人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

曽我大介✕東京ニューシティ管弦楽団「センター争奪、灼熱のアリアバトル」を聴く~高橋維、土屋優子、野田千恵子、高野百合絵、芹澤佳通、吉川健一が繰り広げるバトル~フェスタサマーミューザ

2018年08月11日 07時27分03秒 | 日記

11日(土・祝)。わが家に来てから今日で1409日目を迎え、北朝鮮外務省は9日、米国との非核化交渉について「トランプ大統領の意志に逆行し、一部の米政府高官がわれわれに言いがかりをつけて制裁と圧力に血眼になっている」と批判する談話を出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      独裁者同士の約束は危ないから 米国の一部高官が動いているんだと思うけどなあ

 

         

 

昨日、夕食に「麻婆豆腐」と「鮭ハラミのネギ塩焼き」を作りました コンサートの終了時刻の関係で時間がなかったので、省エネ・メニューになりました

 

     

 

         

 

昨日、ミューザ川崎で東京ニューシティ管弦楽団「センター争奪、灼熱のアリアバトル」を聴きました これはフェスタサマーミューザの一環として開かれたコンサートです プログラムの前半は①ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲、②プッチーニ:歌劇「トゥーランドット」から「誰も寝てはならぬ」、③同「セヴィリアの理髪師」から「今の歌声は」、ジョルダーノ:歌劇「アンドレア・シェニエ」から「祖国を裏切る者」、⑤ロッシーニ:歌劇「タンクレーディ」から「この胸の高鳴りに」、⑥ヴェルディ:歌劇「椿姫」より「ああ、そはかの人か~花から花へ」、⑦プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」から「ある晴れた日に」です

プログラム後半は①ロッシーニ:歌劇「セビリアの理髪師」序曲、②同:「セビリアの理髪師」からロジーナとフィガロの二重唱「それじゃ私だわ・・・嘘じゃないわね?」、③プッチーニ:歌劇「ラ・ボエーム」からロドルフォとミミの二重唱「おお麗しの乙女よ」、④マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲、⑤プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より蝶々夫人とスズキの二重唱「桜の枝を揺さぶって」、⑥ドニゼッティ:歌劇「ドン・パスクワーレ」よりノリ―ナとドン・パスクワーレの二重唱「お嬢様、そんなに急いでどこへ」、⑦ヴェルディ:歌劇「リゴレット」序曲、⑧同「リゴレット」より第3幕の四重唱「美しい恋の乙女よ」です

出演はソプラノ=高橋維、土屋優子、メゾ・ソプラノ=野田千恵子、高野百合絵、テノール=芹澤佳通、バリトン=吉川健一、司会は浅岡聡です

午後3時開演に先立って、2時20分から指揮者・曽根大介と司会者・朝岡聡によるプレトークがありました それによると、今回の企画はまったく違うタイプの若手歌手6人のイタリア・オペラの歌を聴いて、聴衆の「人気投票」により最多得票を獲得した歌手は、最後の「乾杯の歌」でセンターを務める(AKB48かよ!)ことができる上 シャンパンももらえる、さらに第1位に投票した人の中から抽選で1名にシャンパンがプレゼントされるというものです

歌手の6人が登場し、それぞれ力強い「所信表明演説」を行い、箱の中から番号の付いたボールを引く「くじ引き」により歌う順番を決めました   かくして午後3時のバトルを待つだけになりました

 

     

 

会場入口には選挙の候補者掲示板に見立てた出場6人の候補者?の写真が掲示されています

 

     

 

入場者には投票用紙が配られます

 

     

 

さて本番です。会場は4~5割程度の入りでしょうか。オーケストラ・セット券購入者+αという感じでしょうか。良い企画なのに残念な客入りです

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは執行恒宏です

最初にヴェルディの歌劇「運命の力」序曲が演奏されます この曲は1862年にサンクトペテルブルクで初演されたオペラの序曲で、劇中の主要なテーマが登場します 「6人の歌手の運命や如何に」とばかりにドラマティックな演奏が繰り広げられます

くじでトップバッターを引いたのはテノールの芹澤佳通(ボローニャ国立音楽院卒。二期会)です プッチーニの歌劇「トゥーランドット」からカラフの有名なアリア「誰も寝てはならぬ」を歌います 声は出ていましたが、はっきり言って力不足が否めません 残念ながら歌に余裕が感じられませんでした

2番手を引いたのは背の高いメゾ・ソプラノ 高野百合絵(東京音大修士課程在学中)です   ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」からロジーナのアリア「今の歌声は」を歌います   意志の強さを持った若いロジーナの心情を美しいメゾ・ソプラノで歌い上げました    自己採点は高い方です

3番手はバリトンの吉川健一(国立音楽大学院修了。二期会)です ジョルダーノの歌劇「アンドレア・シェニエ」からジェラールのアリア「祖国を裏切る者」を歌います この人は新国立オペラほかで活躍中の人で、歌も演技も安定感があります。革命の理想と自分自身の苦悩を見事に歌い上げました。自己採点は高い方です

