今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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PEN-F兄弟

2011年04月27日 23時05分57秒 | インポート

Dscf256925 大阪のご常連さんから何やら2台のPEN-F が来ています。この個体は#2421XXと1965-11月製で、もう1台は#2481XXと1965-12月製で、本当に兄弟ですね。まずは、通常のO/Hで行けそうな方から掛かります。この個体はフリマで入手されて、お友達がメンテをされたものを使用されていたとのこと。じゃあ、あまり辛口では書けませんね。ご覧のように、見える部分のモルトは交換されていますが、ファインダー本体のモルトは手付かずです。と言うか、分解していないのでしょう。とフォローをしておく。

Dscf257074 底蓋を分離してみると、ほらね。ボトムキャップが取れているでしょ。このトラブルは非常に多いのです。みなさんも確認してください。まぁ、底蓋で押えられていますので、光線漏れはないと思いますが、フィルムの直下なのでちょっといやです。

Dscf257291 この個体はシボ革は過去に剥離された形跡はないようですけど、何やら貼ってありますよ。この部分の前板の仕上がりに「引け」があって、かなりへこんでいます。それを修正するために専用のスペーサーを貼っていたようです。46年ぶりにばれてしまいましたね。もっとも、FTになっても、この傾向は治らなくて、黒のビニールテープが貼ってある個体が多くあります。とても精密機械じゃありません。

Dscf257366 分解を始めたときから、水油の臭いがしていたのですが、駒数板下のギヤには過多の水油が付着していますね。お友達がされたのでしょうけど、カメラに水油はダメですよ。

Dscf257535 しかし、その他は特に問題はないようです。PEN-Fで問題になるブレーキの利きですが、画像のブレーキリングを動かしてみることによってOリングの摩擦があるか分かります。珍しく、この個体はブレーキは利いていますね。予防的に交換しておく選択もありますが、2台来ていますので、なるべく修理費用を抑えるため交換はしません。

Dscf257688 プリズムには少し腐食が出始めています。全反射ミラーは目視では、見にくい腐食はなく、過去の拭き上げのすり傷程度ですので、こちらも再使用としました。まぁ、古いミラーなので反射率は落ちているのですけど、プリズムも完全ではないので・・最後にターミナル接片の半田付けが剥離していましたので、再半田付けをして完成です。フリマで入手の個体としては良かったのではないですかね。

Dscf2577521 じゃ、2台目ね。この個体はオーナーさんがうちに来られるようになる前に同じ修理屋さんに2回修理に出されているそうです。上下カバーを外して点検してみると・・・プロの作業ですからやることはやってありますが、気になるのは、ネジというネジに緩み止め目的でエポキシ接着剤を塗布されていることです。ネジロックと接着剤は似て非なるもので、全く用途が違います。カメラは人間の寿命より長く生きて行けるわけで、次に修理をする人の手間も考えて作業をしなければなりません。少なくとも、私はそのように考えて作業をしているつもりです。その他、のカバーは剥離時に塗装が痛んだと見えて筆塗りで補修塗装をされているのが気になります。

Dscf2580861 このように、ネジのスリ割り溝にも接着剤が入り込んでいます。ネジロックであれば溶かすことは可能ですが、エポキシですからどうにもなりません。スリ割り溝の接着剤を1本ずつ掘り出して緩めるしかありません。時間も掛かるしネジも痛んでしまいます。

Dscf258233 一台目の個体と殆ど製造時期が違わないのに、この個体のブレーキは全く抵抗感(ダンパー)がありませんね。これはやり直さなければならないでしょう。

Dscf258552 あらら、ブレーキのOリングが七角形にカットされています。これでは殆どブレーキの機能は果していませんが、問題は、工場から出た後の加工なのかです。じつは、この手の加工をされているOリングを多数見ます。Oリングが劣化すると作動に不都合が出ますので、後天的に修理屋さんで加工されているものか、或いは工場で行った加工なのか? それはないのではと思いますが、これ以外にも色々な加工方法があって、明らかに工場での加工と思われるものもあります。このブレーキについては、構造的に無調整で組むことは難しかったであろうと想像します。

Dscf258783 で、ブレーキを含めてメンテナンスの完了したシャッターユニット。下が交換したOリングです。七(八?)角形の頂点でしかリングに接しないので、これでブレーキ効果があるとは思えませんね。

Dscf258830 では、本体を組立てて行きますよ。おっと、ダイカストの巻上げレバー部分と裏蓋の蝶番が何やら色が違いますね。これは、ご常連さんのお気に入りの仕様です。

