これ以上の個体も見ていますが、この個体もかなり塗装がきれいです。PEN-W #1075XX は1964年11月(東京オリンピック開催の翌月)の製造。
カメラ店様経由のご依頼ですが、珍しくシャッターは作動しますし、ファインダーが曇りが出ているくらいで、このまま使用されても全く問題のない状態です。分解歴も無いようにも見えますが・・あっ、ピントリングのイモネジが痛んでいます。ピント調整だけされたのかなぁ?
トップカバーを開けてみます。あれ、バネの係り位置が違います。正しくは右の↗孔です。D系なら正しいのですけどね。
シャッターユニットを取り出してみると・・やっぱりシャッターは分解されていました。道理で動いているはずです。
では、部品を洗浄したシャッターユニットを組み立てて行きます。外観相当で全く摩耗がありません。シャッター羽根の赤錆も殆んどなく、保管の良さが分かります。
洗浄したダイカスト本体にスプロケット軸から組み立てて行きます。
↑の方で組み間違いのシムはギヤの下に入ります。(←隙間に注意)
ファインダーですが、前面から水滴のように見えたのは対物レンズの「はまぐり」(ガラスの剥離状カケ)でした。これは、慣れない方が強引に分解するとこうなります。恐らくこのレンズは2枚レンズの後側に入っていたはずです。今回も後ろ側にセットしてはまぐりが見えないようにします。
↖すでに接着しましたが、調整ワッシャーは継続してブログをご覧頂いている方はお分かりですが、この個体は駒数盤(スプール軸)の上に入っていました。たぶん無意識に分解して「さて、どこに入っていたのか」と迷ったのでしょう。
レンズの状態は国内にあったものとしては非常に良いです。やはり外観の状態に比例をしますね。
と言うことで、国内物でまだきれいな個体はあるという見本でした。しかし、疑問は、状態も悪くないのに、どうしてオーバーホールに出したのでしょうね。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)
多忙時はカメラ店様優先で作業を致しますが、少しお時間を頂きますが今でしたらお受けすることは可能です。メールにて状況をお知らせください。よろしくお願いいたします。