今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

有名中古屋さんのPEN-FT

2012年01月31日 19時37分32秒 | インポート

Dscf091799 ちょっと合い間がありました。いえね。出戻りなどをやっておりましたので・・で、そのPEN-Sなんですが、先日、PEN-Sのスローガバナーのギヤカシメ不良についてお書きしましたね。画像も同じくPEN-Sですが、今度は、アンクルを止めるピンが脱落して不調となっていました。観察すると、カシメ部分の肉厚がすごく薄くて、長年の繰り返し衝撃に耐えられなかったようです。製造されてから何十年も経って言うのも筋違いだとは分かっていますが、このコパルのシャッターはひ弱なところがありますね。基本設計が同一のPEN-S,PEN-W,PEN-D系は今後は注意が必要かも知れませんね。再カシメでは強度が出ませんので、地板を交換することになります。

Dscf091858 で、本題です。このPEN-FTは #2937XXで、ご常連のベテランさんが都内の有名中古屋さんで購入されて来た個体です。29万代と良い頃の個体で、巻上げのゴリ付きはあるが、その他は特に大きな問題の無い個体。これで38mm付きで1万円台とは、お買い物がお上手ですね。PEN人気が下がったのかな? しかし、先日の新宿では、良いものは高値安定という感じだったけどね。トップカバーを開けてみると未分解の個体ですね。何故か、アイピース枠の留めビス1本がメーター横にあります。たぶん、面白そうなことは無い気がしますよ。

Dscf0919441 ダイカスト本体を洗浄して点検してみると・・・あら~、これいけませんね。蝶番が変形していますね。上側が捲れるように引っ張られています。しかし、裏蓋は正常に閉まっていたようです。蝶番とヒンジピンにガタが発生して裏蓋が下がってしまう不具合を矯正している場合もあります。勘合を見ながら修正する必要があります。

Dscf092062 仮組みをしてみます。あぁ、やはり裏蓋が本体に対して上側になりますね。FTの蝶番はPEN-EE2などと同じチープな強度設計ですから、裏蓋が長い分だけ簡単に変形をしてしまいます。また、この個体も同様でしたが、ちょっと使い込まれた個体は、蝶番とヒンジピンに使用によるガタが発生して、ダイカスト本体のスリット部に収まらない個体も多数あります。今回は蝶番の修正とヒンジピンとの勘合をきつめに修正しておきます。

Dscf092144 あら、ちょっとピンボケだね。蝶番は修正をしてあります。スプロケット軸とスプール軸を組み立てて行きます。

Dscf092221 シャッターユニットは磨耗は殆ど無く、良い状態でしたね。きれいに洗浄して組立を終っています。

Dscf092366 リターンミラーユニットを洗浄注油で取付けてからスクリーンやプリズムを組んで行きます。スクリーンのきれいさで購入されたそうで、なるぼとキズもなくきれいでした。モルトのカスが混入していましたけどね。プリズムの状態も最高に良いですね。コーティングの劣化もありません。

Dscf092488 ハーフミラーはクモリが掛かっている状態でしたが、30万代以降のミラーは比較的強度がありますので、今回は清掃で再使用することにします。その他は、特に問題は無く完成しています。


こんなの最近珍しいPEN-F

2012年01月26日 20時11分45秒 | インポート

Dscf090138 最近では、このような状態の個体はあまり見かけなくなっていましたが、久しぶりにすごいのが来ましたね。入手直後で経緯は不明ということですが、画像ではきれいに見えますけど、かなり長期に渡って放置をされていたと思われますね。本体は手垢まみれでシャッター不動。シャッターダイヤルの留めビスが緩んで、何故かシボ革に接着されています。(意味無いと思いますけど)付属の38mmもつわものですね。シボリは全く作動しない。レンズは汚れ放題。しかし、元々は、そんなにひどい個体ではなかったと私は見抜いています。何とか復活させて見ましょう。たまにはおもしろいじゃんねぇ・・・

