人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

オリジナル楽器でモーツアルトとビゼーを聴く~「クラシカル・プレイヤーズ東京」コンサート 

2012年10月20日 06時58分07秒 | 日記

20日(土).昨日午後,東京ビックサイトで開催中の「危機管理産業展2012」の見学に行きました 昨年の3.11以降急激に高まった防災意識を背景に,各方面から多数の人々が会場に集まりましたわが社3名は「非常用電源」などの停電対策を中心に見て回りました.福島原発を背景に「除染用防護服」が複数個所で展示されていました

 

          

 

  閑話休題  

 

昨夕,池袋の東京芸術劇場でクラシカル・プレイヤーズ東京のコンサートを聴きました プログラムは①モーツアルト「交響曲第25番ト短調K.183」,②同「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」,③ビゼー「交響曲ハ長調」の3曲.指揮は有田正広,フォルテピアノ独奏は仲道郁代で,オーケストラはオリジナル楽器を使用します     

会場は7~8割の入りといったところでしょうか.自席は1階I列13番で,センターブロック通路側ですオーケストラは向かって左からコントラバス(後方),第1ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置,後方はホルン,オーボエ,ファゴットがスタンバイします オーボエはバッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)の三宮正満と尾崎温子です.B.C.Jの時は舞台の右サイドに位置していますが,バッハではないので,通常のオーケストラと同じようにセンターにスタンバイします ホルンはバルブがありません.オケは全員で30名弱の小編成で,コンサート・ミストレスを務めるのはB.C.Jの若松夏美にも師事した戸田薫です

 

          

 

1曲目のモーツアルト「交響曲第25番ト短調K.183」は映画「アマデウス」の冒頭シーンで使われた衝撃的な曲です 白髪の有田正広がタクトなしで登場します.第1楽章「アレグロ」は三宮正満のバロック・オーボエが冴えわたります 曲全体を通してメリハリのついた小気味のいい演奏でした モーツアルトの時代にはこういう音が鳴っていたのだろうな,と思われる,どこかくすんだような,柔らかくやさしい音色が会場を満たします

有田に伴われて,仲道郁代が上が黒,下が青銅色のドレスで登場します 舞台上のピアノは演奏者本人の所有するフォルテピアノで,1790年頃の楽器を複製したシュタイン・モデルとのことです

 

          

 

有田の合図で「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」が始まります.オケの序奏が続く中,仲道は中空を見つめています 序奏が終わり仲道のフォルテピアノが演奏に加わると,古楽器特有の音色が会場に響きます 現代のピアノのように大きな音は出ません.したがって,オーケストラは主役のピアノの音を消すような演奏をしてはなりません 有田はフォルテピアノの独奏部分の時は,弦楽器の首席だけで演奏させ透明感を求めます.つまり,第1,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,コントラバスの首席5人だけで伴奏する形を取ったのです 現代の大ホールで主役のフォルテピアノを生かすにはこういう方法がベストなのかもしれません

第1楽章のカデンツァは素晴らしい演奏でした.全楽章を通して鍵盤から目を離さず弾き切ります 通常のピアノを弾いているときと違う感触があるのでしょう.仲道郁代というと,身体を上下に動かして演奏するイメージが出来ていたのですが,今回久しぶりにナマで彼女の演奏を観て聴きましたが,今までで一番良い印象を持ちました 素晴らしい演奏でした.自分のフォルテピアノを会場に持ち込んで演奏したことも良い結果につながったと思います

 

          

 

休憩後の「交響曲ハ長調」は,ビゼーがパリ音楽院在学中の17歳のときに作曲した曲です.ビゼーらしい美しく喜びに満ちた曲です 強いて言えば”青春の歌”です.第1楽章の躍動感をどのように表現すればいいのでしょうか ここでもバロック・オーボエの三宮正満の演奏が光ります.第2楽章「アダージョ」は,しみじみとしたメロディーが続きます.この曲はこんなに良い曲だったのか,と再認識しました第3楽章「スケルツォ」と第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」は,まるでメンデルスゾーンのような曲想で,明るく疾走します

オリジナル楽器で聴くモーツアルトとビゼーでしたが,今回のような古楽器による演奏の方が,かえって新鮮で心に響くものがありました.次回は来年6月28日(金)で,今回の出演者によりモーツアルトのピアノ協奏曲(曲目未定)ほかが演奏されるようです.これも是非聴きに行きたいと思います

 

          

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