今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

56キングセイコー・クロノメータのレストアの巻

2013年02月27日 23時28分47秒 | インポート

Dscf038805 相変わらず寒い日が続いていますね。早く春が来ないかなぁと待ちわびるこの頃です。古いクロスバイクを入手して、それの部品を注文したりで忙しかったのでブログをサボりました。週末は、リムの交換をしなくてはならないのです。結局、新しい自転車を買ったほうが得策なのですが、直す事が趣味なので仕方ありませんね。

で、カメラの方はPEN-S3.5の作業はしていましたが、他の個体がリペイントをご希望ですので、一緒にUPする予定です。北海道のINOBOOさんから、新しく時計が来ています。おぉ、56系のキングセイコー・クロノメータですよ。この時計は、国産で初めてクロノメータ優秀級公式認定を取得した製品です。世界規格のCRONOMETER規格をクリアしている5625-7041と製造後期の個体です。状態は、振っても全く動きません。リューズも動きませんね。ちょっとイヤな予感がします。

Dscf038804 2ピースケースですから裏蓋を開けますが、これが異常に硬く中々開きませんでした。やっと開けてみると・・・あぁ・・悪い予感が的中ですね。水か浸入しています。回転錘は腐食による形成物が固まっています。この時点で、すべての部分が固まっています。これは困りましたね。

Dscf039003_2 ケースのねじ込み部を伝って水が浸透していたのが分かります。機械の輪列も固着しています。

Dscf039203 すべて分解洗浄をして組み立てています。輪列、ガンギ、アンクルなどはすべて手持ちのキングセイコーから移植しています。

Dscf039301 受けを取り付けたところで、ザラ回しをして軽く回転するかをみます。う~ん、ちょっと波があって、あまり軽くはありませんね。クロノメータは、機械に機番の刻印があります。普通のキングセイコーにはありません。

Dscf039104 回転錘の裏側も腐食が激しいです。正確な材質は知りませんが、真鍮ブラシで磨いても、次々と粉となって落ちてきます。

Dscf039602 分を細かく分けた、見るからに正確そうな文字板です。針は、普通のキングセイコーとは異なり、細くて、長針と分針は黒仕様です。例によって、カレンダーの早送りをするための揺動レバーが不良でしたので、手持ちの良品と交換してあります。ケースに収める前に、微細にホコリを取り除きます。

Dscf039704 ケースに収めて回転錘を取り付けます。この機械は5625Bですが、回転錘に打刻があります。状態良い同形部品も在庫していますが、今回は、オリジナルのままとします。

Dscf039804 多少不安定なところもありますが、何とかこの程度の精度に調整しました。クロノメータ級とは行きませんが、実用としては充分かと思います。貴重な個体を復活出来ました。

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PEN-FTのシャッター幕トラブルの巻

2013年02月21日 18時22分36秒 | インポート

Dscf037001 最近ゆっくり目の更新です。過去に手掛けたPEN-FTが戻って来ました。光線漏れとのことです。観察すると、あら~、破れちゃってますね。PEN-F系のシャッター幕は過酷な条件で作動をしていますので、現存する個体はすべて疲れちゃっているのですね。特に、裏から指で突かれて歪みのある幕や、ダイカスト本体と接触して(歪みのため)部分的にこすれのあるような幕は、いつ破れても不思議は無いのです。この個体は、外周の山形の立ち上がり部分が金属疲労のためクラックが入って、作動により、めくれが起きて光線漏れとなったものです。最悪、クシャクシャに破壊する場合もあるのです。

Dscf037101 こうなると、シャッター幕を地板ASSYで交換するしかありません。とはいっても、交換部品は貴重で簡単には調達できません。今回は、私のストックから使います。作動状態を見ます。意外に、作動が重いユニットもあります。シャッタースピードに影響がありますので、しっかりチェック、メンテナンスをしておきます。

Dscf037203 ユニットの交換ですから、特に問題なく、このように交換してあります。因みに、幕位置はこのような角度になっています。

Dscf037301 おぉ、こんなの作りましたっけね。そろそろ暖かくなったら、リペイントもやらなくっちゃね。この個体も、元気で活躍してくれることでしょう。見かけたら声を掛けてあげてくださいね。

