今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

レンズの中にシャッターが・・マミヤセコールの巻

2020年02月29日 11時45分00秒 | ブログ

昨日、部品洗浄用のベンジンを購入するために出掛けましたが、店頭にベンジンが無い。アルコールは分かるけど何でベンジンまで ? これで消毒でもするつもりなんでしょうか? 数件回ってやっと入手しましたけど、帰りのイオンではトイレットペーパーとティッシュ売り場に全く商品が無い。昔、オイルショックの時に経験した光景が再び起きている。マスク→紙製品→トイレットペーパー不足の連想ゲームなんでしょうけど、テレビでコメンテーターが発した一言でパニックになるという現実。で、本題です。変なところから始まりましたがUPの予定が無かったからです。中判のマミヤセコール50/6.3という巨大レンズが来ていました。35mm換算で22mmの超広角レンズだそうです。なんとレンズ内にシャッターが入っているんですね。

シャッターはSEIKOSHAが使われていました。セルフタイマーを取り除いた汎用シャッターのようです。低速止まる、ですのでスローガバナーを取り出して超音波洗浄(ベンジン活躍)と注油をして戻します。

 

各部注油とレンズ清掃をしてテスト。確実に低速が切れています。

 

 

それでは、シャッターダイヤル(板)を指標に合わせて取り付けます。

 

 

シャッターボタンを押し込んでひねるとロックされる機構です。

 

 

わぁ、魚眼レンズとはよく言ったものです。

 

 

後玉も同様な設計。

 

 

自分が小人になったような感覚になります。マミヤプレス用 4群6枚 超広角レンズで専用のファインダーは付属して来ませんでした。

 

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よく似てるねTopcon Aの巻

2020年02月27日 20時40分00秒 | ブログ

今日は別の仕事でお世話になった方の葬儀に参列して来ました。年回り的に、これから、こういうのが多くなるんでしょうね。で、戻ってからの作業ですから簡単にしますね。トプコンAと言うカメラはオリンパス35と同じ1953年に発売になったようです。しかし、この二つのカメラ良く似ていますね。どちらかがOEM供給かと思うほどです。で、変なところから始まりました。ファインダーのクリーニングをしますが、これ、まんま同じやん。

トプコンAのすごいところはレンズ交換式だということ。ビハインドシャッターなので出来るのですね。レンズは幸いオリンパスのようなことは無くて清掃でかなりきれいになりました。

 

絞り羽根の洗浄とヘリコイドグリスの交換をしておきます。

 

 

シャッターはCOPALですが、これが標準なのかな? オリンパス35のSEIKOSHA製の方が断然精密感がありますが、かといって安物という訳でもない微妙なシャッター。シャッタースピードは1/300が最高ですけどね。ちゃんとセルフタイマーも組み込まれています。羽根の洗浄、スローガバナーの洗浄注油などのメンテナンスをしておきます。

レンズは後端剥げていた部分の墨塗りもしてあります。セルフタイマーの赤●が剥げていましたので入れ直しておきました。レンズのねじ込み位置は本体側のヘリコイドに締め込まれているリングナットで調整出来る構造です。

 

内部も清掃しておきます。巻き戻しダイヤルはオリンパス35のような引き上げ二段式ではありません。分解洗浄の上、ダンパーグリスを塗布してあります。

 

それにしても、この2台良く似ているよね。本体のグリップ部分が角か丸かの違い。シューの設計は殆ど同じようです。当時の標準設計なのかしら?

 

と言うことで、やっと全景です。非常に良いコンディションとなりました。中古カメラ店様で見つけたら購入してもらえると嬉しいです。

 

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ホコリまみれのオリンパス35の巻

2020年02月25日 21時40分00秒 | ブログ

1950年代前半に発売されたオリンパス35Ⅳですかね。私と同じ歳です。シャッターはCOPALやSEIKOSHAがありますが、この個体はSEIKOSHA-RAPIDが付いています。かなりホコリまみれでシャッターは不動ですが、メンテナンスをして行きます。

圧板はガラス製のようですね。静電気発生などで途中からスチール製になっているようです。内部も汚れ放題です。

 

シャッターのチャージレバーが曲がっています。

 

 

シンプルなファインダーを分解します。

 

 

接眼レンズを取り外して清掃しておきます。

 

 

あ~、レンズの後玉がカビというか劣化がありますね。清掃はしてみますけどね。

 

シャッターは良いですね。シャッター羽根が貼り付いていましたので洗浄しておきます。

 

内部のきれいになりましたね。

 

 

巻き戻しダイヤルの伸縮がガリガリでした。ライカのような精密嵌合かと思いましたら、内部にC型のバネが組み込まれていました。洗浄後、ダンパーグリスを塗布して組立たところ、ライカとそん色ない操作感となりました。

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巻上げ重いPEN-FT(B)の巻

2020年02月22日 22時15分00秒 | ブログ

一見きれいなPEN-FTブラック#3052XXですけどね。巻き上げがかなり重いのが気になります

 

あら、巻き戻し角をへこませているんですね。修正ご希望とのことです。基本的に一度へこんだ金属は元へは戻りません。修正はしますが工賃は頂きませんのでクレームは無しですよ。

 

角際の部分は真鍮材料が圧縮陥没しているもので、裏から叩いても直りません。

 

 

内部は未分解機だと思いますね。

 

 

気になったのは、工場で塗布される灰色のネジロックが塗布されていませんね。底部はされているのに。忘れたのかな?

 

いつもと同じなので画像は飛ばします。チャージギヤと軸には目立った摩耗は無いのに、テンション軸に円周状の線状痕が目立ちました。画像撮り忘れ。これが巻上げ感触に影響しているのかも知れません。まぁ、FTの場合は巻き上げ感触は各部の合成で起こるもので単純ではありませんが・・

接眼プリズムのコーティングが曇っていますね。これはモルトが悪さをしているのです。拭き上げると必ず剥離します。

 

30万代としてはハーフミラーの劣化がかなり進んでいます。新品と交換です。

 

 

すみません。この巻は完了していると勘違いしていました。連休ボケですかね。で、途中は特に問題は無いので組み上がりました。の方のチャージギヤと軸の摩耗については摩耗は感じませんでしたが、巻上げに余裕がなく、特にこの個体はストラップにプラの保護が付属しているため余計に巻き上げレバーがストラップと干渉して巻き上げが足りなくなる傾向がありました。メーカー付属品には訳があるのです。現状は2回巻き上げにはなりませんが、ギリギリのところですね。それと30万代としては露出計の感度低下が進んでいるようです。ユニットの個体差もありますが、高温多湿など保管環境にも影響を受けた可能性もありますね。

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ニコンFのAR交換の巻

2020年02月21日 16時40分00秒 | ブログ

ご常連さんのニコンFですが、以前にARユニットの打撃変形を修正していますが、取付角度が完全に垂直に直せていませんでした。そこでオーナーさんがジャンクを調達されて来ましたので交換したいと思います。

 

Nikonのn部分に打痕を作って来ましたが、裏側には出ておらず修正は困難ですが、一応やっておきます。

 

真ん中のユニットを取り出します。

 

 

左が付いていたユニットで、上部のネジ部分が斜めになっています。

 

 

右の良品に交換してARリングを取り付けます。

 

 

ARリングの倒れは無くなりました。

 

 

その他、点検をして終了です。

 

 

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