人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林研一郎✕吉田南✕東京フィルでベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、「交響曲第7番」を聴く~演奏後 コバケンが文京シビックホールに注文:響きの森クラシック・シリーズ

2018年09月09日 07時23分40秒 | 日記

9日(日)。まだまだ残暑が続きます そこで暑気払いの掛詞遊びにお付き合いください

      長引く今夏の猛暑と掛けて何と解く?

      毎日のご飯と味噌汁と解く

      そのココロは?

      いつまで経っても あき がきません

賢明な読者は「飽き」と「秋」の掛詞にお気づきですね 明けない夜はない、終わらない夏はない。もうしばらくの辛抱です。団結がんばろう 労働組合か

ということで、わが家に来てから今日で1438日目を迎え、トランプ米大統領は大統領専用機で記者団の質問に答え、8日に始まった閣僚級協議が始まった対日通商交渉について、「日本は貿易問題でオバマ政権と話そうとしなかった。報復されないと思っていたからだ。今は日本は全く違う風に考えている。米国とのディールに応じなければ大変な問題が起こると思っている」と述べた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 トランプ大統領とお友だちの安倍首相は 総裁選前に説得して 友達力を見せてよ!

 

         

 

昨日、文京シビック大ホールで「響きの森クラシック・シリーズ」を聴きました プログラムはベートーヴェン①ヴァイオリン協奏曲ニ長調、②交響曲第7番です ①のヴァイオリン独奏は吉田南、管弦楽は東京フィル、指揮は小林研一郎です

 

     

 

このシリーズは人気があり 会場はいつも通り満席です    オケはいつもの通り 左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成、コンマスは三浦章宏です

1曲目はベートーヴェン(1770‐1827)の「ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品61」です    この曲は1806年、アン・デア・ウィーン劇場のコンマス、フランツ・クレメントのために作曲され、彼の独奏で初演されましたが、直前まで曲が仕上がらなかったことなどから、満足な評価は得られませんでした この作品の真価が認められたのは、ベートーヴェン死後の1844年に当時13歳のヨーゼフ・ヨアヒムがメンデルスゾーンの指揮で演奏してからのことでした 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド、アレグロ」の3楽章から成ります

ソリストを務める吉田南さんは、2014年の日本音楽コンクールで第1位、2015年のシベリウス国際ヴァイオリンコンクールでは最年少入賞、2016年モントリオール国際音楽コンクールでは最年少第3位に入賞しています 現在ボストンのニューイングランド音楽院に学費全額免除で在学、同時に桐朋学園ソリストディプロマコース学費全額免除特待生として在学中の逸材です

ブルー系の衣装に身を包まれた吉田南さんがコバケンとともに登場します コバケンのタクトで第1楽章が、弱音によるティンパニの4連打で開始されます。コバケンは相当ゆったりとしたテンポで音楽を進めます 長い序奏に次いで吉田さんの独奏ヴァイオリンが入ってきます。この曲は技巧をひけらかすような曲ではないだけに、反って難しさがあると思われますが、コバケンのダイナミックな指揮に呼応するように悠然と演奏を展開します 第1楽章は演奏時間にして全3楽章の半分以上を占める長大な楽章ですが、吉田さんは集中力を失うことなく美しくも力強い演奏を繰り広げ、いくつかあるカデンツァの中から選んだクライスラーのものを確かなテクニックにより見事に弾き切りました 第2楽章では、オケによる冒頭の演奏が素晴らしく、思わず涙が落ちそうになりました ヴァイオリンのソロが入ると叙情的な演奏が展開します 間を置かずに移行する第3楽章では一転、ヴァイオリン・ソロによる躍動感に満ちた音楽が展開し、輝かしいフィナーレを迎えます 会場いっぱいの拍手が送られ、2階席のそこかしこからブラボーがかかりました