Dscf037403 で、早く終っちゃいましたので、いつものようにセイコー・スポーツマチック5デラックスを仕上げることに致します。このモデルの素材は沢山所有していますが、亀戸製の76系としては、バリエーションが豊富なモデルです。この個体は、7619Aという機械で、1965年の製造で、それまでのモデルに、秒針規制装置が組み込まれたモデルです。普及機クラスのモデルとしては、準高級な位置づけのモデルで、大量に消費されて消えていった普及品の中では、程度は悪くは無いと思います。例によって、ご希望の方にお譲りをする予定ですので、ご希望の方がいらっしゃいましたらご連絡ください。

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Dscf037501 このモデルは、カレンダーの日にちを修正するための日修正ボタンが独立しています。長い間に、汚れが詰まって、ボタンが動かない状態の個体が多くあります。この個体も同じでした。

Dscf037602 すべて分解して、超音波洗浄を終えたところ。この機械は、過去に一度も分解を受けたことが無く、分解キズが無いのは気持ちが良いですね。

Dscf037701 この機械から、秒針を止めるハック機能が追加されています。時報に合わせて秒針をスタートさせられるのは便利ですが、この時代は、朝、テレビの画面すみに表示されている時計に分針を素早く合わせて飛び出していくという日課で、秒針が合わせられないことは、それほど不便なことでは無かったと記憶しています。時計の精度も良くありませんでしたからね。

Dscf037802 テンプの天真の磨耗も少ないと見えて、作動は非常に安定しています。タイムグラファーでの測定では、ほぼ、調整無しで精度が出ています。

Dscf037803 ケースは軽く研磨洗浄してあります。76系の特徴である日送りボタンも磨き出してバネをセットしてから挿入します。

Dscf037902 ケースに完成した機械をケーシングしました。未分解機でしたので、非常にきれいな機械です。回転錘を取り付けて裏蓋を圧入します。

Dscf038004

これで完成です。普及クラスのセイコー5の中では、高級な位置づけのモデルで、亀戸流の太いラグでがっちりとしたケースと大きめな文字板は貫禄があります。自動巻きのため、機械が厚目なことのほかに、当時は厚く大きな時計が流行っていた時代だったのです。現代は、またデカ時計が流行っているようですから、ちょうど良いですね。

Dscf038105 過去に分解を受けている個体は、文字板や針にもダメージが多いのですが、この個体は、腐食もなく、非常にきれいですね。特徴的な2ボタンがカッコよく、当時の若者の憧れでした。ベルトは撮影用です。1965年6月製造ですから、同じお誕生年の方など如何でしょうか? 価格 12.000円です。

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ライフワークのSEIKO・SUPERと紺文字板のLM

2013年02月16日 21時10分01秒 | インポート

Dscf038803 最近、PEN以外のリペイントのお問合せを多く頂くのですけどね。気が乗らないのでやらない。で、自分所有の時計の未整備が溜まっていますのでやって行きます。まずは、セイコー・スーパーです。この機械は、私とほぼ同じ歳なのでライフワークとしてレストアしています。いろいろなバリエーションがあるので、飽きないモデルです。この個体は1954年1月製で、私が1ヵ月年上です。文字板や風防は、かなり黄ばんで時間の経過を思い知らされます。しかし、ケースはセイコー純正のステンレス製のため、目立ったダメージが無いのが良かったですね。状態は、全く不動。リューズも固着して動かないというところ。殆どの場合、リューズの部分から水が浸入して、巻上げ歯車関係が錆び付いているのです。

Dscf038906 スーパーでも初期のモデルなので、石の数も少ない頃です。三角形の受けの二番受けの穴石は人工ルビーが入っていません。テンプは、チラネジ付きで、耐震装置はありません。長期に作動しない状態でしたので、組んだ直後のザラ回しは重い感触です。

