今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
(お問合せ)tomytmzk@titan.ocn.ne.jp
 

雑用が多くての巻

2024年05月25日 11時00分00秒 | ブログ

カメラ店様からの修理(鑑定)見積やらバタバタしていましてUPするネタがありません。このPEN-FTは突然巻上げもシャッターもフリーズしたというもの。分解をしても部品や組み立てに問題はありません。チャージの逆転防止爪の嚙み込みと見当をつけてメンテナンス後テストを繰り返していますが再発はしません。

このように再発をしてくれない故障が一番厄介で時間もかかります。

 

 

時間が中途半端なので最近作業をしていない当方在庫のローライ35をやっておきます。スプール、スプロケット軸とファインダーの分解清掃をして戻します。

 

稀にこのようなシャッターを見ます。磁気を帯びにくい愛用のピンセットにシャッター羽根が繋がって付いて来ます。絞り羽根も含めてシャッター全体が磁気を帯びているのです。ブラウン管テレビの上にでも置いていたのでしょうか?

 

時計修理の世界でも機械が帯磁することがあり精度に影響をしますので消磁器を掛けて磁気を取り除きますが、私の使用している消磁器はなんとオープンデッキのアカイの純正品(50年物)です。使えるので新しい機械は買いません。画像のように消磁されています。

完成したシャッターユニットを取り付けます。

 

 

シンガポール製のブラックモデルですから上下カバーはアルミ製のため角々に当たり傷がありますが、実用機としてはマァマァになりましたね。

 

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真贋判定PEN-Sブラックの巻

2024年05月21日 09時59分59秒 | ブログ

続いて「遅れてきたペンマニア」さんから二つ目の段ボール箱が来ていました。この方はPEN系の元箱付きや、今回のPEN-Sブラックも収集されているコレクターさんです。で、いつもの真贋判定依頼ですが・・パッと見て違和感はないですね。良いのではないでしょうか。

#1626XXは集中してブラックモデルが作られた頃のシリアルです。スプロケット、スプールなどの仕様に疑問はありません。

 

「おめでとうございます」真贋判定は間違いなく本物です。何度も分解を受けて修理をされているようです。かなり汚れていますので分解洗浄からしていきます。少し前に私のリペイント機が登場しましたが、本物が来ちゃいましたね。

このブラックモデルは1961年1月製と推測されますが、意外にPEN-Wのような塗装の劣化は見られませんね。PEN-Wは1964年後半の生産が多かったのですけど、生産が後の方が塗装の劣化がひどい? 恐らく塗装を担当した工場が異なるのではないかと思います。さすがに駒数ガラスは曇っていて良く見えませんので研磨をしてから洗浄します。

製造が古くとも、それほど汚れていないカメラもありますが、この個体は時代分だけしっかり汚れていて洗浄に時間がかかりました。すべて洗浄を終えたところ。

 

なぜか裏蓋底部はひどいですね。これは何か後天的な保管場所などの原因がありそうです。開閉鍵など腐食も違和感があります。

 

組立はいつもと一緒です。トップカバーの吊環部がへこんでいますので修正をしてから組みます。

 

ファインダーのレンズを分離して清掃をしました。本体に取り付けます。

 

 

頑張りましたが今日はここまでです。明日は急ぎの修理が入るのでこの個体の作業は出来ないかもしれません。

 

急ぎの修理は午前中に終わらせました。レンズですが、びっくりするくらいきれいです。オリジナルとは思うのですが、私の印象では、初期のレンズは曇りなどが少なく、中期以降のレンズが曇りやすい気がします。ガラスの材質が変わったのでしょうかね。

裏蓋も仕上げておきます。開閉鍵のメンテナンスをされる方は少ないと思いますが、初期の個体はグリスが変質しています。構成部品を洗浄して新しいグリスで組み直します。

 

初期の特徴が写っている画像です。(見えませんが) 本物のブラックモデルは側面のネジは黒塗装ではなくクロームモデルと同じメッキを複数確認しています。駒数ネジの孔は非貫通です。レリーズボタンの復帰バネが非常に弱く、指を載せただけでシャッターが切れてしまう時があります。その後、バネは強化されました。

市販をされなかったブラックモデルの現存数はどのくらいなのでしょうね。それをお一人で複数台所有されているとは羨ましいです。

 

