カメラ店様経由のご依頼です。お父様から譲られたPEN-D3 #4218XXだそうです。当初はレンズのカビを清掃して欲しいとのことでしたが・・確かに前群の後ろ側に花火のような大きなカビがありますね。点検すると後玉にもカビと曇りが確認できます。
光線を通して見ると・・カビは発生してからの時間によっても清掃出来る時と出来ない時がありますね。
露出メーターは作動しますがメーターの樹脂ガラスが欠品しています。この部品は裏側の接着シロがほとんど無く、D2,D3はトップカバーの強度も無いので変形によって接着外れとなっている個体があります。
シャッターは全速1/500が1/100以下。基本的にPEN-Sのシャッターと同じ仕様ですからオーバーホールは必要ですね。シャッターダイヤルも途中で回転が重くなります。
上下のモルトは完全に取り去られています。幸い電池室は電解液漏れはありません。その他、ファインダー曇りなどありますので、完全なオーバーホールをすることにします。
シャッターは未分解でした。ほとんど使われていないシャッターで摩耗はありません。生産後期の個体ですのでシャッター羽根は6枚で組まれています。
組み立てたシャッターを本体に搭載して前カバーを取り付けシボ革を貼ります。
スプロケット軸の巻き上げカムを組み立てます。過去の分解で巻き上げダイヤルカバーの端が欠けています。経験のない方がおかすミスで、トップカバーをセットする時にはカバーとの関係に注意する必要があります。
D系は重いので落下をさせるとかなり重症な凹みになります。ご依頼はありませんが軽く修正をしておきます。
この程度にしておきます。D系のトップカバーは開口部が大きいためカバー単体では全く強度がありません。
次世代に受け継がれた幸運な個体と思います。今回はご依頼はありませんでしたが、欠品しているメーター窓(樹脂)は部品を調達して取り付けておいた方が良いですね。1968年10月製。
トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)