Dscf039002 注油をしてから作動させます。エージングで、テンプの振り角も大きくスムーズに動き始めました。姿勢差に対する変化は少ないようです。

Dscf039103 巻上げ部分にダメージが集中していました。リューズはオリジナルではなくて、マーベルあたりの部品でしょう。巻き芯を保持するオシドリとオシドリピン(ケース内)は腐食が激しく、不具合となるため交換しています。そもそも、この個体は、分解しようとしてリューズを抜こうとオシドリピンをドライバーで回したところ、錆び付いて固着していたので、スリ割りが折れて、分解不能となったために、オークションに出されたと推測します。その程度で分解を諦めるのなら最初から分解しないことです。

Dscf039203 ケースは大きなダメージは無く、研磨で良好となっています。

Dscf039301 裏蓋の摩滅はあまりありませんね。セイコー純正の鶴のマークが入っています。文字板は、上塗りのクリアーが黄ばんでいますが、醜くは無いので、そのまま使用します。それほど高性能ではないのに、外周の秒目盛は五等分されています。これ以前の製品でも、クロノメータと印刷されている文字板を見ますが、クロノメータ規格というわけではなく、そのぐらい正確ですよ。という程度の意味です。のんびりした時代です。秒針が他のモデルよりも長くて、秒目盛の位置が見やすくなっています。だから、意味はないってば・・

Dscf039403 しかし、バカにしたものではありませんぞ。昨日から、平置きで日差+10秒と優秀です。ゼンマイ一杯の持続時間も申し分ありません。風防は、適合した新品の持ち合わせが無かったため、とりあえず再使用としました。なるべく部品を換えないほうが時代の雰囲気があると思います。まぁ、そのうち、リューズと一緒に交換するかもしれませんけどね。次にも1956年製のスーパーが控えています。スーパーのコレクションが溜まってきましたよ。

Dscf039504 次はLMロードマチックです。実は、高校生の頃に所有していたセイコー5DXと良く似たデザインだったので仕上げることにしました。ケースは、大きくラウンドしたタイプで、文字板はブルーというよりは紺のソリッド色です。無傷であった風防のガラスをケースからの分解時に割ってしまいました。すでに純正のガラスは在庫が無くて、社外のこのモデル用があったので入手しましたが、板厚がちょっと厚いですね。予備の部品取り機も厚いので、この個体に接着されていたガラスが薄かったのかも知れません。私は薄い方がフラットな感じで好きだったのですが・・・ケースとベセルは研磨済み。手に持っている風防ガラスを接着します。

Dscf039602 この56系の機械で問題になるのが、カレンダーを早送りするための揺動レバーという部品。これが、かなりの割合で不良となっています。この個体も不良でした。日車を回す爪のスリップが早いために日車を押し切らないのが原因ですので、ポンス台にて、少しカシメを矯正してやります。今回は、成功しましたが、重症の場合は直りません。天下のセイコーとしては、考えられないような耐久性のない設計と思います。

Dscf040102 途中の画像を撮り忘れました。当初は、機械にセットの左の文字板で組んでいましたが、風防ガラスを通すと紺よりも黒に見えるのと、秒のドットが消えている部分と、インデックスのくすみが目立つため、急遽、部品取り機の文字板を使用しています。まったく同じモデルですが、微妙に色が異なっています。使用条件の違いというよりは、元々、微妙に色と反射の見え方が異なっていた文字板のようです。針とリューズも交換しました。やはり風防ガラスの出っ張りが微妙にバランスを崩しているようで、オリジナルのガラスを破損したのは失敗でした。まぁ、雰囲気は、高校生の頃のセイコー5 DXに近いので、早速普段使いで使います。

Dscf039603 そこに、古いPENのお客様から、国鉄備品のセイコーのストップウォッチが届きました。ご親戚の方が使用されていたものだそうです。国鉄物と言えば19セイコーの懐中時計が有名で、コレクターさんも多く、市場にも流通していますが、ストップウォッチは珍しいですね。運転士や駅務員ではなくて、機関庫などの整備で使われた物でしょうかね。昭和26年の採用ですから、↑上のスーパーと同じ時代の製品です。普通、懐中時計の場合は各地方の鉄道管理局の彫刻も入っているものですが、この個体にはありません。状態は不動ですが、稀に針が動くことがあるとのことで、機械としては生きているようです。

