守田です(20230823 22:00)
● 何がどう問題なのか?再度整理して反対の声を強めよう
岸田政権がとうとう放射能汚染水の海洋放出を8月24日午後1時に始めようとしています。心の底から反対を表明するとともに、再度、何がごまかされているのかを明らかにしたいと思います。
このため本年6月17日に大阪の泉大津市で講演した動画をご紹介しまのでご覧下さい。汚染水問題について冒頭から30分ぐらいまで話しています。
汚染水問題はこれから何十年も続きます。たとえ24日に始められたとしても批判を続けて止めたら良いのです。そのためにしっかりと問題点を押さえましょう。
『放射能汚染水を海に流しても安全ってホント?~汚染水と処理水の違い~』
● 62核種もあるのにトリチウムだけのような話にした上で「薄めて安全詐欺」を働いている
紹介した動画に沿いつつ汚染水問題で政府や東電が行っている「ごまかし」を一つ一つ読み解きます。
ごまかし1 ALPSという呼び名!明らかに「アルプス山脈」のイメージを使って印象操作しています。
ごまかし2 あたかもトリチウムだけが残っているかのような言い方をし、実際には62核種を「基準値以下」にしているだけにすぎないことから目を逸らさせようとしています。そのため62核種の残存量も示していません。
ごまかし3 そもそも「規制基準」が濃度になっていることに根本的な問題があります。これではどんな量の放射能でも薄めればいくらでも排出できてしまうからです。総量規制すべきです。
ごまかし4 そのうえ実際には7割が基準値を越えて残存しているのにそれを「処理途上水」と命名して汚染水であることを隠しています。あまりに姑息です。
図はTEPCO「処理水ポータルサイト」より 守田講演スライド
● 復興庁のチラシはウソとごまかしだらけ
続いて復興庁が作ったチラシを読み解きます。
1「トリチウムは身の回りにたくさんあります」について
ごまかし5 最初の出だしてトリチウムのことだけ書き、他に存在している62核種をまったく無視しています。このことで論議をトリチウムのことだけに誘導しようとしています。
ごまかし6 「たくさん」という主観的であいまいな言葉で、環境中のものと放出物を一緒くたにしています。「どこにでもあるから増えても大丈夫」という印象操作を狙っています。
2「トリチウムの健康への影響は心配ありません」について
ごまかし7 本来、無色のトリチウムをあわい緑で描いて、受け入れやすいように印象操作しています。例えば赤や黒で表現するだけイメージがまったく違ってきます。
ごまかし8,9 水が身体をただ通過するだけのように描いてますがまったくのウソ。全身にいきわたり、様々な細胞の中にある水と置き換わっています。だから被曝は細胞を傷つます。細胞には修復機能がありますが量が多いと修復が追いつきません。
3「取り除けるものは徹底的に取り除き、大幅に薄めてから海に流します」について
ごまかし10 健康影響がないなら取り除く必要はないし、大幅に薄める必要もありません。ここは語るに落ちています!
ごまかし11 あたかも世界中が原発を使っているかのように語りトリチウムを流していると断言していますが、実際には世界のわずかな国だけが原発を使い海を汚しています。ただし他の国の汚染水にはトリチウム以外に62核種もの汚染物質が入っているわけではありません。
あたかも世界の大半が原発を使っているように見せているけれども
実際に原発を使っているのは世界の中のわずか30か国 欧米、東アジア、インドなどだけ ただし図は2005年のもの
続く
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