全体的にテンポがゆったりとしていたので、通常は45分程度の曲が 55分以上かかったのではないかと思います   吉田さんの演奏はダイナミックで、なおかつ繊細さも併せ持った立派な演奏でした アンコールにイザイの「ヴァイオリン・ソナタ第1番」から第3楽章「アマービレ」を鮮やかに演奏し、再び満場の拍手とブラボーが寄せられました 将来が楽しみなヴァイオリニストです

 

     


プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第7番イ長調 作品92」です この曲は1812年に作曲され、翌13年の初めに修正のうえ完成されました 初演は1813年12月にウィーン大学講堂で開かれた「戦争傷病兵のための慈善コンサート」で、「戦争交響曲」「ウェリントンの勝利」と共に演奏されました 共通点は祝祭感溢れる曲、別の言い方をすればド派手な曲です この曲は少し前の日本では、「のだめカンタービレ」でテーマ・ミュージックのように使われていました なつかしか~  上野樹里の のだめ

この曲は第1楽章「ポーコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成りますが、この作品の大きな特徴は「リズム」「メロディー」「ハーモニー」の音楽3大要素のうち「リズム」が徹底的に強調されていることです

コバケンのタクトで第1楽章が開始され、長い序奏が演奏されます オーボエ、ホルンが素晴らしい ヴィヴァーチェに入ると半端ないリズム感がたまりません 第2楽章は葬送行進曲風なメランコリックな音楽です。コバケンは足を引きずるように演奏します 第3楽章は「スケルツォ」に相当する音楽です。ホルンと弦楽器の対話が素晴らしい 間を置かずに突入する第4楽章の推進力はワーグナーの言う「舞踏の神化」です とくにフィナーレにおける低弦による「バッソ・オスティナート」には興奮を禁じ得ません バランス感覚のない指揮者だと重低音が効かず台無しになってしまいますが、コバケンはしっかりと効かせています

ベートーヴェンらしいダイナミックな演奏に満場の拍手が送られました コバケンは例によって、弦の最前列8人と握手、コントラバスの首席と握手、今度は管楽器の方に出向いて楽器セクションごとに立たせて握手を求めます。彼の場合はこの「儀式」が長いので、アンコールを待たずに帰るお客さんもチラホラ見られます そして、最後の〆にマイクを持って再登場し、いつもの「挨拶」が始まります どうやら夏風邪でも引いたようで、ガラガラ声で 時々咳き込みます。体調が悪い中を「東京フィルの皆さんとベートーヴェンに励まされて本番に臨んだ」と語っているようです 驚いたのは そのあと「文京シビックホールにお願いがあります。もう少し音響が何とかならないでしょうか」と発言したのです。すると2階席の上の方から拍手が起こりました コバケンがこのホールに不満を述べるのを聞いたのはこれが初めてだったのでビックリしました というのは、数年前に、同じ文京シビック「響きの森クラシック・シリーズ」で尾高忠明氏が東京フィルを振った際に、「このホールの音響は素晴らしいです 地元の皆さんは誇りに思っていいと思います」と語っていたのを思い出したからです 私自身は、このホールの音響が凄く良いとは思いませんが、特段 悪いとも思いません   この日、コバケンは風邪で熱があり 耳が多少おかしくなっていたのではないか、とも思いましたが、真相は本人にしか分かりません   文京シビックホールはこの発言を受けてどういう対応を図るのでしょうか

コバケンは最後に「今日、NHKのインタビューがあり『なぜダニーボーイをアンコールで演奏する機会が多いのか?』と訊かれ、『20年ほど前に父親が亡くなった時は、ちょうどダニーボーイを演奏していた時で、天に昇っていく煙を見て、手を伸ばせば父親と握手できるのではないかと思った経験があるからです』と答えました」として、弦楽合奏により「ダニボーイ」を感情を込めて演奏し この日のコンサートを締めくくりました

この日はベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」で爽やかな南風が吹きましたが、指揮者は夏風邪を患っていたようです   良からぬ人がコバケンに秋風を送る前に 風邪を治して元気になって 爽やかな秋を迎えてほしいと思います

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« プッチーニ「三部作」(外套... | トップ | 「METライブビューイング ア... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事