今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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ニコン FM+古い50mmの巻

2014年11月25日 19時38分00秒 | ブログ

いつも笹原ペンさんのご依頼は難易度が高いのですが、このニコンFMもかなり来ていますね。はっきり言って放置された不動のジャンクです。しかし、よくよく見ると、それほど使い込まれてはいない個体で、致命的な欠点はないようです。(動けばの話)

これだもんね。かなり厳しいです。

 

 

ペンタと接眼レンズ部分もすごいことになっています。だけどフィルムレールは無事。

 

内部もモルトカスと2軸に腐食がありますが、まぁ、ギリギリで留まっている状態です。コパルの縦走りのマニュアルシャッターなので、何とか動くようにしましょう。

 

シャッターは何とか動く目途が立ちました。露出計も電池を入れると作動してくれました。では、ペンタと接眼レンズ周辺の清掃をしていきます。

 

幸いFMのプリズムは、モルトで抑えるような構造になっていないため、腐食からは免れています。但し、大量の汚れが・・しかし、個々の部品品質の良さか、腐食などはほとんどなく、清掃で復活できそうです。

発売は1977年とのことですから、オリンパスOM-1の1973年よりかなり遅れての発売なのですね。一眼レフも小型軽量の時代です。この頃のシボ革は接着ではなく、両面テープが主流となっていますから、端から剥離をしていますので、補修接着をしておきます。

古いモルトを清掃して、新しいモルトを貼っていきます。

 

 

ボディーの塗装などは、流石ニコンですが、裏蓋はアルミ製で裏打ちなしの1枚もの。軽量のためですが、ニコンとしてはちょっとチープ。圧板を点検すると、あまりフィルムを通していないようです。

 

で、50mm f1.4は古いレンズですね。Fの頃のレンズではないですか。F-501に無理に取付けて外れなくなったとか。FMは連動レバーを倒すことで非AIレンズを装着することは出来ますが、F-501は無理じゃね。やっと外したところ。しかし、絞りリングが回転しないようですよ。

トップカバーを着けていきます。裏蓋のロック機構を組んでから巻き戻しノブを取り付けます。なんか非常にきれいな個体に見えて来ましたね。

 

私は若い頃には、知り合いの自動車修理業界の人に、「起こし屋トミさん」と言われたことがありましてね。起こし屋とは、廃車で登録が抹消された車を直して復活させる職業の方を言うらしいです。ホンダ・ライフとかS800などをレストアしていましたからね。カメラの世界になっても廃品(失礼)となった個体を復活しているわけで、やっていることは変わらないなぁと思います。でも、この状態からは廃品であった面影はないと思います。FMは気になっていたカメラでしたが、やはりその思いは当たっていましたね。

で、古い50mm f1.4ですがね。ここまで分解をして検証してみましたが、鏡胴が歪んでいて絞りが回転しないようです。ピントリングの回転にもムラがあります。よって、この作業は中止とします。

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