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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

シュトゥッツマン+新日本フィルでシューベルト「交響曲第4番」を聴く

2015年09月12日 07時35分59秒 | 日記

12日(土).今朝5時49分頃の地震にはビックリしました 大きな横揺れがあり,しばらく続きました 6時22分頃,勤務先のPCビルの防災センターから電話があり「千代田区は震度4と報道されているが,ビルの震度計は震度3で,それ程大きな揺れは感じなかった.建物の見回りの結果異常は無かった」という報告がありました.震度4以上の場合は必ず私の自宅に電話がかかってくることになっています.テレビの報道によると,震源地は東京湾で,何と調布で震度5とのことでした.余震がなければ良いのですが ということで,わが家に来てから337日目を迎え,ゲージの中でおとなしくしているモコタロです

 

          

               大きな地震は地震過剰って言うんだってさ

 

  閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールで新日本フィルの第547回定期演奏会を聴きました プログラムは①武満徹「弦楽のためのレクイエム」,②シューベルト「交響曲第4番ハ短調”悲劇的”」,③ビゼー「アルルの女」第1組曲・第2組曲 指揮はコントラルト歌手として名高いナタリー・シュトゥッツマンです

 

          

 

この日は、「トリフォニー・シリーズ」から「サントリー・シリーズ」に移って初めてのコンサートです 今期はサントリー・シリーズの方がマーラーの曲が多いので鞍替えしたのです ホール・ロビーの会員コーナーで会員継続特典としてシベリウス「交響曲第4番イ短調」のCDをもらいました 昨年4月18日の第524回トりフォニー・シリーズのライブ録音で,指揮は次期音楽監督の上岡敏之です

 

          

          

 

トりフォニーの時は1階センターブロック左通路側席でしたが,サントリーでは2階右サイド2RB席にしました 1階後方席よりかなりステージが近く感じます 開演時間はほとんどの在京オケが7時なのに対し7時15分です.これはサラリーマンの仕事を勘案してのことだと思いますが,錦糸町のトりフォニー・ホールではなく,プレトークもないのだから7時開演でも良いように思います 個人的なことを言えば,サントリーホールまでは会社から徒歩25分と近いので余裕で間に合います

開演時間の7時15分に会場内を見渡してみたら,1階前方の左右,3階席を中心にかなり空席が目立ちます トりフォニーの時は毎回かなり埋まっていたように思います.トりフォニー・ホールの約1800席に対してサントリーホールは約2000席と広いことを勘案しても,やはり空席が多いと思います 定期会員は減っているのか??? トりフォニーの方はどうなのか??? 気になるところです

オケの弦楽奏者が入場します.おやっ?と思ったのは,いつもとオケの態勢が違ったからです 通常は第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラという編成ですが,この日はチェロとヴィオラが入れ替わっています.これは指揮者の指示によるものです

コンマスは西江王子(本名は西江辰郎ですが,第2ヴァイオリンの篠原さんが西江王子と呼んでいる).1曲目は武満徹の「弦楽のためのレクイエム」です ナタリー・シュトゥッツマンがタクトなしで登場します.相当大柄な女性です 私は30年近く前に彼女のリサイタルを聴いたことがありますが,その風貌に時の流れを感じます 2階席から見下ろす彼女は,まるでギリシャの哲学者のような風貌をしています.良い意味で女性を感じさせない指揮者です

この作品は武満の最初のオーケストラ作品ですが,作曲当時,結核に侵されていたことから「レクイエム」の名前を付けたことは否定できないでしょう.聴く限り,実に美しい曲です

管楽奏者が加わって,2曲目のシューベルト「交響曲第4番ハ短調」の演奏に入ります この曲には「悲劇的」という副題が付けられていますが,これはシューベルト自身が付けたものです シューベルトにとって初めての短調の曲,しかも尊敬するベートーヴェンの第5交響曲”運命”と同じ調性の曲です

第1楽章の冒頭,オケの総奏で極めて悲劇的な息の長いテーマが鳴り響きますが,この時のティンパ二の強打には驚きました 胸に突き刺さるような強烈な打撃です.ティンパ二はこの後も,時に強打され,悲劇的な曲想を表出しますが,シュトゥッツマンは意識してそうさせているようです この作品は19歳の時に作曲されましたが,若き日のシューベルトの意気込みが,演奏を通じて伝わってきます

 

          

 

休憩後はビゼー「アルルの女」第1組曲,第2組曲です 第1組曲はビゼーが,第2組曲は友人でパリ音楽院作曲家教授のギローが編みました.第1組曲は「序曲」「メヌエット」「アダージェット」「カリヨン」から,第2組曲は「パストラール」「間奏曲」「メヌエット」「ファランドール」から成ります

第1組曲の「序曲」ではプロヴァンス民謡「王たちの行進」のメロディーが力強く演奏されます 「カリヨン」は教会の鐘を模倣した音楽ですが,ウキウキするような軽快な曲です.いつまでも頭の中に残って困るほどの特徴ある音楽です 一方,第2組曲の「メヌエット」は白尾彰のフルートと上野梨恵子のハープによって優美な音楽が奏でられます フルート奏者なら一度はこの曲を大観衆を前にして演奏したいと思うでしょう.本当に美しい曲です

そして,最後の「ファランドール」はこの組曲の集大成です.第1組曲の「王たちの行進」のメロディーが組み込まれ,小気味よく軽快に演奏されます.シュトゥッツマンのフィナーレの畳み掛けは見事でした

私はこの「アルルの女」組曲を聴くと,カラヤン指揮ベルリン・フィルによるLPを思い出します.痛快な演奏で,何度も繰り返し聴いたものです

さて,私がトりフォニー・シリーズからサントリー・シリーズに鞍替えして一番良かったと思うのは,プログラムの音楽評論家A氏による訳の分からない解説を読まなくても済むようになったからです サントリー・シリーズはSさんという女性が解説を書いていますが,実に分かり易く書かれています ちなみに,同じプログラムに掲載されたトりフォニー・シリーズのA氏による解説の冒頭部分を覗いてみると

「新しいシーズンがきた.さっそくストーリーを始めよう.終わりは始まりで,始まりは終わりの先へと続く・・・・」

何ですか,これ? 冒頭を読んだだけで,もうその先を読む気持ちが起こりません 私は解説にストーリーは要らないと思っています これから聴く曲に関する客観的な情報を,出来れば知られていない意外な情報を,分かり易く伝えてくれればそれで良いのです.いつも言っているように「解説に文学は要らない」のです

 

          

 

コメント
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