明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1712)ウラン鉱山跡地の処理はあまりにずさん。被爆者は世界中にいる。(ニューメキシコの旅4)

2019年07月13日 05時42分22秒 | 明日に向けて(1701~1900)

守田です(20190713 05:30 ニューメキシコ時間)

グランツミネラルベルトを訪れて

ニューメキシコの旅、12日はラグナ・プエブロとグランツミネラルベルトを回ってきました。プエブロは「人々」とともに「集落」「村」も意味するようです。

また先住民の中の同じ言語族の方が「プエブロ系インディアン」とも分類されるようです。ただしこの辺、僕はまだ知識が成熟していません。より正しいことが分かるたびに修正を加えて報告させてください。

さてラグナはアルバカーキから西にずんずん車で1時間ほど行った町でした。100キロぐらい離れているのかな。

ここは「グランツミネラルベルト」といわれたアメリカ合衆国のウランの一大生産地でした。1950年~1990年まで約3億4千万ポンとのウランが掘られたそうです。にわかに判断し難い量です。

ちなみにアメリカでは西部14州でウラン鉱山や精錬所が作られましたが、鉱山の数は約4100か所、それらのために放射能汚染された地域が10400か所にも及ぶそうです。

ラグナではこの問題と向き合っているクリスティーナさん宅にお邪魔してお話を伺いました。おじいさんがインディアンとしての尊厳を守られた方だそうですが、「今はその精神を受け継ぐものが減ってしまった」と投げかけられていました。


グランツミネラルベルトを表した簡易図(ミランのマイン博物館にて 守田撮影)

生活を破壊したジャックマイルマイン

ここにはジャックパイルマインという広大なウランが露天ぼりされた場があります。

それまでこの地域は貧しくて仕事を得るためにはとても遠くまで行かなくてはならなかった。

そこにウラン鉱山がやってきたとき、人々は地元に仕事の場ができて喜んだそうです。しかし同時にそれはそれまで自給自足の生活が基盤にあった人々の中に貨幣経済が持ち込まれることとついだった。しかもアルコールが持ち込まれ、辛い鉱山の仕事の後の憩いを得たい人々の間に瞬く間に飲酒習慣が広がり、やがて深刻なアルコール依存症が蔓延する結果も作り出しました。

鉱山とお金とアルコールがセットでやってきたのでした。

最終的にここの鉱山は1980年代に世界各地に新たなウラン鉱山がみつかり、価格競争で負けたことから廃鉱になったのですが、人々はそのまま放り出されただけでした。


発掘が終わったばかりのジャックマイルマイン(途中で立ち寄ったカフェの壁にあった写真)

廃山後の処理があまりにずさん

そんな生活の激変をもたらしたこのあたりのウラン鉱山、とにかく車で走っても延々続く膨大なものなのですが、なんと今も上から少々、土をかぶせただけなのです。

ジャックマイルマインの現状・・・ただ土をかぶせただけ(守田撮影)

ウラン鉱石はそれ自身が放射線を発します。また放射線を出した後に違う物質に変わりそこからもまた放射線が出ます。このためラドンガス、ポロニウム、放射性ビスマスなどの「娘核種」と呼ばれるものも健康被害をもたらします。(なおこの点は細川弘明さんからいただいたコメントからの引用です)

これらによる健康被害もずっと続いている。あまりにひどいです。

あらためて「被爆者は広島・長崎だけではなく世界中にいる。世界中のウラン鉱山の周りにいる」と実感する訪問でした。

さて今日はここまで切り上げて朝早くから集会に参加するために出かけます。

チャーチロックというところでのウランによる汚染の漏洩から40周年の集会です。デモにも参加してきます!


マインミュージアムにウラン原石が展示されていた。ガイガーカウンターを近づけると5.73μ㏜も!

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