関東地方は台風5号の影響もあり、私の居住する地域に線状降水帯が停滞して夜半に大雨となりました。おかげで睡眠不足の目で作業をしています。ローライ35SE(TE)は1979年の発売だそうで、露出情報をファインダー内のLEDに表示をさせるように改良されたモデル。しかし、基本形のローライ35に比べて、既存のスペースに新たなパーツを組み込むため、どうしても整備性は悪くなりますね。そんなことで私は得意ではありませんが・・ファインダーの清掃では、ファインダー自体は同形のものですが、右から基板が差し込まれる構造で、内部にLEDもあるため簡単に分離することも出来ません。よってレンズの清掃が非常に困難です。
まぁ、接眼レンズは分離することが出来ます。
その奥にあるブライトフレームも分解可能です。これを取り去って対物レンズの後ろ側も清掃します。今回はブライトフレームの前側にカビがありましたので清掃出来ました。
で、SE(TE)をメンテナンスする場合、気になるのはシボ革の劣化です。表面が溶けてネチネチと手につきます。これは気持ちが悪いし商品にもならない。製造の古いローライ35では発生しない問題なので品質の低下というほかないですね。そこで、いつもお世話になっています「アキアサヒ」製の本革シボ革に貼り替えることにしました。大変良いアイテムですが、材質の違いなどから厚みが厚い傾向にありまして、そのまま貼ってしまうと本体の側面部分が出っ張ってしまい、糊が両面テープと弱いせいもあって剥離の危険があります。

純正のシボ革はローライ35の頃は側面の部分は薄く加工されていました。SEではその加工は省略されて全体に均一の厚みですが、0.47mm程度に収まっていますが、アキアサヒ製は約0.6mmほどありますので、両端を薄く削る加工をしました。接着は両面テープではなく強力なゴム糊で接着します。
裏蓋側は純正でも0.6mm程度ですのでそのまま使用しますが、問題は本来ストラップ金具をカシメる前にシボ革をサンドイッチにしてあるのですが、貼り替えの場合は金具は外せませんのでカッターナイフでカットして貼ることになります。アキアサヒ製もそれを考慮した孔形状としてあります。
このような仕上がりになります。ひと手間掛けることで仕上がりが違いますね。
貼り替えキットはローライ35用のみですのでSEとの違い、レンズ収納レバーの付く部分の孔開けが必要です。
キズもなく使用感は少ない良い個体で唯一のシボ革ベタベタが解消されて気持ち良く使えるようになったと思います。
ついでにローライ35ドイツ#3116XXXを続けます。露出計は不動とのことでしたが・・あらら、配線の腐食断線と樹脂ケースが中央から折れています。これ、結構多いです。特にドイツ製のものは樹脂の材質が硬く、バリバリと割れてしまう気がします。
配線のやり直しと樹脂ケースの修復をしたところ。幸い露出計の感度は良好です。
何故、主にドイツ製の樹脂ケースが割れるのか? 正確には分かりませんが、当初は電池室を留めるネジは3本だったのですが、この個体の頃になると、そのうち1本が省略されるようになります。それによって電池挿入のストレスからケースが割れるのではないか? とか推理します。この個体の場合は、ネジ孔の下孔は加工されていましたが、ネジが切られていませんでした。ダメージのある電池室ですから3本のネジで固定したいので、M1.4のタップを切ります。
ケースの固定にぐらつきもなく修復が出来ました。
ドイツ製のファインダーは黒い絆創膏のようなテープで巻かれている個体が殆どと思いますが、稀にこの個体のように消しゴムのケースのようなものに入ったものもあります。
沈胴の調整とオーバーホールをしたシャッターユニットを取り付けます。
∞調整をして化粧リングを貼ります。
露出計以外は非常にコンディションが良い個体でした。
続けてしまいますが、久しぶりにPEN-FT #2328XXです。分解の手順忘れちゃうよ。初期としては外観はきれいですね。
こちらもカメラ店様の商品になりますが、レンズは42mmが付属していました。このセットで使用されていたのでしょう。初期型に42mmとは良い度胸していますね。例によってシャッターはゆっくりとしか切れません。
露出計の不動ですが、配線が腐食断線しています。では、オーバーホールをして行きますが、カメラ市も近くなりましてカメラ店様からの修理ご依頼も多く頂いておりまして、それと直接の御依頼分もありますので全く休養も取れない状態となっています。ブログの更新をする余裕もない状況ですので、しばらくの間、ブログの更新は余裕のある時とさせて頂きます。ご理解のほどお願いいたします。