Dscf090325 画像がブレでいるのかなぁ? 内部も汚れ放題です。このような保管状態ですと、フィルムレールは腐食しているものですけど、これがあなた、結構きれいですよ。最後は強運の持ち主のような気がして来ました。

Dscf090464 シャッターダイヤルの留めビスは二つとも緩んでいますね。下側はスリ割り頭の半分が欠けてしまっています。ここは緩みやすいのですよね。

Dscf090567 トップカバーやシボ革に付着していた接着剤を全て取り去って洗浄をしたところです。結構美人じゃないの。シャッターダイヤルの緩みで盛り上がって変形していたトップカバーを修正しておきました。さて、外見は何とか良しとして、問題は不動のシャッターだよね。

Dscf090538 進捗を楽しみにしてくださるファンの方もいらっしゃるようですが、そんなに楽しいこともないですね。この個体は、元々は使い込まれて不動になった個体ではありませんね。そこが見所なんですが、要するに保管が悪過ぎたのです。ブレーキリングは錆び付いて完全に固着しています。分解をしてみると中心のテンションシャフトまで錆が発生していました。これでは、シャッターは動きませんね。

Dscf090854 しかし、機械は疲労は少なく、下手な分解歴も無いのが光明です。で、完全に分解して組み直しました。残念ながらテンションシャフトは交換しています。ブレーキはご覧の通りなのでこれから分解しますが、ブレーキリングは使えそうですが、内側のブレーキホルダーは厳しそうです。

Dscf090911 リングとホルダー共、Oリングとの接触面はかなり錆の侵食がありましたが、今回は、研磨で再使用としています。

Dscf091051

スローガバナーの調子も今一でしたが、調整により、1秒まで正常に作動するようにしました。これでシャッターユニットは大丈夫でしょう。前板関係。流石にプリズムは無傷というわけには行きませんでしたね。黒点の腐食はあります。ミラーユニットは完全に固まっている状態でしたので、洗浄、メンテナンスにより作動が復活しました。

Dscf091122 全反射ミラーは意外に劣化は少なかったので、プリズムにも腐食があることから、今回は新品は使わず、オリジナルを再使用しています。取り付けの緩んでいたシャッターダイヤルは下側の取付ラグ部分が変形していましたので、修正をした後に取付けています。それではとシャッターを切りましたよ。(リターンミラーが動いているでしょ)巻上げもスムーズで調子はよろしいと思います。

Dscf091378 今日、土曜日。ただ今、都内の検診から戻りました。テストで組んだばかりのセイコー・スーパーをはめて行きましたが、姿勢差による歩度狂いもなく、全く正確で良かったですよ。このぐらいのサイズの方が、体に馴染んで使いやすいですね。

Dscf091256 で、戻ったところに、ヤフオクで落札しておいたセイコー新10Bのジャンクが届いていましたので、ちょっと気になりますよね。「ゼンマイ切れジャンク」とのことでしたが、裏蓋を開けてみると・・・リューズで巻いた回転を香箱車(ゼンマイ)に伝える役目の丸穴車の留めネジが折れて脱落していますよ。ここは左ネジは常識ですが、それを知らずに締め込んでネジを折ってしまったのでしょう。ゼンマイは生きていました。手持ちのジャンクから調達と思い、開けてみると・・あら、こちらもネジが欠品していますね。まさか新10Bはこのネジが消耗品なのかな? そんなバカな・・その他、手持ちはすべて新10Aで諏訪製のため、設計が異なるので流用が出来ません。どなたか新10Bのジャンクお持ちではないでしょうかね・・

Dscf091375 付属の38mmですが、すごいですね。カビ以外にクモリもあります。シボリ羽根も固着で、まったく作動しない状態。何とか使えるようにします。

Dscf091424 すべて分解洗浄したところ。ご覧のように、F用とFT用の中期までは、このような部品構成になっていますね。洗浄で、シボリ羽根も軽く作動している様子。

