29日(火).一昨日は十五夜でしたが,昨夕が満月でした.夕べ娘が月見ダンゴを作りました
昨日の朝日夕刊・文化面に音楽評論家C氏の「英国ロイヤル・オペラ『ドン・ジョバン二』の批評が載りました この公演はMETの看板ソプラノ,ジョイス・ディドナートがドンナ・エルヴィーラを歌うというので,生で聴きたかったのですが,あまりのチケット代の高さに手も足も出ませんでした
さて,C氏の評の最後の部分を読んで,オヤっ?と思いました
「地獄落ちはなく,最後の6重唱も前半をカット.疎外されていく主人公の姿をかつてなく浮き彫りにした」
「地獄落ちのない『ドン・ジョバンニ』ってどうなんでしょうか このシーンはオペラの終盤で,騎士長の石像がドン・ジョバンニの手を取って「悔い改めよ,生き方を変えよ」と迫るのに対し,ドン・ジョバン二が最後まで拒否したことから,地獄の門が開き,ドン・ジョバン二が地獄に落ちるというものです
実際にこの公演を観ていないのでどういう演出だったのか分かりませんが,『疎外されていく主人公の姿をかつてなく浮き彫りにした』というなら,なおさら「地獄落ち」がないのは不自然だと思いますが,どんなものでしょうか
あるいは,会場のNHKホールが地獄落ちがやりにくい舞台だったのでしょうか? いずれにしても”地獄落ち”のないドン・ジョバン二なんて泡(空気)の抜けたシャンパンのようなものです.気が抜けてしまいます
また,『最後の6重唱も前半をカット』とあるのは,疎外されたのはドン・ジョバン二ではなく聴衆だったのではないか,と思います
ということで,わが家に来てから367日目を迎え,オヤツを狙うモコタロです
あそこに オヤツの容器があるぞ しめしめ・・・・
こんな椅子 なんでもないさ 上に乗ってやるぞ!
ほら簡単に乗った! あとは容器の中のオヤツを食べるだけだ
今のシーンを別の角度から映します 明日につづく ・・・
閑話休題
昨日,飯田橋のギンレイホールで北野武監督「龍三と七人の子分たち」と,原田眞人監督「駆込み女と駆出し男」の2本立てを観ました 今日は「龍三と七人の子分たち」について書きます
「元ヤクザの組長の龍三は現役を引退して,息子の家で肩身の狭い思いをしながらくすぶっているが,ヤクザの性分が抜けきれない ある日,オレオレ詐欺に引っかかったことをきっかけに,詐欺で年寄りを騙す元暴走族の京浜連合の若者集団を懲らしめようと,昔の仲間を集める
集まったのは若頭のマサ,はばかりのモキチ,神風のヤス,早撃ちのマック,ステッキのイチゾウ,五寸釘のヒデ,カミソリのタカ,の7人の元ヤクザたち
「一龍会」を結成し,京浜連合のやる詐欺行為を邪魔しまくるが,浜連合の連中だって黙ってはいない.組織を挙げての反撃に出る
さて,ジジイ連合対若者詐欺集団との戦いの決着は如何に・・・・」
これはもう抱腹絶倒の映画です 若者詐欺集団に対する,明日を知らない(知りたくない)ジジイ連合のやりたい放題が描かれています
龍三を演じた藤竜也はまさに親分にぴったりだし,若頭を演じた近藤正臣は,かつての2枚目もこんなに老けたかと驚いたし,早撃ちマックを演じた内田裕也はいくら歳を取ってもカッコいいし,一人一人に個性があります
萬田久子がクラブのママを演じていますが,これもはまり役です.それに,監督の北野武が刑事の役で出ていますが,良い役はやっぱり監督が持っていくのでしょうね
現役を引退して家に引き籠って余生を送るお年寄りが観れば,スカッとすること間違いなしの映画です