人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新保裕一著「ブルー・ゴールド」を読む~弱小商社の命がけの闘い

2013年09月21日 07時48分54秒 | 日記

21日(土)。昨夕は仕事の打ち合わせでX部長、T君と地下のRで飲みました 40分もすると金曜日のせいかお店が混んできたので、予定より早く同じ地下のOに移りました。そこでN医師、O医師、O店長、S建設F氏が加わって空きスペースの後継テナント問題について話し合いをしました 話に一定の方向性が出たところで、X部長と2人でHCビル地下のKに寄って、この日の話の取りまとめをして、10時過ぎに解散しました。そんな訳で今朝はもうヘロヘロです

 

  閑話休題  

 

日経夕刊に東京クヮルテットの元チェロ奏者・原田禎夫さんのインタビューが「カルテットとともに」という題で連載されていますが、19日はその3回目でした 要約すると、

「1967年6月、ジュリアード弦楽四重奏団のロバート・マン氏の招きでコロラド州で開かれていたアスペン音楽祭に参加した際、同僚の原田幸一郎氏も一緒に行くはずが、齋藤秀雄先生に反対されて行けなかった その後、ナッシュビルへ移り、レコーディングの仕事をよく頼まれ、ジョニー・キャッシュやエルビス・プレスリーのバックで弾いたこともある ニューヨークに移り、ジュリアード音楽院のラファエル・ヒリヤ―氏のレッスンを受けたが、齋藤秀雄先生と全く違い、穏やかな良い人で「ほめて伸ばす」指導だったので、最初は信用できなかった しかし、先生からは力を抜いて弾く方法を教わり、故障することなく今まで弾き続けることができた。しかも月謝は取らなかった そして1969年、ジュリアード音楽院でヴァイオリンの原田幸一郎、名倉淑子、ヴィオラの磯村和英と『東京クゥワルテット』を結成する。翌年、1位を出さないので有名なミュンヘン国際音楽コンクールで優勝した ヒリヤ―氏に電話で報告したら泣いていた。ニューヨーク・タイムズの記事を見ると絶賛の記事が出ていた。実は、この時の演奏会を録音していた 曲はベルク、ベートーヴェン、バルトーク。息子に頼んでCDに落としてもらって聴いたが、必死になって弾いているのがよく分かった 本番直前のたまらないプレッシャー、ステージで弾いている時のこと。次々と情景がよみがえり、熱いものがこみあげてきて思わず泣いた

今はもう解散して存在しない「東京クヮルテット」ですが、世界に通用する日本初の凄い弦楽四重奏団だったのですね メンバーの一人、原田幸一郎さんのことで思い出すのは、たしか1991年のモーツアルト・イヤ―(没後200周年)の一連のメモリアル公演の一つだったと思います。原田幸一郎さんが東京フィルを指揮してモーツアルトの「交響曲第41番ハ長調”ジュピター”K.551」を演奏したのですが、これが私が生で聴いた同曲のベスト1でした 一芸に秀でた者は何をやっても素晴らしいパフォーマンスでわれわれを驚かせます 

 

  も一度、閑話休題   

 

新保裕一著「ブルー・ゴールド」(朝日文庫)を読み終わりました 著者の新保裕一は1961年東京生まれ。91年に「連鎖」で江戸川乱歩賞を受賞してデビューしました。「デパートに行こう」が面白かったので買いました。「ブルー・ゴールド」とはビジネスの対象として黄金の価値を持つ「水」のこと

総合商社・葵物産に入社して4年目の薮内之宏は、上司のミスを押し付けられ、株式会社ゴールド・コンサルタントに出向させられる その社長・伊比大介はワケありで葵物産を退職したツワモノ。同僚は凄腕のハッカー青年、年齢不詳のドハデ美女、社長と間違えて襲われ入院中の薮内の前任者、といった一癖も二癖もある連中

伊比は長野県下有数の水の産地である南駒野町にある早坂酒造を、汚染データをネタに買収し、地下水を必要とする機械メーカーの工場建設のために転売する計画を立て、実行する その過程で、入手したデータが別の組織にも渡っていて記者会見で暴露され、不利な立場に陥る。だれが横やりを入れてきたのか、背後には誰がいるのか・・・・・・複雑な人間関係が絡み合いながら、最後にその黒幕を追及して真相を明らかにする

 登場人物が多いので、若干戸惑うことがありますが、読み始めたら止められない面白さです

 

          

 

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