14日(金)。わが家に来てから今日で1533日目を迎え、米ニューヨークの連邦地方裁判所は12日、トランプ大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告に禁固3年の判決を言い渡すとともに、罰金などとして約200万ドル(約2億2000万円)の支払いを命じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです
200万ドル入りの金庫を盗んだら間違いなく金庫刑だけど そっちが良かったかな
昨日、夕食に「牛肉とブロッコリのオイスターソース炒め」「インゲンの胡麻和え」「じゃがいもとニンジンの味噌汁」を作りました 「牛肉~」は cookpad のレシピですが、初めてにしては美味しくできました
昨夕、サントリーホールでN響第1902回定期演奏会を聴きました プログラムはチャイコフスキー:バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71 全曲です 合唱はNHK東京児童合唱団、指揮はウラディーミル・フェドセーエフです
この曲は、ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893)が、E.T.Aホフマンの童話「くるみ割り人形と二十日鼠の物語」をA.デュマ(子)がフランス語訳したものを基に、M.プティパが台本を作成した2幕3場からなるバレエ音楽です 1891~92年にかけて作曲され、1892年12月18日にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で初演されました
ストーリーは次の通りです
【第1幕】ある王国で王子が誕生する。しかし、その場にいた人間がネズミの女王を踏み殺してしまったため王子は呪われ、くるみ割り人形になってしまう
(第1場)クリスマス・イヴの夜、ジルバ―ハウス家の客間ではパーティーが開かれている 少女クララはドロッセルマイヤー叔父さんからくるみ割り人形をプレゼントされる。ところが、弟と取り合いになり、弟のフリッツが壊してしまったのでドロッセルマイヤーが修理する。客も帰り皆が寝静まってから、クララは人形のベッドに寝かせたくるみ割り人形を見に来る。時計の針はちょうど12時を打つ。すると、クララの身体は人形ほどの大きさになる。そこに、二十日鼠の王様が指揮する 二十日鼠の大群が押し寄せる くるみ割り人形の指揮する兵隊人形たちが二十日鼠たちに対峙し、最後はくるみ割り人形と二十日鼠の王様と一騎打ちとなり、くるみ割り人形があわやというところで、クララがスリッパを投げつけ、二十日鼠たちは退散する 倒れたくるみ割り人形が起き上がると、凛々しい王子になっていた。王子はクララをお礼に雪の国とお菓子の国に招待し、2人は旅立つ
(第2場)雪が舞う松林に2人がさしかかる
【第2幕】お菓子の国の魔法の城に到着した王子は女王ドラジェの精(こんぺいとうの精)にクララを紹介する。お菓子の精たちによる歓迎の宴が繰り広げられる。クララはクリスマスツリーの足下で夢から覚めて起きる
以上のストーリーに対し、曲は次のような構成になっています
「序曲」
「第1幕」
(第1場)①情景(クリスマスツリー)、②行進曲、③子どもたちの小ギャロップと新しいお客の登場、④踊りの情景(ドロッセルマイヤーの贈り物)、⑤情景と祖父の踊り、⑥情景(クララとくるみ割り人形)、⑦情景(くるみ割り人形とねずみの王様の戦い)
(第2場)⑧情景(松林で)、⑨雪のワルツ
「第2幕」
⑩情景(砂糖の山の魔法の城で)、⑪情景(クララと王子)、⑫ディヴェスティスマン~チョコレート(スペインの踊り)、コーヒー(アラビアの踊り)、お茶(中国の踊り)、トレパック(ロシアの踊り)、葦笛の踊り、ジゴーニュ小母さんとピエロ、⑬花のワルツ、⑭パ・ド・ドゥ《序奏~ヴァリアシオン(第1)タランテラ~ヴァリアシオン(第2)金平糖の精の踊り~コーダ》、⑮終幕のワルツと大詰め
この日の演奏は、第1幕と第2幕の間に休憩が入ります
NHK東京児童合唱団 約40名がオケの後方にスタンバイします 続いてオケが入場しますが、弦楽器は左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです。コンマスはマロこと篠崎史紀氏。ヴィオラ首席には首席客演の川本嘉子さんがスタンバイしています オケ全体を見渡して、あらためて思うのはǸ響は男のオーケストラだな、ということです 弦楽器を中心に女性奏者が圧倒的に多い全国のオーケストラの中で、日本で一番男性楽員が多いのではないかと思います
1932年レニングラード生まれということは、今年86歳になるフェドセーエフが指揮台に上がり、さっそく「序曲」の演奏に入ります 第1幕を通して聴いた感じでは、全体的にテンポが遅めで、それが大きなスケール感に繋がっています 第1幕は「序曲」と「行進曲」くらいしかポピュラーな音楽がないのですが、強く印象に残るのは最後の「雪のワルツ」における児童合唱でしょう 透明感のある素晴らしい合唱が会場の隅々まで響き渡りました
休憩後は第2幕ですが、チャイコフスキー自身による組曲(作品71a)には第2幕からの音楽が多く取り入れられています その意味では比較的聴き慣れた音楽のオンパレードです
私が聴いていて特に面白いと思ったのは第12曲「ディヴェスティスマン」の一連の音楽です 軽快な「チョコレート(スペインの踊り)」から始まり、「コーヒー(アラビアの踊り)」に移りますが、これほど遅いテンポの演奏は聴いたことがありません アラビアのコーヒーでも、ドリップでゆっくりと落としたコーヒーのようです オーボエ、クラリネット、ファゴット等の味付けでコクが出て、見事なブレンドになっていました そして、ファゴットの出だしが楽しい「お茶(中国の踊り)」に移り、超高速の「トレパック(ロシアの踊り)」で爆発し、2本のフルートによる「葦笛の踊り」で落ち着きを取り戻します
続く「花のワルツ」も超スローテンポで、まるで大輪の花火のようなスケールの大きな演奏でした それは次の「パ・ド・ドゥ」の「序奏」に受け継がれます
フェドセーエフはタクトを使用せず、両手で音楽を紡ぎ出すように指揮をしていました ゆったりとしたテンポによる音楽運びは堂々たるスケール感を生み、「くるみ割り人形」は決してお子様向けのバレエ音楽ではなく、メロディーメーカー、チャイコフスキーが精魂込めて作曲した 歴史の評価に耐え得る傑作であることを、フェドセーエフは教えてくれました
繰り返されるカーテンコールの後、N響最年少の第1ヴァイオリン奏者、宮川奈々さんから花束を受け取ったフェドセーエフの笑顔が印象的でした
チャイコフスキーの三大バレエは、音楽的に作曲家の最高傑作と考えるのは、衆目の一致するところかと存じます(特に白鳥の湖)。
あまり三大バレエ音楽を聴く機会がないのですが、久しぶりに聴いて、チャイコフスキーはメロディーメーカーであることをあらためて実感しました。
これからもよろしくお願いいたします