Dscf259176 ロックキー側のカバーもグレー色に塗装をしてロックキー、巻き戻し軸受にグリスを塗布して組立ててあります。

Dscf259259 過去にプリズムは分解清掃されています。こちらのプリズムは腐食は発生していませんね。殆ど同時期の生産ですが、保存上の違いでしょうか。

Dscf259561 組立てはほぼ終了。接眼枠の片方のラグが折れていましたので接着をして使用しました。巻上げもスムーズで調子は良好です。シャッター幕保護のため、シボ革を貼っていない裏蓋を取り付けています。

Dscf260578 上下カバーとシボ革を貼って完成しています。「PEN-F系をペングレー色に」とはどなたでも考えつくアイディアですが、実際にやってみますとこれが簡単ではありません。F系の場合は、前面にグレーの塗装部分がありませんので、グレーのシボ革だけではボケた感じとなってしまうのです。

Dscf2604511 裏側はこんな感じ。裏側には巻上げレバー下と裏蓋にグレーの部分がありますから、意外に違和感はないでしょ。しかし、コンパクトのEE系のグレーですとサイズが大きい分ボケぎみとなります。そこで、本体とシボ革共、三光ペンの色に近い仕様としてあります。三光ペンはEE系に比べて色が濃いのです。まぁ、全てのPENをコレクションされている方が、バリエーションとして持ってみたいという仕様ではあります。作る方は意外に手間が掛かるのですけど・・・

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コマ送り不良のPEN-FT(B)

2011年04月25日 22時25分01秒 | インポート

Dscf2561531 「末永く使用して行きたい」とオーナーさんがおっしゃる幸せなPEN-FT (B) #2825XXですが、シューアダプターのゴムが移行してPEN-FTの白の色入れが濁っていますね。これが自然かも知れませんがきれいな個体なので入れ直させていただきますよ。

Dscf2565361 で、トップカバーの洗浄後、古い塗料を剥離してからこのようにしておきました。歯を磨いたみたいでしょ。

Dscf256666特に問題となる部分はありませんので、淡々と組立てていますよ。スプロケットは良品と交換してあります。ビューファインダー本体ですが、この部分のモルトは、過去に整備を受けている個体であっても省略をされているか、下手っぴいなモルトが貼られていることが殆どです。モルトはこのように貼ります。

Dscf2567881 コマ送り以外は、特に問題はありませんので完成しています。使用による塗装の摩滅はありますが、不注意な小キズはありませんので、大切に扱われていることは一目で分かる個体でした。付属の25mmはF用ですが、珍しくレンズの曇りはなく状態は良いですね。防湿庫で保管されて来たのでしょう。


まったりPEN-F

2011年04月22日 23時20分56秒 | インポート

Dscf253236 すみません。リペイントで神経使ったものですから時計でリフレッシュしていました。1960年製のセイコーマチック20石という機械。自動巻き機構のマジックレバー方式を採用した2番目のモデルですね。初代はジャイロマーベルといいますが、ジャンクでも高いので・・辛うじてテンプは振れているのですが、自動巻き用のローターがスムーズに回転しない。元々、初期のモデルは動きが重いようですが、それにしてもという感じ。

Dscf253336 これが自動巻き機構を裏からみたところ。カニの爪のようなレバーが歯車を抱えていますね。これがマジックレバー方式の自動巻き機構で、従来は、ローターの回転が一方向でなければ巻上げが出来なかったものを、この方式でどちらに回転しても巻上げが出来るというすくれもの。セイコーでは世界初とか言っているようですが、すでにオリジナルのアイディアはヨーロッパのメーカーにあったようです。レバーの中心軸は偏芯しており、これによって回転力を生み出すのですが、この軸が外れています。不具合はこれが原因です。

Dscf253575 驚くのは、この地板の薄さです。初代のジャイロマーベルでは、ふつうの手巻き機械に自動巻き機構を追加した構造のため、非常に厚い機械となっていました。それを改善するために地板から寸法を詰めています。このような改良は日本人が最も好きで得意なところです。

Dscf253767 組み上がり。なるほどローターを付けても厚みが気にならない寸法に収まっています。この機械62系はその後の上級モデルにも改良されて使われた優秀な機械だそうです。良く見るとリューズのサイズが小さいですね。このモデルは巻上げは自動巻きのみとして手巻き機構を省略しています。それによってリューズは時間合わせのみに使用するため小さく、ケース内に収容してでっぱりがないスマートな構造となっています。

Dscf254551 まだ針は仮に付いているだけです。リューズは何と、べセル側にも逃げがあって(位置固定)薄く作ることに涙ぐましい努力をしています。下が手巻きのセイコークラウンですが、マチックの方がスマートに感じます。金メッキの現存ジャンクはケースの状態が良くありません。殆どバンドを付けるラグの先端部分が剥げて真鍮が露出しています。そこで、その部分を簡易メッキしてみました。まぁ、真鍮の酸化を防止するという程度ですね。セイコーの金めっき厚さは20ミクロンありますが、簡易メッキでは数ミクロン程度です。