Dscf039704 裏蓋を開けると、裏に42.10.19 校正? (不鮮明)と捺印されていますので、1967年までは現役だったようです。時計と比較して、ストップウォッチは、機能が限定されていますので、部品構成はシンプルです。特に錆などの損傷はありませんので、全体のオーバーホールと注油をして行きます。

Dscf039803 小さな腕時計に慣れていると、大きな機械はストレスがありませんね。構造は時計と一緒です。しかし、一つずつの部品が大きく、がっちりとしていますので面食らいます。

Dscf039903 5振動の機械ですね。歩度調整をして行きますが、短時間の測定なので、あまり影響は無い気もしますね。

Dscf040002 国鉄職員ですと白の綿手袋で使用されていたのでしょうかね。元気良く、現役復帰しています。

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義父様から譲られた PEN-FT(B)

2013年02月11日 22時05分29秒 | インポート

Dscf038204 義父様から譲られたとのことです。状態としては、大切に使われたと思われる個体で、塗装の劣化や気になるへこみなどは見当たりません。しかし、アイピースのカケとアクセサリーシューを長期に付けたままにした形跡は残っています。リターンミラーが脱落していますが、すでに過去にも貼り替えられているようです。どうして、このように荒い傷を着けるのでしょう?

Dscf038302 前板を分離してみると・・。あら~、リターンミラーに残った接着剤を取り去ろうとして、シャッター幕にも傷を着けてしまっています。ドライバーのようなもので突いたようです。

Dscf038403 ここで困った。リターンミラーは瞬間接着剤とゴム系接着剤で貼られていましたが、←部分のダストカバーも多量のゴム系接着剤で貼った形跡があります。よって、スクリーンが、瞬間接着剤から発生するガスとゴム系接着剤から発生する有機溶剤ガスで侵されてしまっています。外周のマスクに沿って、スリガラス状が透明にシミとなっています。これは、接眼からの見えに影響があります。

Dscf038502 この個体は、過去に有名修理屋さんでオーバーホール済みで、その時に、リターンミラーの貼り替えと、巻上げギヤを作り直しているとのことですが、画像は、本体と巻上げレバー関係は、洗浄後、組み立ててあります。シャッターユニットは、まだ見処置ですが、どちらにも、ギヤを作り直した(分解した)形跡は見当たりませんでした。何かの勘違いでは?

Dscf038503 シャッターユニットを分解洗浄してみると・・・ギャなどはオリジナルのままですが、何故か、真鍮の留めビスの頭が変な形状をしています。ピンセットのビスがオリジナルです。

Dscf038603 拡大して観察すると、スリ割りの中にキリ粉が入ったままですので、これは、時計旋盤などで掘り込みの追加工をされたものと思われます。道理でドライバーが滑りました。しかし、この追加工の意図はなんでしょう? このカメラに対する私の知識では推測が出来ません。すみません。

Dscf038702 O/Hをしたシャッターユニットを本体に組み込んであります。30万代特有の、ちょっと硬いゴリ感のあるユニットです。前板関係も完成。リターンミラーは新品を接着してあります。

Dscf038802 で、簡単に完成とは行きませんでした。作動をテストしていると、リターンミラーを正規の位置に保持するためのバネが外れてしまう。画像のアイピース枠前のバネですが、どういうわけか、自然にループの部分が大きくなって、短い先端の方がストッパーから外れてしまうのです。これ、稀に経験する不具合です。皆さんのFTのリターンミラーの端を軽く後ろに突いてみてください。バネが働いて、手前に戻ってくるものは正常ですが、カタカタと規正されていないものはバネが利いていません。良品のバネと交換してあります。アイピース枠もカケがありますので交換です。これで良いかとセルフタイマーをセットすると、今度はレバーがロックされない。ヤレヤレ、最後までいろいろあるね。これは、クラッチの3個のコロがスムーズに動かないため。分解して、洗浄、組み直しです。何かミステリーな個体でしたが、義父様から運良く受け継がれた幸運な個体です。大切にしてもらえるでしょう。

