人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

Netfrixで「アメリカン・ファクトリー」を観る ~ アメリカのラストベルトに進出した中国企業のストーリー / 原田慶太楼氏の公演辞退問題のその後

2021年12月25日 07時22分43秒 | 日記

25日(土)。昨日のブログで、原田慶太楼氏がツイートした下記のジャパンアーツの「指揮者交代のお知らせ」を取り上げました

「指揮者・原田慶太楼は、今秋、新日本フィルハーモニー交響楽団から依頼を受けた公演への説明がないままキャンセルとなったため、原田本人と協議した結果、現在予定されている公演を辞退することとなりました。代役等につきましては新日本フィルホームページをご覧ください」

原田氏はジャパンアーツの「お知らせ」をそっくりそのままツイートしているだけで、本人のコメントがありません また、ツイッターを見ていたら、Tさんが「これどういうこと?新日本フィルが原田さんに出演依頼したのに何も事情説明しないで勝手にキャンセル → ジャパンアーツ激おこで原田さんの出演を全部取りやめた、ってこと?!」とツイートしていました これを見て、自分だけでなく同じように考えている人がいるんだなと思い、私は次のように書きました

「ジャパンアーツの説明を素直に読めば、『今秋(9~11月?)、新日本フィルが同氏にコンサートへの出演を依頼したが、原田氏は何の説明もなしに勝手にキャンセルした。彼のマネジメントをしているジャパンアーツが怒って、原田氏と協議し、今後予定していた新日本フィルのコンサートへの出演を辞退することになった』ということになります」

これについて、ブログをご覧になったころわんさんから「最初にジャパンアーツの発表を読んだとき、新日本フィルの方から説明せずにキャンセルしてきたのだと理解しました」とコメントをいただきました あらためて「お知らせ」を読んでみると、なるほどそうとも読めるかなと思いました つまり、「お知らせ」は読む人によって受け取り方が全く異なるあいまいな表現になっている、ということです 私は今だにどちらなのか判断できませんが、あいまいな表現はいらぬ誤解を招きます。発表文書は誤解されないよう明快に書いてほしいと思います また、原田氏側に落ち度がないのであれば、「原田慶太楼氏は いい加減な人間ではない」と申し添えておきます

ということで、わが家に来てから今日で2541日目を迎え、トランプ前米大統領は23日、連邦最高裁に、今年1月6日に発生した米議会議事堂襲撃事件を調査する下院特別委員会へのホワイトハウスの文書提出を差し止めるよう求めたが、トランプ氏の弁護団は申し立てで、下院特別委の要求は「あまりに広範囲」で「過去に例のない大統領特権の侵害」と主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです 

 

     

     「過去に例のない大統領特権の乱用」をやったのは どこの誰だったか 知らない?

 

         

 

昨夜は、全世界的にクリスマスイヴでしたが、わが家の夕食は「肉豆腐」でした 娘は外食なので一人分だけ作りました ずいぶん慎ましい夕食だとお思いになるかもしれませんが、クリスマスの日が娘の誕生日なので、毎年12月25日に誕生祝を兼ねて夕食会をしています

 

     

 

         

 

Netfrixのオリジナル・ドキュメンタリー「アメリカン・ファクトリー」(2019年製作アメリカ映画・110分)を観ました

2008年、米オハイオ州のラストベルト(錆びついた工業都市)と言われる地方都市デイトンで、ゼネラル・モータース(GM)の工場が不況のため閉鎖され、従業員は解雇されてしまう 2010年、中国の自動車ガラス製造メーカーの「フーヤオ」が進出してくる。フーヤオは国際市場開拓のためにGMが所有していた工場に自社工場を開設し、地元に大きな雇用を生み出す 失業中のアメリカ人たちは雇用先が決まり喜んでいたが、いざ働き始めると、彼らにとってフーヤオの労働環境はアメリカの標準からはかけ離れていた 給料は安く、ガラスを扱うのに安全面での配慮もないまま働かされ、中国人社員とアメリカ人社員との間にはほとんどコミュニケーションがなく、お互いを陰で軽蔑し合っていた そんな中、工場内で労働者の権利を守るため、労働組合を発足させるべきだという声が上がってくる それに対しフーヤオは、組合ができると権利だけ主張し労働効率が落ちるとして組合の設立に猛反対し、労働者から強い批判を受ける しかし、従業員の投票の結果、組合の設立は否定されてしまう

 

     

 

フーヤオで働く中国人労働者は1日12時間の労働(休憩含む)で月に1,2日しか休みがなく、社員の多くは単身赴任で働いており、妻や夫や子どもには滅多に会えない厳しい労働環境にあります それに対して、アメリカ人労働者は1日8時間労働で週休2日制をとっています 中国人労働者から見れば、アメリカ人労働者は「無駄口をたたきながらチンタラ働いている怠け者だ」ということになります 一方、アメリカ人労働者から見れば、中国人労働者は「ほとんど文句も言わず奴隷のように働かされている。ガラスを扱っているのに怪我に対する意識が低い」ということになります

ドキュメンタリーなので、アメリカ側、中国側の双方を平等に扱おうという意識が働いていますが、どうしてもアメリカ人が製作する映画なので中国批判が見え隠れします フーヤオ創業者の曹会長は、最初のうちは中国とアメリカの文化の融合を目指してアメリカ人の現地社長を雇いますが、そのうち中国人社長に挿げ替えてしまいます

フーヤオの管理職が中国人労働者向けに語るレクチャーが面白い アメリカ人と一緒に働くことになるので、「アメリカ人を理解しよう。アメリカ文化の特徴は”褒めて育てる”文化だ 褒められると自信過剰になる。しかし、おだてて働かせる方が利口なやり方だ 我々中国人の方がアメリカ人より優秀なのだ」と自尊心をくすぐり、褒めて育てます

フーヤオは2018年から黒字化、初任給は依然として時給14ドル、現在中国人200人、アメリカ人1200人が働いているとのことです 「中国文化とアメリカ文化の融合」は、口では何とでも言えますが、この映画を観ると、実際には困難を極める難題であることが良く判ります

この映画はオバマ元大統領夫妻の製作会社ハイヤー・グラウンド・プロダクションが製作していると言いますから驚きます スティーヴン・ポグナーとジュリア・ライカートが共同監督して、2020年「第92回アカデミー賞」のドキュメンタリー賞を受賞しました


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2 コメント

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Unknown (玲子)
2021-12-25 22:18:09
お嬢様のお誕生日おめでとうございます!原田さんは、とても実直な方だと思います。これからも頑張っていただきたいですね!
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ありがとうございます (tora)
2021-12-26 08:24:10
玲子さま コメントありがとうございました。

娘に対する誕生祝のメッセージまでいただき恐縮しています。

他の指揮者とは異なるレパートリーで勝負する原田氏にはこれからも頑張ってほしいと思います
返信する

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