人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「METライブビューイング アンコール2018」でロッシーニ「セヴィリアの理髪師」を観る / ラ・ルーチェ弦楽八重奏団コンサート・チケットを取る~ブラームス「弦楽六重奏曲第2番」ほか

2018年09月10日 07時23分57秒 | 日記

10日(月)。わが家に来てから今日で1439日目を迎え、全米テニスオープン女子シングルス決勝で 大阪なおみが日本選手初の4大大会優勝を遂げたが、対戦相手のセリーナ・ウィリアムズが3度の規則違反で相次ぎペナルティを受ける異例の事態となった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      セリーナ選手は女王らしくない態度だった 大坂なおみは間違いなく実力で勝った 

 

         

 

昨日、東銀座の東劇で「METライブビューイング  アンコール2018」のロッシーニ「セヴィリアの理髪師」を観ました これは2007年3月24日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演されたオペラのライブ録画映像です 私がこの作品を観るのは2007年、2012年、2017年の9月に次いで今回が4回目ですが、何回観ても飽きません 

出演はロジーナ=ジョイス・ディドナード、アルマヴィーヴァ伯爵=フアン・ディエゴ=フローレス、フィガロ=ペーター・マッティ、バルトロ=ジョン・デル・カルロ、ドン・バジリオ=ジョン・レリエほか。演奏はマウリツィオ・ベニーニ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団、演出=バートレット・シャーです

ステージは通常の舞台に加え、指揮者とオケを取り囲むように張り出し舞台がしつらえてあります ベニーニのタクトで序曲が軽快なテンポで進められます ロッシーニ・クレッシェンドが仕掛けられたこの序曲にはオペラの魅力が凝縮されています モーツアルトの「フィガロの結婚」序曲を聴く時と同じ感覚、何か楽しいことが始まるワクワクドキドキ感が半端ない

アルマヴィーヴァ伯爵(リンドーロ)を歌ったフアン・ディエゴ=フローレスはペルー出身のテノール(レッジェーロ)ですが、喜劇的なオペラの主役を歌わせたら彼の右に出る者はいないでしょう 幕間のインタビューで「聴衆に、自然に歌っているように思わせるには、練習に練習を重ねるしかありません」と語っていましたが、どれほど多くの練習を重ねたらあれほど軽やかな高音が出るのでしょうか すごいとしか言いようがありません。喜劇役者的な演技も抜群です

ロジーナを歌ったジョイス・ディドナートはアメリカ出身のメゾ・ソプラノですが、輝くようなコロラトゥーラを駆使して美しい声で歌います 彼女の演じるロジーナは男に守られる弱い女性ではなく、自分の意思を持つ強い女性です

二人に負けない魅力を発揮していたのが、フィガロを歌ったスウェーデン出身のバリトン、ペーター・マッティです 「街の何でも屋」らしく機転が利き、何でもこなす精力的なフィガロを歌い演じました

ロジーナの後見人バルトロを演じたジョン・デル・カルロは何回観ても可笑しいです 太めの体格が後見人のバルトロにピッタリで、ちょっとした仕草が笑いを誘います。早口言葉によるアリアは見事でした

ドン・バジリオを歌ったジョン・レリエは深みのあるバリトンで、金のためなら敵味方をコロコロ変える狡猾な医者を見事に演じました

バルトロ家の女中のベルタは1度だけ第2幕で歌いますが、この歌手(名前は失念)が素晴らしい 「年寄りは妻を求め、娘は夫を持ちたがる。二人とも縛っておけばいいのに。だけど、みんなを夢中にする恋とは一体なんだろう?誰もがかかる病気なんだね。私だって恋してみたいもんだよ。結果は分かってるけどね」と、年老いた女性の悲哀を歌い上げます

マウリツィオ・ベニーニ指揮メトロポリタン歌劇場管弦楽団の演奏が素晴らしい 一番良いのは軽快なテンポを持続して音楽の流れを絶やさないところです そして、それを見事にカバーしていたのがバートレット・シャーによる動きが止まらない演出です 幕間のインタビューで「喜劇的なオペラの演出で一番大切なのは何ですか?」と訊かれ、「混沌を維持することです」と答えていましたが、まさに常に誰かが歌い、何かが動いていました

この公演は間違いなく当時 最高のキャストによる上演です これほど適材適所の歌手陣も滅多にないでしょう あれから11年が過ぎました。この間、ジョイス・ディドナードは2012-13シーズンでドニゼッティ「マリア・ストゥアルダ」のタイトルロール、2013-14シーズンのロッシーニ「ラ・チェネレントラ」のタイトルロール、2014-15シーズンでロッシーニ「湖上の美人」のエレナ、2017‐18シーズンでベッリーニ「ノルマ」のアダルジーザを歌うなど、METの看板歌手に成長しています ぺーター・マッティは2012-13シーズンで「パルシファル」のアンフォルタスを歌っていました。フアン・ディエゴ=フローレスは2010-11シーズンでロッシーニ「オリ―伯爵」のタイトルロールを歌っており、来たる2018‐19年シーズンではヴェルディ「椿姫」でアルフレードを歌うのが嬉しいところです

「セヴィリアの理髪師」の上映時間は休憩、歌手へのインタビューを含めて3時間21分です

東劇でのMETライブビューイング「セヴィリアの理髪師」の今後の上映日程は、9月10日(月)~12日(水)の18:30から、同13日(木)、14日(金)の14:30から、10月1日(月)18:30からの6回です

こんなに楽しいオペラはない 観て絶対に後悔しません。強くお薦めします

 

     

 

         

 

来年1月4日(金)午後7時から東京文化会館小ホールで開かれる「ラ・ルーチェ弦楽八重奏団」のコンサート・チケットを取りました プログラムは①ブラームス「弦楽六重奏曲第2番」、②ブルッフ「弦楽八重奏曲」、③グリエール「弦楽八重奏曲」です 「ラ・ルーチェ弦楽八重奏団」は東京藝大と桐朋学園大 各4名のメンバーにより2013年に結成されたユニットです

 

     

     

 

確か、前回メンデルスゾーンの「弦楽八重奏曲」を演奏するコンサートに行けなかった記憶があります 次回は是非と思っていた公演です

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