Dscf254933 で、お待ちかねのお仕事です。PEN-Fが2台来ましたが、1台は状態が悪いのでキャンセルしました。で、状態の良さそうな方の個体#2282XXを途中からUPです。良さそうと思いましたがダメですね。ご覧のようにスプール軸が地板のホルダー部に固着して抜けません。では、どうやって回転していたの? それはね、ホルダー部のカシメが緩んでホルダー部ごと回っていたのです。Fではこれは意外に多いのです。何故かと言うと、スプール軸の潤滑不足です。真鍮という材料は、潤滑がない状態で高負荷を掛けると「かじり」を起こして食いついてしまうのです。そもそも、新品の時から潤滑はされていなかったような感じですね。

Dscf255097 そこで、スプール軸にショックを与えて分離したところ。地板のホルダー部は再カシメをしておきます。やれやれと思ったら、またまたダメですね。スプールギヤの内径のネジ山とピンセット先のネジ山が壊れています。やれやれ・・

Dscf255125 駒数板の裏側を見ると、かなりキズだらけですね。と言うことは過去に分解をされているということです。ネジ山の破損がその時の分解によるものか、はたまた、スプール軸固着によるストレスが原因か? それは分かりません。

Dscf255273 仕方がありませんので、画像のようにセットで交換としました。手に持っているギヤがグラグラで締め込んでも留まりません。これでは駒数計が動かないもので・・・後はチャッチャと言って欲しいなぁ・・

Dscf255490 保存自体は悪い個体ではありませんね。プリズムの腐食も出ていませんしブレーキのOリングもちゃんと残っておりました。しかし、ブレーキの機能を果しているわけもなく、交換してあります。全反射ミラーも交換です。

Dscf255555付属のF用38m f1.8ですが、絞りレバーの作動が異常に重い。しかもバネの擦れるような音がします。絞り羽根に付着している油がすごいですね。これでは作動が重いわけです。これは全て分解して脱脂洗浄しなければなりません。

Dscf255764 過去に分解歴のある(ほとんどあります)レンズですが、ピンセット先のバネが延ばされて変形していますね。これは、慣れない方が犯すミスで、マウント部を分離する時に、バネが引っかかっていることに気が付かず、ビョーン、あっ、と気が付いてもすでに遅いのです。ご覧のように「く」の字形に変形しているため、中央のリングに接触して絞りレバーの復帰に抵抗となっています。絞り羽根の復帰が遅いということ。

Dscf255877 まぁ、いろいろありましたが完成しています。絞りレバーのトルクはちょっと弱めですけどね。画像の部品を交換してあります。左はセイコーマチック20。こちらも完成しており、中々正確で調子も良いです。自動巻きで楽ちんなので外出時に使用します。


リペイントご希望のPEN-S 2.8

2011年04月14日 23時30分16秒 | インポート

Dscf2503751 昨日のセイコークラウンですけどね。今のところゼンマイ一杯で丸一日動き続けています。手巻き腕時計は約30時間作動するように作られていますので、明日の朝まで動いておれば合格とします。再分解前は12時間程度で止まりましたので、やはり不具合があったのでしょう。正確に組んだつもりでも差が出てしまう。いかにフリクションを少なく組立てるかが勝負ですが、このトレーニングはカメラの組立にも役立ちます。チラネジなしの大きなテンプは振り角も大きく調子は良さそうです。

Dscf250058 で、カメラです。ずいぶん前に来ていたPEN-S 2.8 #1494XXとSの中では古い方ですが、リペイントをご希望とのことです。普段は修理がありますので中々手を付けられませんが、少し手が空きましたので掛かることにしました。初期にしてはきれいな方ですけど、シャッターは張り付いてレリーズボタンを押しても全く作動しませんね。

Dscf250174 リペイントは採算的に合っていませんので、続けては出来ません。画像のように、リペイントの場合は、修理やO/Hでは分解しない部分まで全て分解しなくてはなりません。シボ革や吊環はもちろん、裏蓋と底蓋のリベットも分離します。作業は再組立を考慮してキズをつけないように細心の注意を払って行います。この作業で丸一日掛かります。

Dscf250289 ボディー関係に手を付ける前に、不動のシャッターをO/Hしておきます。保存状態は悪くはなくて、シャッター羽根の赤錆も軽微でした。初期型のため、右のハウジングのシンクロターミナルはネジ止めではなく、半田付けです。

Dscf250462 上下カバーのメッキを剥離して真鍮地に戻してあります。大きなへこみなどはありませんが、長い間にひずみは必ず発生しています。吊環部及び底カバーのリベット孔部のひずみを修正しておきます。

Dscf250898 ちょっとUPをサボりました。そう、オリーブPEN-Sを作っています。私のリペイントは単に色を変えると言うよりは、リ・プロダクトを目指して細かなところまで妥協をしません。ですから、画像でUP出来ない膨大な作業があります。何気なく、サラッとメーカー品質が目標です。予めO/Hをしておいたシャッターユニットを組み込んで各部を完成させて行きます。