Dscf091561 ピントリングの黒アルマイト剥離も無く、元々はカメラ本体と同じく状態は良かったレンズですね。しかし、長期放置でクモリはコーティングの劣化跡ですから清掃で多少の剥離は仕方ないところです。カメラ本体も含めて、落語じゃないけど、棺桶に両足突っ込んで、かんかんのうを踊っていたような個体ですから、まず復活できて良かったです。巻上げも軽く、そこらのPEN-Fよりはるかに良いカメラとなっています。一緒にPEN-Fメーターも来ていましたが、こちらは残念ながらメーターの断線で処置なしです。湿気の多いところに長期に放置すると腐食により断線し易いのです。

http://www6.ocn.ne.jp/~tomys800/


素性は悪くはないPEN-FT+PEN-S 2.8

2012年01月24日 17時34分49秒 | インポート

Dscf089255 PEN-S 2.8 #3614XXですけどね。シャッターは切れるが中速以下が変ですね。すべて分解洗浄をして仮組みしてみますと・・・あ~、おかしいですね。スローガバナーは作動しているのに、全く制御できていない。なんで???

Dscf089345 点検して行くと・・・あぁ、これだね。時計で言うとガンギ車の上下カシメ部分が緩んで、別々の動きをしていますね。これでは、時間のコントロールは出来ませんね。

Dscf089566 ガンギ車を分離して点検します。カシメが全く利いていない状態ですね。この個体は、あまり実用に供された形跡はありませんので、たぶん、新品で販売された早い時期にこの状態となっていたと推測します。コパルはカシメ不良が多い気がしますね。交換部品はありますが、今回は、ポンス台で再カシメをして使うことにします。

Dscf089661 その他は、問題は無く完成しています。ずっとこのシャッターの状態で気がつかずに使用されて来たのでしょうね。やっと本来の性能に戻りました。で、次はPEN-FT #3330XXと良い頃の個体ですね。この方は素材選びは手馴れていらっしゃる。駒数カウンター復帰不良がありますが、問題はありません。裏蓋が開きにくい時があるとのことで、あらら、金庫破りみたいに縁をこじっちゃいましたね。だめですよぉ。そんなことをされては。ストライカが上がらなければ絶対に開かないのです。簡単に開いたら困るでしょ。

Dscf089712 あぁ、裏蓋の縁がよれよれになっていますよ。程度の良いFTなのにグスンですね。

Dscf089611 しかし、幸運なことに、機械は疲労は殆どありませんね。シャッターのスプリングも工場での調整が優し目になっていますので、ギグシャクしたところがない個体です。本体にメンテナンスを終えたシャッターユニットをセットします。

Dscf089853 調子は良いですね。33万代と後期のタイプなのに、中前期頃までの滑らかな巻上げ感触となっています。裏を返せば、シャッターのテンションが弱めという言い方も出来ますね。駒数板の復帰不良はピンセット先の親ギヤの回転不良でした。過去に油を付けた形跡がありましたが、油の種類を吟味しませんと、僅かな回転負荷であってもリターンスプリングが弱いため、復帰しなくなります。まぁ、少し前の滅茶苦茶なリターンスプリングとなっていなくて良かったです。

Dscf089799 38mmですが、#4030XXと製造番号から、このFTとセットで販売されたレンズであろうと推測します。38mmは後期になると内部の構造が全く設計変更を受けていまして、それ以前の38mmとは部品の互換がありません。前期の場合は、ヘリコイドの鏡胴(外側)のみ別パーツとして中に入れ子のようにシボリユニットがネジ留めされていますが、後期は画像のようにシボリ部分のみが別パーツとなっています。変更の理由は不明ですが、メンテナンスをする側としては、前期型の方がやりやすいのですね。ここまで分解するためには、本来分解したくないカムを分離しなくてはなりませんし、シボリ羽根もバラバラになってしまうのです。

Dscf089934 純正のレンズキャップはテレンプの劣化でスカスカになっていると思いますが、貼り替えご希望ですね。古いテレンプを剥離することから始めます。

Dscf090094 で、このように貼り替えてあります。これで全ての作業は終了です。

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出戻り美品のPEN-FT(B)