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セイコー・ロードマチック・ミリタリー仕様を作るの巻

2013年02月08日 22時04分25秒 | インポート

Dscf039703 PENが少ないので時計をやります。これはセイコーのLM(ロードマチック)ですが、揺動レバーという部品が不良のため、カレンダーの早送りが出来ないジャンク品。LMに搭載されている56系の機械の欠点です。そこで、この個体を使って、ハミルトンのカーキ風のミリタリー仕様を作れというご依頼。ミリタリーにはカレンダーは無いので揺動レバーが壊れていても支障は無いと言うジャンクの救済手段ですね。

Dscf039802 裏蓋の無いワンピースケースですから、機械は風防を取り外して取り出します。機械は別途オーバーホールをするとして、まずケースを仕上げておこうと思います。ケースには傷が多く、上面にヘアーライン加工が施されていますので、これを研磨して平滑面としておきます。LM用の風防は平面ガラス仕様が多いですが、このケースの風防はプラ風防です。こちらの方がクラシカルな雰囲気となって好ましいと思います。

Dscf039902 しかし、裏面です。ワンピースケースなので裏からは開きませんが、このケースはへこみが多いですね。正しくジャンクです。これも修正しておきます。

Dscf040001 研磨して仕上げたケースとベセルをサンドブラスト処理で艶消しとしておきます。

Dscf040101 裏面。ちょっと殺風景な眺めです。

Dscf040201 完成したケース。文字盤と針は、セットで製作されていらっしゃる方から調達しました。リング付きの社外風防は、デッドストックを使います。では、機械をオーバーホールして行きます。

Dscf040301 56ロードマチックは23石と25石が存在しますが、この個体は25石のモデルです。超音波洗浄のあと組み立てをして行きます。ゼンマイが入っている香箱にはメーカー指定のS-2グリスを塗布してあります。輪列とガンギ車をセットして、一体の受けを取り付けます。殆どの場合、部品の加工精度が良いので、ピタッと決まってくれます。

Dscf040401 アフターマーケット製のブラック文字板と針をセットしましたが、この針が曲者で、短針と秒針はきつい、長針は緩めという具合。また、長針の裏から塗布されている夜光塗料の盛り上がりが大きいため、0.2mm間隔での針の隙間では接触をする可能性がありました。長針が緩めのため、今回は取り外しはしませんが、次回の時は、針の裏面をフラットに仕上げてから使用しなくてはいけません。カレンダー窓はありませんので、曜車や日車は不要ですが、構造上組んでおかないと不具合があるため組み込んであります。

Dscf040501 とりあえず組んだままでタイムグラファーにより測定をします。「21600」は6振動(ハイビート) テンプの振り角は215°でまぁまぁです。+8秒ですから歩度の調整は良さそうに見えますが、テンプの片振りが2.7と大きい(グラフが2本)ですから、極力0に近づけるように調整をしてから、再度、歩度調整をして行きます。

Dscf040502 こんなところでしょうかね。時計は遅れることは不可ですので、少し進み方向で調整をしておきます。

Dscf040503 ユニットが完成しましたので、ケーシングです。ワンピースケースですから、機械は風防側から挿入してロックリングで固定します。文字板に付着している微細なホコリをハイポンタックで取り除きます。

Dscf040601 まず、リング付きの風防を圧入します。風防は社外の対応品ですが、寸法は合っていますが外周の角が角ばっていて、オリジナルの丸みのある形の方がクラシックなミリタリーにはあっていると思います。今回は仕方ありませんので、このまま使用しますが、純正が手に入れば交換したいところです。

Dscf040701 セイコー純正のナイロンベルトをあてがって見たところ。ミリタリー時計と言っても全く違和感は無いと思います。これが自動巻きのロードマチックとは。リューズはオリジナルを使いましたが、キングセイコーなどの大型ものの方が良いでしょうね。NATOタイプのナイロンベルトのグレーなどが似合うと思います。精度バッチリで実用性の高い時計に仕上がりました。

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