26日(日)。わが家に来てから今日で2542日目を迎え、ロシア・モスクワの裁判所は、第2次世界大戦の退役軍人の肖像に放尿した19歳の男に禁固4年の有罪判決を言い渡した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
退役軍人は水も滴るいい男だったのか? 日本だったらシッコー猶予が付いたと思う
昨日は娘の誕生日だったので、クリスマスのお祝いを兼ねて夕食会を開きました 料理は「鶏の丸焼き」「焼き肉」「ブロッコリー、人参、里芋の煮物」「参鶏湯スープ」で、スパークリングワインで乾杯しました
「鶏の丸焼き」は残念ながら私の料理ではありません
とても食べきれないので、日曜に残りをいただきます
食後に30分ほど休んでから、FRENCH POUND HOUSE に注文しておいた苺ショートを紅茶でいただきました 花は巣鴨駅アトレヴィの Aoyama Flower Market で手配しました
伊坂幸太郎著「フーガはユーガ」(実業之日本社文庫)を読み終わりました 伊坂幸太郎は1971年千葉県生まれ。2000年「オーデュボンの祈り」で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー
2004年「アヒルと鴨のコインロッカー」で第25回吉川英治文学新人賞を受賞したほか、数々の文学賞を受賞しています
物語の主人公は常盤優我(兄)と常盤風我(弟)の一卵性双生児の兄弟です 優我は勉強が得意で大学に進学したが、おとなしい性格。一方の風我は運動が得意で大学には行かずアルバイトをしていますが、性格としては口が悪い
小説の冒頭は、仙台のファミレスで常盤優我とテレビ・ディレクターの高杉が向かい合っている場面です 優我は双子の弟である風我のこと、兄弟が持つ不思議な能力のこと、暴力を振るう父親と、それを見て見ないふりをした挙句 家を出て行った母親のことを語ります
不思議な能力とは、毎年誕生日の1日だけ、10時10分から2時間ごとに身体が入れ替わるという不思議なテレポーテーション能力です
優我は高杉に、テレビに出て有名になりたいから2人を番組に出演させてほしいと頼み込んでいます
【以下、ネタバレ注意】
常盤優我が番組出演を口実に高杉に接近したのには理由がありました 実は高杉は、常盤兄弟が子どもの頃に遭遇したひき逃げ事件の犯人らしく、調べにより、富裕層の子どもとして育ち、残虐な方法で子どもを殺してきたと確信します
そこで、警察に届け出る前に自分たちで真相を究明すべく高杉に接近し証拠をつかもうとしたのです
しかし、高杉への質問が核心に触れると、高杉は危険を察知し優我を拉致してアジトに連れて行ってしまいます
そこから優我と風我のテレポーテーション能力を駆使した救出作戦が展開します
この作品を読んで真っ先に感じたのは、伊坂作品には珍しく、これまでにない残虐な内容が書かれている、ということです 父親の二人への虐待、いじめられっ子のワタボコリへの同級生の虐待、秘密クラブでの水槽を使った少女の虐待・・・どれもが残虐な内容です
しかし、日常生活の中で、テレビや新聞で報道される親から子供への虐待や、子供から親への虐待などを観れば、現実の出来事を小説で書いているに過ぎないとも言えます
ライターの瀧井朝世氏が巻末の『解説』で「双子たちも、降りかかる暴力に抗いきれずにいる。それでも智恵を絞って邪悪な存在に立ち向かっていこうとした時、彼ら、特に風我の原動力になっているのは純粋な正義感ではなく、怒りだ」と書いていますが、その通りだと思います
「こんな酷いことが許されてたまるか
」という怒りです
伊坂幸太郎の眼はいつも、抵抗できない弱者に注がれています
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