2012年01月23日 20時48分51秒 | インポート

Dscf0886881 以前にメンテナンスをしたPEN-FT(B) #3320XXですけどね。リターンミラー剥離で戻って来ました。前回のメンテナンスの時にはすでに他でリターンミラーの貼り替えをしてあったんでしたね。観察すると、ミラーホルダーには、工場での接着カスと、再接着時の接着剤がまじって厚く層になっていますね。接着剤により、ホルダーの接着面が腐食していますので、そのまま接着をしても接着強度が得られません。ホルダー単体にしてから全て研磨をして行きます。

Dscf088715 幸い、リターンミラーは割れていませんでしたので、同梱して頂いたオリジナルを再使用しました。古い接着剤を完全に剥離しませんと、ミラーの位置が変化してしまうので困るのです。接着剤が完全に硬化するまで、養生したいところです。

Dscf088811 前板の裏側だよ。すでにリターンミラーは取付けてミラーユニットや光学系を組んで行きます。スクリーンに注目。33万代頃からは、スクリーンの形状は只の矩形になります。それ以前は、上下に角の突起が2ヶ所づつあります。前板のダイカストには、その名残がそのままありますね。位置決めの目的だったのでしょうけど、あまり関係は無かったようで、加工の簡略化で省略されたのでしょう。

Dscf088999すでに組立はほぼ終了しています。思い出しました。この個体の調整シムの多さは、たぶん一番かなぁ・・4ヶ所に2-3枚づつ入っています。場所を記録しておくのも大変です。ダイカスト本体が相当マイナスぎみのセットだったのでしょうね。

Dscf089054 先日の中古屋さんで見たブラックと同じぐらいきれいなブラックモデルですねぇ。お高かったでしょうね。


SEIKO SUPERのケーシング

2012年01月21日 00時53分23秒 | インポート

Dscf089654 最近、時計の方は、途中仕掛かり状態のものが増えていましてまともに完成していません。そこで、私と同じ歳のセイコー・スーパーを仕上げておきます。機械のエージングは終っていますので、文字盤を取付けてケースに収めます。セイコー・スーパーは1950年7月から製造されたようですが、この個体は1953-1月の製造です。機械は、まだ初期型の10石で耐震装置はありません。落下は厳禁です。この当時としては珍しいステンレスケースですので、ケースの状態は良い方ですが、文字盤は年月を感じますね。清掃はしましたが、黄ばみと過去の分解で付けられた、外周部分のキズ汚れが残念ですね。新品時はホワイトゴールドに輝いて、豪華な雰囲気の文字盤だったと思います。じつは、針はセットで別の個体から移植しました。元の長短針はコンパウンドで研磨したところ、簡単に金めっきが剥離し、秒針は、先端の部分もすでにカットされていることが判明したためです。茶色の塗装も半艶でやり直してあります。

Dscf089811次は風防ですが、オリジナルの風防は黄ばみと細かなクラックが入っていますので交換したいところですが、現在、入手出来る風防はドームの高さや形状が微妙に異なりますので、黄ばみだけなら再使用したいところでした。厚みがかなり厚いことが分かりますね。実測で4.05mmでしたが、ドンピタの風防は手に入りません。

Dscf089915 そこで、オークションなどで、デッドストックを探すわけですが、私のところにも沢山在庫はあるのですが、僅かな寸法差で使えるものが限られるため、これだけあっても合わないのです。これは、同じ時計であっても、ケースの種類はさまざまなことと、ベセルの内径の仕上がり寸法によっても適合する風防が変わってきます。因みに、元のオリジナルは外径28.25mmですが、画像の282では小さく、283では大きいという具合です。

