今なにしてる         (トミーのリペイント別館)

カメラ修理などについてご紹介します。
富塚孝一
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SEIKOスピードタイマーのやり直しの巻

2014年11月23日 21時32分33秒 | ブログ

露出不足の画像ですみません。少し前に取り上げたセイコー・スピードタイマー6139-7020ですが、どうしても調子が出ません。オーバーホール済みを購入されたとのことでしたので分解はしませんでしたが、テンプの振りが小さく不安定ですので、再度分解をして原因をさぐっ見ることにしました。

まずはテンプから輪列にさかのぼって点検しながら分解していきます。この辺りは特に問題は無いようですが、オーバーホール済みにしては油っけがないですね。

 

ゼンマイの入っている香箱を分離しようとすると・・固着ぎみを取り出してみると、あぁ、ホゾ孔をタガネで締めてありますね。潤滑不良で使われた機械は摩耗でホゾ孔が拡大してしまうので、それを修正してあるのです。しかし、ちょっときつ目になっていて、全く潤滑が無いことで噛みこんでいる状態です。アンクルの動きに元気がないのはゼンマイの動力が効率的に伝わっていなかったためです。

全く信用できませんので、最初から組み立てていきます。

 

 

組立は省略して。テンプを取り付けるところまで組みましたが、アンクルの動きが非常に強くなって左右にはじけるように動きます。これで絶対にテンプの振り角は大きくなるはずです。

 

カレンダー部も組み立てます。

 

 

当初はテンプの振り角が130°程度であったものが、200°を超えています。データも安定しています。厄介な秒針も着けてと・・

 

自動巻き機構を取り付けていきます。

 

 

裏蓋には、今年の3月にオーバーホールをしたとサインが入っていましたが、一応消してから撮影していますよ。パッキンが不良ですので新しいパッキンにシリコンを塗布してから取り付けます。

 

最後に純正のSSベルトのヘアライン再生と洗浄をしてから取り付けています。まぁ、人様の作業は信用してはいけないという教訓ですね。

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