Dscf251351 本体にシボ革を貼って行きますが、初期型で製造が古いため、すでに縮んでいますね。シボ革も剥がしたままの状態でそのまま貼っているのではありません。裏面の糊面の研磨、収縮の修正及び洗浄をしてあります。平行してトップカバーを完成させておきます。この個体は初期型なので、両吊環の材質は真鍮にニッケルメッキです。ですから材質が柔らかいのですでに磨耗をしていますが、今回はそのまま再使用としています。駒数ガラスは塗装がきれいになると劣化が目立ってしまいますので、新品を接着してあります。色入れは特にご指定がありませんでしたのでアイボリーとしてあります。ファインダーブロックは共色(オリーブ)で塗装する場合もありますが、この個体のリンクル塗装は程度がよろしいので、そのまま清掃で使用します。この後、裏蓋の組立をします。

Dscf2515521 組立てて良々見ましたら、この個体はft表示機ですから海外からの里帰り機ですね。国内にあったものより湿度による劣化が少ないと思っていました。前面の彫刻文字は初期型ですと文字の線幅が細い傾向にあります。ファインダーのリンクル塗装の状態も悪くはありません。角の剥離だけでしたので、タッチアップで再使用としています。新品の頃のリンクル塗装はもっと完全に艶ありなんですよ。

Dscf2516651 裏蓋の組立です。背部と底部をリベットでカシメて組立してあります。巻き戻し解除ボタンの再カシメ、開閉キーはグリスを塗布して組立ます。その後、遮光材の貼り付けとリベット頭の化粧塗装を終えて、最後に表面のシボ革を貼って完成です。裏蓋だけでもかなりの工数になりますが、特に通常の修理時と違って、新しく塗装をした部品の組立てですから、キズを付けないように注意が必要です。

Dscf251954 底部のリベットはこんな感じ。初期の個体は材質はアルミですが、その後の個体は真鍮になります。

Dscf252379 専用皮ケースに収まったところ。ボディーの狂いも少なく、機械も調子は良いと思いですね。これで完成としますが、リペイントのご依頼はタイミングで、常時はお受けして差し上げられませんのでご了承ください。

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海辺のPEN-FT

2011年04月12日 12時04分35秒 | インポート

Dscf249242 すみません。少し時間が空きました。ご依頼の修理が一段落したのと、痔が悪くなりましてね。また、ここ数日前から余震という従来の本震よりも大きな揺れが来ますので地震めまいと言うのかな? いつも体が揺れているような気がして作業に集中できません。しかし、そうも言っていられませんので、修理のご依頼をお待ちしています。

で、少し前にFTをO/Hされた方からリピートご依頼です。#2360XXと中期頃の個体ですが、状態は非常にきれいです。未分解と思いましたが、シボ革は剥離された形跡があります。では、作業に取り掛かろうと底蓋を分離すると「ジャリ」っといやな感触。観察すると内部に砂が入っていますね。

Dscf249583 砂入りのカメラは過去に何台か修理をした経験がありますが、内部のギヤなどに入り込むと機械がガタガタになってしまうのです。では、どこの砂だと思いますか? マウント裏にも蓄積していますが、これがべっとり付着していてハケでは落ちません。このことから、この砂は砂漠の砂ではなくて海砂ですね。海水浴に来ていて、シートの上に置いていたのでしょう。目には見えなくても、砂は海風で地表面を飛んでいます。海辺でカメラを使う時は充分に注意をしなければなりません。特にこの時代のカメラはね。

Dscf249666 本体もすべて洗浄して砂を洗い流しておきました。では、組立を始めています。スプロケット軸は使用による磨耗もなく、砂の影響も無いようです。使い込まれた個体では、軸受部のメッキが磨耗をして真鍮地が出て来ます。そうなると磨耗が早くなってしまうのです。

Dscf249725 機械内部にも砂の混入がありましたが、幸い、あまり使用された形跡がありませんでしたので、砂による損傷は無いものと思います。巻上げのフィーリングも改善して、この頃の個体としては問題の無い良い個体に仕上がっています。この後カバーを閉じて作動を確認して完成です。

Dscf249811 カメラの作業が終って、少し時間が出来ましたので、時計の組立をします。このセイコークラウンは少し前にO/Hをしたのですが、ゼンマイ一杯の巻上げで作動時間が少し短い気がします。これは、機械のフリクションが高めであることが原因と思います。香箱車から動力を受ける二番車のカナの磨耗損傷がある場合はフリクションが大きくなるため洗浄して点検しています。また、テンプにホコリの繊維片が一つ絡んでも時計は止まりますので、その点にも注意をしながら組立てて行きます。