6日(金)。来月の手帳のスケジュール欄の10月3日(木)の予定を見て焦りまくりました というのは、当日①18時半から新国立オペラ:ベッリーニ「夢遊病の女」が、②19時から読売日響「名曲シリーズ」が、③同じく19時から東京シティ・フィル「定期演奏会」があり、三つ巴でダブっているのです このうち他公演に振り替えが効かないのは東京シティ・フィルだけなので、これを生かすしか手はありません さっそく①については新国立劇場チケットボックスに電話を入れて、10月14日(月・祝)13時からの「最終公演」に振り替えました 他に3回振り替え可能公演があったのですが、すでに他のコンサートが入っているのでこの日しか空いていませんでした ②については読響チケットセンターに電話を入れて、9月28日(土)14時からの「土曜マチネーシリーズ」に振り替えました これにより、長原幸太氏 最後のコンマス公演を聴くことになります 結果的にこれはラッキーでした
ついでに11月のスケジュールを見ると20日(水)は①16時から新国立オペラ:ロッシーニ「ウィリアム・テル」が、②19時から東京都交響楽団「Bシリーズ」があり、オペラは約5時間かかるので、都響とダブります これについては、オペラも都響も振り替え先公演がありますが、オペラの振り替えは年3回までという制限があるので、都響を10月13日(日)14時からの「プロムナードコンサート」に振り替えました 都響の振り替え手続きはWEB上の「マイページ」からいつでも簡単にできる(新たな指定席が確保できる)ので大変便利です 定期会員券を含めたチケット発行・販売システムは都響の方式がシンプルかつ確実で一番優れていると思います 他のオケも都響方式で統一すればすべてが混乱なくスムーズにいくと思います 他のオーケストラの皆さん、考えてくれませんかねえ
ということで、わが家に来てから今日で3524日目を迎え、米司法省は4日、11月の米大統領選でロシアが返り咲きを期待する共和党のトランプ前大統領が有利になるよう、ロシア政府の指示を受けて偽情報を流布させた同国営メディアの職員を起訴した と発表したというニュースを見て感想を述べるモコタロです
プーチンにとっては 悪友のトランプが大統領になった方が やり易いだろうからな
昨日、夕食に「揚げジャガイモと鶏肉の炒め物」「生野菜とアボカドのサラダ」「舞茸の味噌汁」を作りました 「揚げジャガ~」は久しぶりに作りましたが、美味しくできました
昨夜、サントリーホールで読売日響「第641回定期演奏会」を聴きました プログラムは①メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26,②スルンカ「チェンバロ協奏曲 ”スタンドスティル」(日本初演)、③シューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D944 ”グレイト”」です 演奏は②のチェンバロ独奏=マハン・エスファハニ、指揮=マクシム・エメリャ二チェフ です
マクシム・エメリャ二チェフは1988年ロシア生まれの36歳 モスクワ音楽院でロジェストヴェンスキーに師事。12歳で指揮者デビュー 現在は古楽アンサンブル「イル・ポモ・ドーロ」とスコットランド室内管弦楽団の首席指揮者を務め、25年にはスウェーデン放送響の首席客演指揮者に就任予定
オケは左から第1ヴァイオリン(10)、ヴィオラ(8)チェロ(6)、第2ヴァイオリン(10)、後方にコントラバス(4)が横一列に並ぶという変則10型の対抗配置です コンマスは戸原直。これまで林悠介とダブルトップ態勢を取ってきましたが、長原幸太コンマスの退団(今月末)を見据えて 今月から独り立ちするようです
1曲目はメンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」作品26です この曲はフェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847)がスコットランドのヘブリディーズ諸島への旅で、スタッファ島にあるフィンガルの洞窟を見た印象をもとに1829年から30年にかけて作曲、1832年5月14日にロンドンで初演されました
エメリャ二チェフの指揮で演奏に入りますが、中館壮志のクラリネット、荒木奏美のオーボエの演奏が印象に残りました
2曲目はスルンカ「チェンバロ協奏曲 ”スタンドスティル”」(日本初演)です この曲は1975年チェコ・プラハ生まれのミロスラフ・スルンカが2019年から22年にかけて作曲、2022年9月11日にケルンで初演された単一楽章の作品です 「スタンドスティル」とは「停止、行き詰まり」を意味します
チェンバロ独奏のマハン・エスファハニは1984年テヘラン生まれ スタンフォード大学で音楽学と歴史を学び、ボストンとプラハでチェンバロの研鑽を積む。2015年BBCミュージック・マガジン年間最優秀新人賞を受賞 時代の最先端を行くチェンバロの革命児と言われる
オケは12型に拡大します 通常、協奏曲ではソリストの演奏を生かすため弦楽器を縮小しますが、逆に拡大するのは珍しいと思います
エスファハニがステージ中央の黒と金の輝くチェンバロに向かい、エメリャ二チェフの指揮で演奏に入ります 演奏を聴きながらプログラム・ノートの「楽器編成」の「打楽器」の構成を眺めていたら「ゆで卵カッター」という文字があり、「なんじゃこりゃ 」と松田優作の台詞が出てきました 打楽器奏者を観察していたのですが「ゆで卵カッター」を発見できませんでした
チェンバロは、短いフレーズを速く弾くことを繰り返すのを基本とする演奏でした 中盤では、指ではなく 両肘で鍵盤を叩いて弾くシーンがあり、現代音楽も山下洋輔にやっと追いついてきたか、と感慨深いものがありました 最後には鍵盤と弦との繋がりを断ち、鍵盤だけをパタパタと弾いていたので、音が全く響かず、「ああ、これがスタンドスティル(行き詰まり)か」と納得しました
大きな拍手の中、カーテンコールが繰り返され、作曲者のエスファハニがステージに呼ばれ、大きな拍手を浴びました
エスファハニはアンコールに応え、パーセル「グラウンド イ短調」 を鮮やかに演奏、それでも鳴りやまない拍手に、上着を脱いで(一肌脱いで)ラモー「ガヴォットと6つの変奏」を唖然とする技巧で演奏、再び大きな拍手に包まれました
プログラム後半はシューベルト「交響曲第8番 ハ長調 D944 ”グレイト”」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1825年に作曲、シューベルトの死後、1839年に自筆譜がロベルト・シューマンによりシューベルトの兄フェルディナントのもとで発見され、翌1839年3月21日にライプツィヒでメンデルスゾーンの指揮により初演されました 第1楽章「アンダンテ ~ アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
オケは再び変則10型の対抗配置に戻ります エメリャ二チェフはタクトを持たず、指揮台も使用しません
第1楽章がホルンにより開始されますが、日橋辰朗の演奏が素晴らしい エメリャ二チェフは速いテンポでメリハリを付けてサクサクと音楽を進めます 弦楽器をよく観察するとノン・ビブラートの古楽奏法(ピリオド奏法)で演奏しています 彼が古楽アンサンブルの指揮者も務めていることを思い出します 第2楽章ではオーボエの荒木奏美、クラリネットの中館壮志の演奏が冴えています そしてノン・ビブラートの弦楽セクションのアンサンブルが美しく響きます 硬いマレットで打ち込まれるティンパニの演奏が爽快です 第3楽章では木管楽器が大活躍し、ホルンも素晴らしい 第4楽章も速いテンポによりメリハリのある演奏が展開しますが、とても10型とは思えない14型くらいの重量感のある音が迫ってきます エメリャ二チェフは終始 躍動感溢れる指揮で読響の面々を煽り立て、持てる力を全て引き出しました オケ総力挙げての渾身のフィナーレは圧巻でした
満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました 読響の底力を見せつけたエキサイティングな演奏でした