4番手はメゾ・ソプラノの野田千恵子(武蔵野音大大学院修了。新国立劇場合唱団員)です。ロッシーニ:歌劇「タンクレーディ」からヒロインのアリア「この胸の高鳴りに」を歌います 出場者の中で一番小柄な歌手です。はっきり言って、選曲ミスです 彼女ほどの歌唱力があればもっとポピュラーなアリアを選んだ方が映えると思います 

5番手はソプラノの髙橋維(新潟県出身。二期会)です ヴェルディの歌劇「椿姫」よりヴィオレッタのアリア「ああ、そはかの人か~花から花へ」を歌います この曲は彼女にピッタリの選曲です コロラトゥーラの魅力が十二分に発揮されました 自己採点は歌唱力・演技力ともに最高点に近いです

トリを務めるのはソプラノの土屋優子(北海道出身。武蔵野音大大学院修了。二期会)です プッチーニの歌劇「蝶々夫人」からヒロインの有名なアリア「ある晴れた日に」を歌います ドラマティックなアリアを道産子根性で見事歌い上げ、感動を呼びました 自己採点は相当高いです

ここで20分間の休憩に入りますが、この間に投票用紙が回収され集計されます 私のベスト3は①高橋維、②土屋優子、③吉川健一です したがって投票用紙には高橋維さんに〇を付けて投票しました


     

 

プログラム後半はイタリア・オペラの二重唱、四重唱が歌われます

最初にロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」序曲が演奏されます オペラの喜劇の代表的な作品の序曲だけあって、軽快でワクワクする音楽です

次いで、「セビリアの理髪師」からロジーナとフィガロの二重唱「それじゃ私だわ・・・嘘じゃないわね?」が、ロジーナ=メゾ・ソプラノの高野百合絵とフィガロ=バリトンの吉川健一によって歌われます 背の高い高野と背の低い吉川によるアンバランス・コンビですが、歌の間合いはグッド・バランスです オペラのシーンを思い浮かべます

次いで、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」からロドルフォとミミの二重唱「おお麗しの乙女よ」が、テノールの芹澤佳通とソプラノの土屋優子により歌われます 芹澤は「誰も寝てはならぬ」よりも良いコンデションで歌っていました 土屋優子には余裕が見られます

ここで、歌手陣の喉を休めるため、オーケストラによってマスカーニの歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲が演奏されます これほど美しい音楽があるのだろうか、と思うほど純粋で天国的な音楽です 葬儀の時はこの曲を流してほしいという人を何人か知っています。分かります、その気持ち。でも本人は死んでるわけだから聴けないのが悲しいですね

次に、プッチーニの歌劇「蝶々夫人」より蝶々夫人とスズキの二重唱「桜の枝を揺さぶって」をソプラノの土屋優子(蝶々さん)とメゾ・ソプラノの野田千恵子(スズキ)が歌います 土屋優子の歌はドラマティックで感動を呼びます 一方、野田千恵子は蝶々さんに寄り添うスズキにピッタリの役柄です

次に、ドニゼッティの歌劇「ドン・パスクワーレ」よりノリ―ナとドン・パスクワーレの二重唱「お嬢様、そんなに急いでどこへ」がソプラノの髙橋維とバリトンの吉川健一によって歌われます ミスマッチと思いきや、これがジャスト・ピッタリのコンビネーションでした 髙橋維も吉川健一も、シリアスな役柄だけでなくコミカルな役柄もしっかりと歌い演じることができることを証明しました

次いで、オーケストラだけでヴェルディの歌劇「リゴレット」序曲が演奏されました これが間の抜けた演奏だと「リグレット」になってしまいますが、曽我✕東京ニューシティ管弦楽団にはそんなことはありません

序曲に続いて第3幕の四重唱「美しい恋の乙女よ」がソプラノの髙橋維(ジルダ)、メゾ・ソプラノの野田千恵子(マッダレーナ)、テノールの芹澤佳通(マントヴァ公爵)、バリトンの吉川健一(リゴレット)によって歌われました 司会の朝岡聡の解説にもありましたが、「4人が全く別のことをしゃべったら何が何だかわかりませんが、この四重唱は一人一人がまったく別のことを歌っているのに、音楽的には見事なハーモニーを奏でている」ということになります これはこのオペラに限らず、すべての名作オペラに共通することです

すべてのプログラムが終了し、いよいよ投票結果の発表です 第1位は「蝶々夫人」を歌ったソプラノの土屋優子さんでした お約束通り、ヴェルディ「椿姫」の「乾杯の歌」をシャンペン・グラス片手にセンターで歌いました

アンコールは「タイム・セイ・グッバイ」を一人一人の歌手をフィーチャーしながら全員で歌い、2時間40分(休憩20分を含む)のバトルの祭典を閉じました 在京オーケストラの中では最も歴史が浅く楽員が少ない東京ニューシティ管弦楽団は、生き残りの手段として 今回の路線で行けるかも、と思ったりしました


     

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2 コメント

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面白い (行政書士うすいたかし)
2018-08-11 09:53:02
面白い企画のコンサートですね。

参加したい気になりました(^-^)
オケの生き残る道 (tora)
2018-08-11 10:24:45
行政書士うすいたかしさん、コメントありがとうございました。
クラシック・コンサートはこういう楽しい企画があればもっと聴衆も増えると思うのですが。
是非参加してください!その前に厳しいオーディションがありそうな気もしますが

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