人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

セバスティアン・ヴァィグレ ✕ 読売日響でブラームス「交響曲第2番」、ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲、藤倉大「箏協奏曲」を聴く

2021年07月11日 07時10分03秒 | 日記

11日(日)。わが家に来てから今日で2374日目を迎え、北朝鮮が国際組織による英アストラゼネカ製や中国製の新型コロナウイルスのワクチン提供を受け入れず、ロシア製ワクチンの無償提供を求めていることが、9日までに韓国情報機関などの報告で判明した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     中国製もロシア製もどっこいどっこいだと思うけど 北朝鮮は何を考えているんだろ

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで「読売日響 第238回 土曜マチネ―シリーズ 演奏会」を聴きました プログラムは①ロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲、②藤倉大「箏協奏曲」、③ブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です 演奏は②の箏独奏=LEO、指揮=読響常任指揮者 セバスティアン・ヴァィグレです    当初、②はぺシュキン「トランペット協奏曲第1番」(Tp:セリーナ・オット)で、指揮はアニヤ・ビールマイヤーの予定でしたが、コロナ禍の影響で来日出来なくなり、それぞれ変更となったものです

会場は9割近い入りでしょうか。やはり常任指揮者が登場すると違うように思います。オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの読響の並び。コンマスは日下紗矢子、その隣は小森谷巧というダブル・コンマス態勢です

1曲目はロッシーニ:歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲です    このオペラはジョアッキーノ・ロッシーニ(1792‐1868)が1816年に作曲、同年2月20日、ローマのアルジェンティーナ劇場で初演された2幕4場からなる作品です 音楽ライター飯尾洋一氏のプログラムノートによると、「序曲」は旧作「イングランドの女王エリザベッタ」序曲が転用されたとのことですが、その作品も「パルミラのアウレリアーノ」序曲からの流用だそうです まるでベートーヴェン「プロメテウスの創造物」みたいですね

ヴァィグレの指揮で演奏に入ります。短いフレーズを繰り返しながら次第に音量を増してスピードアップしていく「ロッシーニ・クレッシェンド」がたまりません 金子亜未のオーボエが、倉田優のフルートが良く歌います フランクフルト歌劇場の音楽総監督を務めるヴァィグレの面目躍如といった鮮やかなタクト捌きがロッシーニの序曲に命を吹き込みます

2曲目は藤倉大「箏協奏曲」です この曲は藤倉大(1977~)が、箏ソリストLEOから委嘱を受けて2020年に作曲した20分ほどの作品です 藤倉大氏自身のプロブラムノートによると、この曲はLEOの書いた箏のソロ作品「竜」をベースに、藤倉が本人とやり取りしながら作曲したものです なお、箏と琴の違いは、Wikipediaによると「箏は柱(じ)と呼ばれる可動式の支柱で弦の音程を調節するのに対し、琴は柱がなく、弦を押さえる場所で音程を決める」のだそうです

ソリストのLEOは1998年横浜生まれ。14歳で全国小中学生筝曲コンクールのグランプリ、「くまもと全国邦楽コンクール」で史上最年少の16歳で最優秀賞・文部科学大臣賞を受賞しています。現在、沢井筝曲院講師で東京藝大在学中です

ヴァィグレが指揮台に上り、曲が始まりますが、最初から箏の独奏が入ってきます 「春の海」などの長閑な曲想とは正反対の局面にある音楽で、極めて速いテンポで音楽が進みます 後半は、箏の独奏によるカデンツァ風の音楽が長く静かに奏でられ自然に音が消えていきます 不思議な感覚の作品でした。LEOの演奏は鮮やかでした

 

     

 

プログラム後半はブラームス「交響曲第2番 ニ長調 作品73」です    この曲はヨハネス・ブラームス(1833‐1897)が1877年に作曲、同年12月30日にウィーンで初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アダージョ・ノン・トロッポ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ・クァジ・アンダンティーノ」、第4楽章「アレグロ・コン・スピーリト」の4楽章から成ります

ヴァィグレの指揮で第1楽章の演奏に入ります 冒頭からチェロ、コントラバスの重低音が冴え渡ります 日橋辰朗率いるホルン軍団をはじめ、金子亜未のオーボエ、倉田優のフルートが素晴らしい 第2楽章の冒頭もチェロ、コントラバスによる重低音が存在感を示し、鈴木康浩率いるヴィオラ軍団の素晴らしい演奏が加わります 第3楽章は冒頭から金子亜未の独壇場です 第4楽章は、弦の渾身の演奏が存在感を増し、管楽器とティンパニを加えた総力戦を展開、輝きに満ちたフィナーレを迎えます

満場の拍手に、ヴァィグレはセクションごとに立たせ楽団員を労います ドイツ的な重厚な音楽作りによる素晴らしいコンサートでした

コメント
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