人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

映画「ドローン・オブ・ウォー」を観る~日本記者クラブ試写会

2015年09月05日 08時48分48秒 | 日記

5日(土)。昨日の朝日「天声人語」は、「大気汚染で世界に知られる北京の空が、街が青ずむほどの『北京秋天』だったと聞き及ぶ」と書いています 「抗日戦争・反ファシズム戦争勝利70周年」の軍事パレードのため、工場を止め、車を規制したことによる、と 同パレードは「中国国内に向けた意味も大きい」として、「経済が減速し、格差は縮まらず、汚職は蔓延する。民衆の不満がときに各地で噴き出す中、『偉大な国』の演出で政権への批判はそれていく」と書いています

政府にとって都合の悪いことを隠すための最善の方法は、ほかの事件や物事に国民の目を逸らすことですが、中国の指導者は世界一そのワザに長けているのでしょうね ということで、わが家に来てから330日目を迎え,昨日の日経夕刊の「ドローン規制法成立」の記事を噛むモコタロです 

 

          

           ドローンって言えば ご主人が映画を観てきたみたいだよ

 

  閑話休題  

 

昨夕、当ビル10階ホールで日本記者クラブ主催による「ドローン・オブ・ウォー」の試写会があったので鑑賞しました これは今話題のドローン(無人機)を利用した遠隔操作による戦争の実態を、一人の米軍少佐を軸に描いたアメリカ映画です

 

          

 

アメリカ空軍パイロットのトミー・イーガン少佐は,ラスベガスの空軍基地に設置されたコンテナ内で,ドローン(無人戦闘機)を遠隔操縦して1万キロも離れた異国の基地や重要人物を狙いミサイルを発射して破壊する任務に就いている まるでゲームのように画面の敵をターゲットにしてミサイルのボタンを押すことにイーガンは違和感を覚えていた ジェット戦闘機のパイロットとして敵地で実際に戦ったことのあるイーガンは,再びパイロットとして敵地に乗り込んで攻撃することを望んで上司のジョンズ中佐に要望するが,中佐は優秀なイーガンを手放そうとしない そうしたストレスから彼は酒におぼれ,妻モリ―との間もギクシャクしたものになって行く 彼らのチームは途中からCIAの指揮下に置かれるようになり,「アメリカ人の命を守る」という大義名分のもと,非戦闘員を巻き込んだ敵国の破壊命令に逆らえない状態に置かれ,ますます人間性を失っていく イーガンは最後にCIAの命令に反し,仲間をコントロール・ルームから外に出して,良心に従ってある行動を起こす.それは,彼の人間性を回復する最後の行動だった

 

          

 

この映画は,2001年の9.11以降の対テロ戦争のあまり知られていない米軍のドローンを利用しての戦闘の実態を,事実に基づいて明らかにした映画です イラク戦争当たりからスイッチ一つで適地を壊滅する戦いが「まるでゲーム感覚の戦争」と呼ばれるようになりました.その特徴は広範囲に破壊するのでなく,ある特定の場所や人物をピンポイントに攻撃して破壊するところにありました

この映画を観て思うのは,「これだからアメリカはテロで報復されるんだよな」ということです.アメリカは自分の本土が戦場になったことは一度もありません.唯一の例外は日本軍によるハワイの真珠湾攻撃でしたが,あれはアメリカ本土ではありませんでした.本土が一方的に攻撃されたのはまさに2001年9月11日の「9.11テロ事件」でした それ以外は,ベトナム戦争にしても,イラク戦争にしても,アメリカは自国を戦場にすることなく,敵地に乗り込んで戦争してきたのです

目に見えない攻撃に対する反撃は”テロ”しかないでしょう 別にアルカイダやIS(イスラム国)の肩を持つつもりは全くありませんが,目に見えないテロに対しては目に見えるテロで応えるしかないことは容易に想像がつきます

こんな遠隔操作による”痛みを感じない静かな戦争”が許されている中で,いま日本で議論が巻き起こっている”集団的自衛権”など何の意味があるのだろうか,などと思ってしまいます

 

          

 

コメント
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