人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

個人情報漏えいは怖い~ハード警察小説・誉田哲也著「ハング」を読む

2012年10月02日 06時59分05秒 | 日記

2日(火)。昨日は月初めだったので、10月の月間予定表(アフター5)をX部長に渡しました。すると、すかさず「今夕は予定入ってないね,ムシシシ~」と突っ込まれ、またしても飲みに誘われました。気の弱い私は「無視シシ~」と断ることもできず、S元監査役も巻き添えにして地下のRで飲むことになりました いつものことながら一次会では終わらず,タクシーに拉致されて上野に向かいました カラオケ・スナックF でカラオケ合戦をやって93点をマークしました

実はこの日、10月1日は東京駅丸の内駅舎が、大正時代の創建当時の姿に復元され、お披露目されるというので、その雄姿をカメラに収めようと家からコンパクトカメラを鞄につめてきたのです 新生東京駅は映せませんでしたが,お店で93点出たし,カメラも活用できたし(?)まあいいか・・・・・・ 月曜からこのありさまなので,いつもながら朝から頭イテー,会社やすみてー

1日の朝日朝刊には、見開き全30段の「東京駅丸の内駅舎保存復元 本日完成」というJR東日本の全面広告がでかでかと載っていました 一方、社会面には明治学院大学の原武史教授の「正面は皇居 語る政治性」と題するインタビュー記事が載っていました 原教授は次のように語っています。

「丸の内駅舎は、南北の乗車口と降車口が遠く離れているうえに、貴賓用の中央口は皇室しか使えない・・・・・・・丸の内駅舎の中央には、皇室や貴賓専用の入り口と、待合室があります・・・・・・そもそも丸の内駅舎は民衆のためのものではなかったのです。復元工事が完了しても、貴賓用の中央口が使えないことは変わりません この中央口を開放するなど、外見だけじゃなく、中の構造も全て見せてこそ、初めて、一般市民が駅舎の歴史的意味を実感できるのではないでしょうか

まったくおっしゃる通りだと思います.建物はJR東日本のものだとしても,公共施設ですからわれわれ一般庶民にも中央口の中を公開して欲しいと思います

 

  閑話休題  

 

誉田哲也著「ハング」(中公文庫)を読み終わりました 誉田哲也(ほんだてつや)は1969年東京生まれ.ご存知,姫川玲子シリーズ「ジウⅠ.Ⅱ.Ⅲ」「国境事変」「ストロベリーナイト」でお馴染みの警察小説の第一人者です この小説は徳間書店の「問題小説」2007年10月号~08年6月号に掲載された作品を加筆訂正し,09年9月に同書店から刊行された単行本を文庫化したものです

警視庁捜査一課の堀田班は,宝飾店オーナー殺人事件の容疑者を自供により逮捕します.しかし,公判に至って自白強要があったと証言され,警察側が疑われます.翌日,班の刑事の一人が首を吊った姿で見つかります.それを端緒に,次々と班のメンバーが首を吊って死んでいきます 果たして,誰がどういう理由で”ハング”されたのか,死の連鎖を断ち切ることが出来るのか? 最後に一連の事件を裏で操作していた犯人の口から,一連の事件を起こした理由が語られますが,その意外な根拠に唖然とします。今までの誉田哲也の姫川玲子シリーズなどに比べ,相当ハードな内容になっています

ところで,9月30日付朝日朝刊1面に「個人情報の闇市場拡大~携帯・車ナンバーから漏えい~役所・企業に協力者」という大きな記事が載りました

「27日,KDDIの千葉県船橋市の販売店のパート女性店員が契約者の住所などを探偵に漏らしていたとして逮捕された・・・・(一方)愛知県警で暴力団捜査を担当する幹部に,捜査中止の要求とも受け取れる脅迫電話がかかってきた.『かわいい〇〇ちゃんがどうなってもいいのか』.電話の男は次女の名前を知っていた.調べてみると,幹部が契約するソフトバンクの岡山市の販売店長が幹部の住所を探偵に漏らしていた.住所は情報屋を通じて東京の司法書士事務所に渡り,司法書士の名前で戸籍謄本が取られていた

「ハング」で事件に巻き込まれていく刑事たちも,「おまえの命が欲しかったら・・・・・」というよりも,「おまえの知っている〇〇ちゃんがどうなってもいいと思わないんだったら,オレの言うことを聞け」と脅かされ,やむを得ず犯人の”協力者”になっていきます 「個人情報」を握る者がいかに強い立場に立てるのか,それを悪用されるとどういうことが起きるのか,事は小説の世界だけの話ではなく現実の世界で起きていることを思い知らされます 住みにくい世の中になったものです。個人情報の漏えいには気を付けましょう

 

          

コメント
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