Dscf090087 283でトライしてみましたが、やはり大きいため、今回は仮に282を接着併用で付けておきます。厚みも気に入らないので・・

Dscf090137 やっと、時計としては組み上がりましたね。時計バンドですが、私が愛用しているイタリアのモレラートには取付け幅16mmで、この時計に似合う選択肢が無いので、松重商店のオリジナル品をチョイスしました。取付け幅と尾錠幅共に16mmのバンドは意外に少ないのです。色は秒針に合わせて茶色です。このバンド。ビックリするような安さでバネ棒付きで千円代でした。中国製だから実現している価格ですが、残念なことは、バンドを差し込む定革と遊革の折り曲げ部分にひび割れがあること。ローコストのバンドは革の品質が劣るのですね。折角、良い企画の商品なのですから、もう少しコストを掛けても誰も文句はないと思いますよ。モレラートの1/4程度の価格ですからねぇ。

Dscf090266 これは、ちょっと黄ばみすぎの画像ですが、アンティークの(50年を超えるとアンティークだそうで、私も同じなんだなぁ)良い雰囲気を出しています。国産の時計も、何かホッとする良い雰囲気の製品はこの後のマーベルぐらいまでで、60年代後半からは、確かに合理的な設計で高性能の量産品ばかりになって行きます。この辺りはカメラも同じようなことが言えるのではないでしょうか? さて、同期の腕時計は元気になったので、私も頑張らないと・・・

Dscf088545 50年代から60年代は高度経済成長期ですから、働けば明日は今日よりも良い生活が出来るという希望があった時代。「大きいことは良いことだ」と森永エールチョコレートも言ってましたね。そんなバイタリティーの時代ですから、腕時計も大きくがっちりとしたものが流行します。画像でケースの大型化が分かりますね。中央は60年初期のセイコークラウン15002ですが15003ではもう一回り大きくなります。右側はセイコーマチックで64年製ですが、ここからは防水ケースになりますので、余計にケースが大型化して行きます。しかし、時計を付ける腕のサイズは変わらないのにどこまで大きくなって行くのでしょう。最近の若者にはもっとデカ時計が流行っていますね。裏蓋を開けて見ると、おにぎりの梅干みたいに真ん中に小さなおんな持ち用の実質500円程度のムーブメントが入っているだけなんですけどね。現代の若者は外見の見た目やファッションとして時計を見ているのでしょう。欲しくても高価で簡単には買えなかった昔の人間とは、時計に対する思い入れが違いますね。携帯があれば時計なんて要らないしね。1964年の東京オリンピック当時のコマーシャル。「♪S・E・I・K・Oセイコー、輝く世界記録ここにセイコー、S・E・I・K・Oセイコー、セイコー。精工舎の時計が七時をお知らせします。ポッポッポーン」まだ記憶してるんだ。

Dscf088544 茶暮れさんのリクエストによりセイコー5です。

Dscf089026恐れていた事態発生。ゼンマイの足し巻きをしましたら、一杯まで巻き上がったので机に置いておきましたら・・あらら、止まっていました。リューズを巻いてみると抵抗感が無い。「あっ、やっちゃった!」ゼンマイが切れてしまいました。この頃はまだ切れないゼンマイは無くて鋼製のゼンマイでしょう。腕時計に限らず、古い車やバイクをレストアして走り始めると、最初のうちは次から次と壊れるものです。一通り不具合が出尽くすとしばらくは安定して動いてくれます。これは、使われない間にも材質などは確実に劣化をしており、再び現役復帰をさせると耐えられずに壊れてしまうのでしょう。カメラだって同じことが言えるのです。今回は、ゼンマイが何巻き巻けるのかを把握しておらず、一杯に巻いてしまったのが直接の原因でしょう。で、カメラの作業をしながら、応急でゼンマイの交換をしました。最初は、香箱ごと移植と思いましたが、微妙にホゾ穴が変更されており互換がない。細かな設計変更を受けているのですね。それではと、ゼンマイを取り出して交換しました。この頃は、ゼンマイがまだS字カーブになっていませんね。以後のゼンマイは、解ける時に各部が受ける力を均等にする目的でS字にカーブしています。ゼンマイのデッドストック探しておかなくっちゃ。