今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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PEN-W+Zuiko 42mmの巻

2014年11月20日 20時18分29秒 | ブログ

最近、コンパクトPENとF用レンズの取り合わせが多いよね。両方を楽しまれているということで結構なことです。やっと手に入れたPEN-Wとのことで、かなり長い間放置されていた個体ですね。愛情を全く受けていません。放置で塗装の劣化が進んでしまいました。リペイントのご希望もありましたが、まだバックオーダーが解消できないので・・42mmは珍しくレンズの曇りはないようです。しかし、このレンズも絞り羽根に油が回って作動が緩慢です。それでなくとも42mmは作動が重いレンズですから、トルクの落ちたF(FT)だとフリーズする危険性があります。

まずはPEN-Wの分解から。塗装なので、古いモルトを放置すると、真鍮を侵して緑青が出てしまいます。すべて削り落としておきます。

 

シャッターも分解をしてから洗浄してあります。幸い、摩耗は少なめで、状態は悪くはありませんね。

 

すみません。今日は外出していましたので作業は進んでいません。昨日までにシャッターを完成させて、ダイカスト本体に搭載しました。

 

絞りリングなどは汚れが目立ちます。幸い、接着剤でしたので清掃が出来ました。

 

前玉は拭き傷も少なく良好ですが、後玉はご覧のとおりコーティングに曇りが出ています。

 

バルサム張り合わせが黄変していますが、PEN-Wとしては悪い方ではありません。もっとひどいのが沢山あります。75点ぐらいでしょう。

 

分解清掃でレンズを接着しておいたファインダーをトップカバーに取り付けます。

 

本体は完成。裏蓋の圧板は、放置期間が長かったので、完全に曇った状態でした。研磨をしてあります。

 

42mmです。持病の曇りはないですね。しかし、このレンズもグリスの流化で絞り羽根まで回っており、作動不良となっています。また、左側のマウント部の作動も不良です。42mmはこれが多いです。

 

清掃のため鏡胴を分解していきます。油がべったりですね。

 

 

絞りリング部にまで油は回っています。絞り羽根ユニットを洗浄脱脂したところ。

 

魚眼レンズの画像みたいですね。42mmは作動が重いので、弱った本体では不具合が出る場合があります。装着して作動テストをしておきます。

 

PEN-Wは、しばらく使い込んでから長期に放置された個体です。ヘリコイドねじは油切れで作動していことで、多少重いのですが、かといって交換するほどではないので、今回はこのまま使用しました。巻き上げ感触も、イマイチというところです。しかし、素性の悪い個体ではありません。

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