明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1941)原発はいつも労働者を被曝させている 原発から命を守るために―5

2020年12月02日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1901~2100)

守田です(20201202 09:00)

連載「原発から命を守るために」の5回目をお届けします。

原発は被曝労働を前提とした悪質プラント

連載の3回目で「なぜ原発を動かしてはならないか」という問いを立て、「10万年以上も管理しなければならない核廃棄物を作りだすから」「巨大事故を起こす可能性があるから」という答えを導き出しました。
今回はその続きとして原発が日常的に労働者を被曝させていることを指摘します。

原発を「ハイテク」と誤解している方がおられますがそんなことはありません。原子炉が作られたのは1940年代前半。基本設計も1950年ごろです。
原子炉は定期的に検査を受けますが、放射線値がとても高い中に入っていくので必ず被曝します。

繰り返し故障事故も起こりましたが、その時もたくさんの労働者によって手作業での修復などもなされ、漏れ出した高濃度の放射能汚染水を雑巾で拭いたりもしました。
今も福島で、定期点検で、また故障事故修復で、被曝労働が強制されています。


原発労働者の原発内での写真を世界で初めて撮った樋口健二さんの写真
 

社会的に不利な立場の人々が被曝させられてきた

このため現場には危険性について何も知らない知的障害者や外国人、未熟練労働者がしばしば使われてきました。
ヤクザの組員が半ば強制的に放り込まれるなど、あまりにひどい実態があります。

現場では被曝量を測る「ガラスバッジ」を使い、危険値を越えるとアラームが鳴りますが、法定被曝量を越えると働けなくなるからとバッジを外し、アラームを切ってしまう「鳴き殺し」が常態化しています。
そんな被曝労働がないと動かせないのが原発です。だからその存在は倫理的に許されない。
すべての労働者を守るために「いつも労働者を被曝させる原発をやめよ」と訴えましょう。


講演する樋口健二さん 誰よりも詳しく被曝労働のことを伝えてきた

なおより詳しくは以下の番組をご覧下さい。
被曝する労働者達:下請け・日雇いが支える原発の実態
2011年7月24日配信 KTV関西テレビ放送

https://youtu.be/wuvwO1RlIVo

続く

#被曝労働 #原発労働者 #樋口健二 #ガラスバッジ

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