今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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液漏れPEN-FTの巻

2024年10月02日 20時00分00秒 | ブログ

PEN-FT #3682XXと本来は良い頃の個体ですが、いつも問題になるのは電池の液漏れです。事前の点検で露出計が作動しません。

 

電池室には電池が入りっぱなし。取り出しのリード線も腐食をしていて導通がありません。ここだけで済めばラッキーでしたが・・各ユニットも気化ガスによって表面が劣化しています。

 

露出計を点検すると、メーターは辛うじて生きていますがCdsが不良です。の赤リードの芯線も腐食していてCds基板との取り付け部分が激しく腐食をして導通がありません。基板のパターンには半田付けは出来ないので、ここは直せないのです。オーナーさんが交換用の個体を提供頂きましたのでそちらに交換することにします。

まずはすべて分解洗浄をして、新しくリード線を半田付けした電池室を組み立てて行きます。

 

意外にもこの個体は過去に二度プロの手が入っていました。何をしたのでしょう? シャッターユニットは気化ガスの影響で腐食もありますが、性能に影響はないのでオーバーホールをして再使用します。

完成したシャッターユニットを組み込んだところ。作動は巻上げもスムーズで良好です。

 

 

すみません、作業はしておりましたが、ここのところの気温の上下により体調不良となって更新をさぼっておりました。Cdsが不良のため、支給を頂いた殆ど同時期のメーターASSYに交換します。ハーフミラーは新品に交換します。

アイピース枠はシューアダプターが取り付けられていたため部分が割れていますので部品取り機のものと交換します。シューアダプターの他にマグニファイヤーなどアイピース枠にストレスを掛けるものは取り付けないようにお願いします。

で、前板を取り付けて巻上げると、作動は問題ないが巻上げの初期の抵抗感とゴリツキが大きい。観察すると、リターンミラーユニットのチャージカム面が荒れていて、それがフィーリングを悪くしているようです。これも電池の液漏れを放置したことによる金属腐食なのかもしれません。このカム部分はカシメ組立になっていて分解交換することが出来ませんので部品取り機より交換することにしました。以前に設計者の米谷さんとお話しした折、「FTの各ユニットは分解修理が出来ないので、長く使いたい人は交換用のユニットを用意しておくこと」とご指導頂きました。故障は分解修理ではなくユニット交換で対応する設計思想ということです。

電池の液漏れがどれだけ精密機械(特に光学系)にダメージを与えるかと言うことです。購入時は電池の液漏れ履歴が無いか電池室などを注意して点検することが必要ですが、オークションでは中々難しいですね。

トミーのリペイント (tomys800.sakura.ne.jp)

 

 

 

 

 



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