明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(2081)放射能のそもそも論、原爆訴訟や「黒い雨」訴訟など平和と原発ゼロに向けてお話します(『放射線副読本読み解き会』特別編にご参加を。8月29日(日)大津市)

2021年08月19日 23時30分00秒 | 明日に向けて(2001~2200)

守田です(20210819 23:30) 

『放射線副読本すっきり読み解きBOOK』を読む会・特別編について

8月29日(日)午後5時から、表題の学習・講演会を行うことになりました。主催は日本共産党滋賀県委員会です。
もともと「読み解き会」を7月25日に始め、8月中にあと2回を行う予定でしたが、予定を変更し、2回目を「特別編」として行うことになりました。
「10月にも衆院選が行われるのが必至の情勢の中で、原発のこと、放射能のことをきちんと学んでおきたい」という主催者の意向を受けてのことです。このため「読み解きBOOK」読む会は、選挙後にまた計画してくださることとなりました。

それで今回、与えられたお題は「放射能のそもそも論」「原爆訴訟や黒い雨訴訟について」です。
また「コントロールできない老朽原発の再稼働、『原発ゼロ』の政治決断こそ、安心の日本に」という内容もチラシに掲げられています。
ちょうどこの夏、広島市を駆け巡り、黒い雨降雨地域も周ってきたので、そこで学んできたことを体系的にお話したいと思います。

申し込み先は日本共産党滋賀県委員会
電話077-522-8210  FAX077-522-8282 ⅿirai-21century@bird.ocn.ne.jp
zoom参加も可能です。滋賀県委員会に連絡してアドレスを教えてもらってください。



放射能のそもそも論とは

僕にとってこれはいいなと思っているのは「放射能のそもそも論」「原爆訴訟」「黒い雨訴訟」が並べられていることです。
「放射能のそもそも論」とは何か。放射線被曝の危険性とはどのようなものか・・・になると思いますが、それこそそもそもこの点で大きな見解の相違がある。
ある科学者たちは、被曝の危険性を極めて高いもの、極力避けるべきものと捉えています。ある科学者たちは、危険性をそれほど高いものとは認めず、「ある程度の被曝は許容されるべき」と捉えています。

もちろん僕は「危険性は極めて高い」と捉えているし、だから原爆は無論、原発も無くすべきだと主張していますが、しかし高名な「科学者」で危険性を否定する人々もかなりたくさんいます。だから多くの人が戸惑ってしまうのが実情です。
これに対して「原子物理学」や「放射線防護学」を紐解いてみてもすっきりとした回答は得られない。この分野でも大きく隔たった、まったく相反する見解があるからです。
では何を見ていけばいいのか。答えは歴史です!歴史、つまりそのものがいつ表れ、どのように捉えられるに至ったのかを見ていくことが、真理に近づく最良の道だということです。

では放射能の問題はどこから捉えたらいいのか。原爆です!ヒロシマ、ナガサキで起こったことです。なぜならこれほど大量の放射線をもの凄い数の人々が浴びた経験など他にないからです。
次に大事なのは、その時、誰が放射線被曝の影響を測り、体系化したのかです。答えはアメリカ軍です。原爆を落とした加害者であるアメリカが、被害者である被爆者を独占的に調べて体系化したものが、現代の放射線防護学の基礎なのです。
こう見てくるとすぐに分かることがあります。加害者が被害事実をきちんと把握し、公表することなどあり得ないこと。自己防衛のためにも、大きな過小評価がなされてきたことです。とくに隠されてきたのは内部被曝の大きな危険性です。


原爆の捉え返しにこと「そもそも放射能とは」という問いへの答えがある。2021年8月 守田撮影

原爆訴訟と黒い雨訴訟の意義

これに対して「原爆訴訟」、とくに「原爆症認定訴訟」やそれを引き継ぐ形で行われてきた「黒い雨」訴訟は、過小評価され、無視されてきた被害事実を明らかにし、国に認めさせ、事実に迫ろうとしてきた試みでした。
だからこの裁判の過程、何がどう主張され、明らかにされ、認められてきたのか、その経過をおさえることそのものが、「放射能とは何か」についての知見を得ることにつながります。特にこれらの裁判で突き出されたのは「内部被曝」の実態です。
そもそも常に「◯◯とは何か」という問いは、「◯◯とは何と捉えられてきたのか」の歴史的振り返りの中で答えに近づいていくことができます。だからここから一緒に学びましょう。

その点でこの日の学習会は以下のように進めようと思います
1ーそもそも放射能とは何か(原爆と被曝影響の過小評価、これを覆してきた原爆訴訟と黒い雨訴訟、内部被曝の位置性)、
2ーヒロシマ、ナガサキとフクシマのつながり(核=放射能との共存強要の歴史、いまフクシマで行われてること、『放射線副読本』との対決の大きな位置)
3ー老朽原発再稼働強行の意味すること(老朽・・・だけではない原発の危険性、だからこそ「原発」ゼロの政治決断が必要なこと)

以上の内容を、この夏の広島取材で得てきたことがらを交えてお話します。
あらためて『放射線副読本』をきちんと読み解くことを、全国津々浦々で広めることの大切さをおさえることにもなります。
みなさま。ぜひお越しください。zoomでのご参加も大歓迎です!


右から原告団事務局長高東征二さん、水戸喜代子さん、原告石井隆志さん、守田、石井さんのお連れ合い。みなさん、満面の笑顔! 守田のスマホにて毎日新聞の小山美砂記者撮影。なお石井さんは小学生の時に6人で川で泳いでいて黒い雨により被爆。すでに他の5人の方は亡くなられてしまい、一人生き延びて勝訴に至りました・・・

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