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キヤノンRMの色入れの巻

2024年05月20日 20時00分00秒 | ブログ

ご常連の「遅れてきたペンマニア」さんがきれいなキヤノンRMブラックを入手されて来ましたが、ペンタ部のCANONの色入れが抜けているので入れ直して欲しいとのことです。この個体は良く観察するとリペイントをされたようです。

ルーペで観察すると「N」の色入れの拭き取りが完全ではありません。この部分は第一体裁面と言って、どんなに小さなキズや塗装ブツがあっても不良となる部分ですので工場の作業とは思えません。色は基本の白色で、それを完全につや消しとしていますが、私の印象では色は若干クリーム掛かった白で艶は半艶程度です。塗料はつや消し剤を多く混ぜると塗料の密着が悪くなって、完全に乾燥をすると剥離をしてしまうことは私も経験があります。

比較的簡単に楊枝で取り除くことが出来ました。やはり密着が足りません。

 

画像ではつや消しに見えますが、半艶で光沢もあります。色は若干クリームで入れてあります。

 

本来は他の部分の色入れも直した方が良いのですが、今回はここまでとします。簡単に見える文字の色入れですが、特にペンタ部はカメラの顔となる部分ですのできっちりと作業をしたいものです。

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里帰りのPEN-Sリペイント機の巻

2024年05月17日 14時00分00秒 | ブログ

2013年に私がリペイントをしたPEN-S3.5 #1010XXが北海道から里帰りして来ました。嫁に出した娘と久しぶりに会った心境です。元はお父様のカメラをリペイントされて、定期的に撮影されているとのことですが、塗装の傷や劣化が見られません。昨日塗装をしたみたいです。大切に扱って頂いているのが良く分かります。

しかし、コパル#000番シャッターはさすがに10年以上ですと不具合が出てきます。そこで、シャッターのオーバーホールに帰りました。動力が髪の毛の太さのバネ1本で、部品構成からも摩耗によってフリクションが高くなる傾向から、中々気難しいシャッターです。点検のところ、目視で不良の部品はなく、摩耗も少なめです。

完成したシャッターユニットを本体に戻しますが、本体の塗装に全く傷が無いので組み立てにはリペイント時と同じ気を使います。

 

カム板やレンズを取り付けて行きます。また、シボ革の角が剥離気味でしたので補修接着をしておきました。

 

S」を赤で色入れをした個体は何台か製作した記憶があります。今は諸事情もあって中々リペイントが出来ませんが、今見ても手抜きのない仕事をしていたなと思います。

 

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リコー・スーパー44のメンテナンスの巻

2024年05月16日 15時00分00秒 | ブログ

リコーの4X4 ベスト(127)フィルム二眼レフカメラ。スーパー44が来ています。製造は1958年12月~とのことでfeet機ですから、当時アメリカで流行した35mmスライドフレーム一杯(5cmX5cm)のベスト判カメラとして輸出されたものでしょう。年代の割にはレンズの状態は悪くはなく、シャッターのメンテンナス中心で復活するかと思います。

さすがにリコー製で安価なカメラでも簡潔な設計で品質は悪くはない印象です。

 

この時代の国産ミラーとしては悪くはない、清掃をすれば使えるとも思えますが今回は新品を作り交換します。

 

内部を清掃をして新しいミラーを取り付けました。

 

 

シチズンMVシャッターはチャージ、MX、セルフタイマーの3つのレバーがあるので前カバーにはレバーの逃げ孔が開いています。

 

シチズンのシャッターも高品質で悪くはありません。シャッタースピードB.1-1/400 でセルフタイマー内蔵です。低速不調とセルフ不調があるのでガバナーの洗浄と羽根の油を洗浄します。

何故かレンズのプレートが接着外れの状態でした。接着剤の塗布位置から推定して元の位置に接着しておきます。

 

巻上げは残念ながら赤窓式ですね。

 

 

レンズはリコービューワー60mmとリケン リコー60mmです。この時代のレンズに多い曇りはなく、清掃で良い状態になりました。巻き上げダイヤルの回転(クラッチ)が重く、ASA感度盤が回らない状態(ウェーブワッシャの錆び付き)ですので清掃をしておきます。

シボ革はビニール製で接着糊は弱く、部分的に剥離していますので接着をしておきます。

 

裏蓋の開閉はローライフレックスなどとは逆になっており、三脚の取付けネジは本体の先端にあります。

 

巻き止機構などはなくシンプルな内部。

 

 

立派な専用革ケースに入って完成。

 

 

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