺には旧統一教会系と言われる「一※病院」や歯科医「一※歯科」という名前の病院があるので、旧統一教会の信者がうようよしているのかもしれません 名前の一部「一(いち)」は統一教会の「一」ではないかと勘繰っています

信教の自由は否定しませんが、それにしても、旧統一教会は自民党だけでなく、右翼団体にも触手を伸ばしているのかと驚きました

ということで、わが家に来てから今日で3779日目を迎え、トランプ米政権が有名大学や研究機関を標的に予算を削減する中、欧州連合(EU)は、欧州域外からの研究者の誘致を強化するため、5億ユーロ(約810億円)規模の支援計画を発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

外国への頭脳の流出問題は プーチンロシアとトランプ帝国に共通する オウンゴールだ!

         

大宮エリー著「生きるコント」(文春文庫)を読み終わりました 大宮エリーは東京大学薬学部卒。電通勤務を経て独立。作家、脚本家、演出家、CMディレクター、CMプランナー、映画監督、画家というマルチタレント 2006年に映画「海でのはなし。」で映画監督デビュー 主な著書に「生きるコント」「生きるコント2」、「思いを伝えるということ」等がある 2025年4月23日に病気のため49歳の若さで死去した

本書は、「週刊文春」2006(平成18)年8月31日号~2007(平成19)年11月29日号に連載され、2008(平成20)年3月に文芸春秋社から刊行された単行本を文庫化したエッセイ集です

「生きるヒント」と言えば五木寛之氏のシリーズ化されたエッセイ集が有名ですが、大宮エリーの場合は「生きるコント」です このタイトルは大宮の「毎日、真面目に生きているつもりなのに、なぜか、全てがコントになってしまう人生」という呟きから来ています

私が大宮エリーさんの存在を初めて知ったのは、十数年前にNHK-BSで日曜朝に放送されていた「週刊ブックレビュー」に度々ゲストで出演していた時です 前のめりなオネイさんがお薦め本を紹介していました

本書には49編(中途半端!)のエッセイが収録されていますが、「なんでこの人には次々と事件が起こるのか」というか、「この人、事件を呼び込んでいるのではないか」と勘繰ってしまうほど、小さな(時には大きな)トラブルが舞い込みます そして、「これが東大薬学部卒の若い女性がやることか」と言いたくなるような突拍子もない行動に移ります

エリーさんは「文庫版あとがき」の中で次のように書いています

「自分の本を自分で買って仕事先の人とか現場の役者さん、スタッフさんとかに配ってたんですね いやぁ、文庫じゃなかったから結構な出費でしたよ、とほほ できるだけポップなライトな感じで受け取っていただけるように、たいてい、これを渡すときには、『トイレでうんこでもしながら読んでください』って言ってました すると、ある日、某芸能事務所のO会長にお会いすることがあって、声をかけられたんです。『おい!うんこ!』と。わたしは一瞬耳を疑いました いま、うんこって言った?  わたしエリーだよ。おかしいな。するとOさんは続けてこう言いました。『おもしろかったぞ、本!』。そこでやっと理解し、たわたしは言いました。『会長ね、うんこしながら読んでとは言ったけど、あたしゃ、うんこではないよ』」

すべてがこの調子です これを読んで、「トイレで神(紙)に見捨てられたら自分で運(うんこ)をつかめ」という格言を思い出しました

エリーさんは大阪生まれで、小学生の時に東京に引っ越ししてきたので学校も転校することになりました 新しい学校では、お約束のように、関西弁がもとでイジメに遭ったといいます いじめに遭ってもうまく対処できなかったが、おかん(母親)が「ええか、なんでここ、弁慶の泣き所っていうか知ってるか?」と問いかけたのをきっかけに、イジメっこ軍団のドンがしつこく難癖をつけてきた時、夢中でドンの弁慶を泣き所を蹴りまくった その日から、ドンはドンでなくなり、ドンの家来たちは解散した その後、いじめられっ子だったエリーさんはクラスの学級委員長にまで上り詰めます いじめに遭っている子どもたちは、イジメっこの弁慶の泣き所を蹴り倒しましょう

エリーさんに「生きるヒント」を与えたおかんは、並の母親ではありません 「おかん犬」というエッセイでは、「犬を飼いたい」とおかんに言うと、「そんなにあんた、犬が飼いたいんやったら、おかんが、犬になったるわ」と言って、ハイハイしてワンと言い、こたつの周りをワンワン言いながら走り始めた それを見たエリーさんは「よーし、よーし、うわしゃしゃしゃ」と言いながら寝転がり、おかんを強く抱きしめ愛撫する。おかんはワンワン言って鳴きやまない 負けた。「もう犬を飼いたいなんて、言いません」と音を上げてしまいます

「おかんタイム」というエッセイでは、仕事で疲れて深夜に帰ってくると、おかんが起きてきて、その日にあったことをマシンガントークする 「疲れている、寝かせてくれ」と言っても寝かせてくれない 昼間のテレビ番組で「キャベツが体にいいと言ってたから」と言って様々なキャベツ料理が出てくる 生でもなく、茹でてもいない、中途半端にチンした味のないキャベツ山盛りとか ウサギじゃないんだから・・と嘆くことに

この母親にしてこの娘あり、と思います 一方、「ゴットおとん」というエッセイを読むと、おとん(父親)も並の神経ではないことが分かります エリーさんが20歳を過ぎてから、父親が10歳も若くサバを読んでいたことが分かったといいます 70歳だと言っていたが、本当は80歳だったと エリーさんは言います。「普通、そんな嘘、娘につきますかね?」。そのおとんはエリーさんが子どもの頃、浅草寺に行った時に「おみくじ」を引いてくるよう命じた。「凶」を引いておとんに見せると、「もういっぺん引け」と言う 結局、7回連続「凶」が出た。8回目に「大吉」が出ると、おとんは「でかした!」。とにかくある意味うちのおとんはゴットファーザーなのである、と書きます この父親にしてこの娘ありです

このほか、リオのカーニバルを見にビキニで行った話、小学生の頃のバレンタインの苦い思い出、彼とのクリスマスイブの思い出、おかんと二人で行った海外旅行・・・等々、面白いエピソードが満載です くれぐれも電車の中では読まないように


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