8日(日)。昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィル(トリフォニーシリーズ)第514回定期演奏会を聴きました 今回は2013-2014年度シリーズの第1回公演です。定期会員席は同じS席ですが、今までより前方の席に移動しました
ロビーの受付カウンターで定期会員継続特典CDを受け取りました 収録曲は今年4月13日にトりフォニーホールで演奏されたシューマンの「交響曲第4番ニ短調」で、ジャケットの写真はクリスチァン・アルミンク最後の演奏会でチェ・コンマスとハグしているシーンです。後でゆっくり聴きたいと思います
さて、昨日のプログラムは①リヒャルト・シュトラウス「交響詩:ツァラストラはかく語りき」、②ワーグナー「楽劇:ワルキューレ」第1幕、指揮は今期から新日本フィルのコンダクター・イン・レジデンスに就任したインゴ・メッツマッハ―、②のソリストは、ジ―クリンデ=ミヒャエル・カウネ(ソプラノ)、ジ―クムント=ヴィル・ハルトマン(テノール)、フンディング=リアン・リ(バス)です
プログラムが大曲2つのため、最初から舞台狭しと椅子が並べられています。楽員が登場、オケの態勢は左後方にコントラバス、前列は左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置を採りますその関係で、いつもは中央左サイドでヴァイオリンを構えている篠原英和さんは右サイドの後方客席側にスタンバイしています。その後ろに6台並ぶハープが壮観です 1曲目のリヒャルト・シュトラウスでは2台を使いますが、次のワーグナーではすべてが鳴らされます
コンマスはチェ・ムンス、その隣には同じくコンマスの西江”王子”が控えます。メッツマッハ―を迎えて新年度の初公演ということで、新日本フィルの力の入れようが分かります
リヒャルト・シュトラウスの「ツァラトゥストラはかく語りき」と言えば、映画「2001年宇宙の旅」の冒頭シーンを思い浮かべます トランペットの序奏が勇壮に奏でられティンパ二が激しく打ち鳴らされます 途中、コンマスによるヴァイオリン独奏がありますが、チェ・コンマスは流石です 弦楽器も、管・打楽器も持てる力を総動員して”誇大妄想的な”大管弦楽の世界を表出していきます
2曲目のワーグナー「楽劇:ワルキューレ第1幕」は、嵐と逃走を象徴する激しい序奏で開始されます この幕での登場人物は兄ジークムント(テノール)、妹ジークリンデ(ソプラノ)、その夫フンディング(バス)の3人です
あらすじは、館に見知らぬ男(ジークムント)が逃げてくる。ジークリンデは親しみを覚えて引き止める。そこへフンディングが帰り、妻と男が似ているので素性を尋ねるが男は答えない ジークリンデが自身の身の上を打ち明け、ジークムントと兄妹であることが分かるが、愛し合う。フンディングはジークムントが一族の敵と知って決闘を挑む・・・・・・・といったもの。要するに近親相姦です。ワーグナーってこんなんばっかりですよね
ソプラノのミヒャエラ・カルネはハンブルク生まれ、2011年「ベルリン宮廷歌手」の称号を受けた人です 2007~11年にはバイロイト音楽祭の「ニュルンべルクのマイスタージンガー」のエーファ役を歌い、2010年には新国立劇場で「アラベッラ」のタイトルロールを歌ったとのことで、私も聴いているはずです。どうりで聞いたことがある名前だと思いました。よく通る芯のあるしっかりした歌声を聴かせてくれました
テノールのヴィル・ハルトマンはケルン音楽大学に学んだ人でドイツを中心に活躍しています 最初はごく普通のテノールかと思っていましたが、後半にいくにしたがってどんどん引き込まれていき、最後は圧巻でした
バスのりアン・リは中国生まれ、1998年にナポリのサンカルロ歌劇場の「ラインの黄金」でデビューしたとのこと。今回の出番は少なかったのですが、力強い低音で聴衆を魅了しました
途中、新日本フィルOBのチェリスト・花崎薫のソロはなかなか聴かせました 集中力溢れるワーグナーを演奏したメッツマッハ―と新日本フィルの面々に拍手を送ります かくしてメッツマッハ―就任披露公演は成功裏に終わりました