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明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

明日に向けて(1699)政治をみんなで変えるときが来た!そんな選挙を大いに楽しもう(倉林さんインタビュー4)

2019年06月10日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190610 23:30)

倉林明子さんインタビューの4回目、最終回をお届けします。
今回は参議院選に向けて政策合意と候補者一本化に漕ぎ着けた市民と野党の共闘の意義、そのもとでみんなで担う選挙の位置について話していただきました。
選挙をみんなで大いに楽しみましょう!


「みんなで作る未来を考えよう」と呼びかける倉林さん2019年5月19日(事務所開きにて) 2019年5月19日(HPより)

安倍政治を倒した後を考えよう!市民が主体の政権を作ろう!

守田
この間の京都での日本共産党・倉林事務所開所式のときの倉林さんの挨拶動画、僕がSNSにアップしたらもう1000回以上、再生されていてね。
というのは、多くの人が指摘するように安倍政権はひどすぎるよね。でもそれはその通りなのだけれども、安倍首相がいかにひどいかを繰り返しても、もうずっと続いているから人々はちょっと食傷気味でもあるのね。
それに対して倉林さんは「安倍政権を倒した後の政権を考えましょう」と言いましたよね。「原発ゼロの政権をみんなで」とか。あれ、僕はいいなあと思って。それですぐにアップしたらけっこう再生してもらえて。

事務所開きでの倉林さんの挨拶 2019年5月19日 守田敏也Facebookタイムラインより https://www.facebook.com/toshiya.morita.90/videos/pcb.10216444677927821/10216444658607338/?type=3&theater

倉林
だってね、「もう悪口はいいんだ、みんな分かってるんだ」という声って確かにあるわけよね。でも運動の側には「怒りをエネルギーに」というスタイルが染みついてもいるじゃないですか。だから叩き倒して「あれはダメだ」って言う。
もちろんそういう怒りを広げることを否定しているわけではないのだけど、でも「いまは実はもうそういうときじゃないんじゃないの」と言いたかったのね。
安倍さん実はここまでボロボロになっている。それに対して今回の参院選、政策では初めて本気の合意のもとにたたかう選挙になるわけじゃないですか。
これまでだったら選挙区で一本化して、政策で一致できなくても「候補を降ろします」というやり方だったでしょう。ところが今回は政策合意がある。これってあの希望の党ができたときに直前まで行っていたことですよね。

守田
そうだよねえ。というかあのとき、市民と野党の共闘をつぶすために希望の党が作られたとも言えるよね。

倉林
そうそう。だからできなかった。政策合意が反故になっちゃって。だからあの時も共産党から見れば候補を降ろすだけの選挙になってしまったわけですよ。政策を前に進める担保はなかったけれども一緒にやるという形だったじゃないですか。
でも今度は来週には政策合意が出るんですよ。それぞれ党首が署名するんですよ。

守田
~拍手~

倉林
新しい段階、フェーズが変わるんですよ!

守田
すごいすごい!

倉林
市民連合が作り上げて、それに対してそれぞれの党が修正を加えて「最低限これだけは一致できるよね」という項目が八つぐらい。それがまとまるんですよ。
(守田注: 2019年5月29日に「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」提案の13項目に「立憲民主党」「国民民主党」「日本共産党」「社会民主党」「社会保障を立て直す国民会議」のそれぞれの代表が署名し正式に成立!詳しくは以下を参照))

明日に向けて(1695)だれもが自分らしく暮らせる明日へ(参院選に向けて市民連合の要望書に5野党・会派が署名!) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/04c5a48a81faa98d4cbcd7af5a25166e https://toshikyoto.com/press/3281


調印後にみんなで撮影 2019年5月29日 (しんぶん赤旗より)

守田
画期的だ。

倉林
そうなの。

守田
その点ではね、僕が今回の統一地方選で日本共産党をバリバリに応援した最大の理由は、前回、ああいう状況の中で共産党が候補を降ろしたからなんだよね。それで結果的に10名も議員を失ってしまったわけでしょう。

倉林
まあね。辛いわあ!

守田
本当にあの段階でね、さっきも触れたようにいったん成立した共闘がつぶされてしまったけれど、それに対して共産党や市民の努力でギリギリで共闘の線が守られたわけじゃない?
とくに共産党にとってはものすごく痛い、身を切る感じになりながらね。だから僕は「これは今回は自分事として共産党を勝たせないと」と思ったわけね。

倉林
うんうん。そうやってみんなの努力で新しい段階にいたって、それで初めてやれるのが今度の参議院選挙なわけね。そのことは衆議院の解散になればよりはっきりするわけですよ。
みんなで築き上げた政策を実現する政権を作れる、本当にワンステップ違う領域に入れる。とくに市民が作った政策に合意するという形になることが素晴らしくて。市民がみんなで作った政策を共通政策にできるわけですよ。主体が変わるんですよ!

守田
うんうんうん。

倉林
政党が「これどうですか?」じゃないわけ!市民が声をあげて、原発のことなんか本当にそうだったけれども、声を上げ続けて、上げ続けて、政党が変わって、はっきりと「原発NO!」と言うように変わったじゃないですか。
だから主体は本当にようやく市民になるんですよ。

守田
素晴らしい!すごく!

倉林
そういう選挙なんですよ!今度は!だから「安倍政権を倒したあとの希望をみんなで語ろう」「そういう選挙になるよ」と言いたかったわけ。

守田
なるほどなるほど!これはもうかなり良い話が聞けたな。

倉林
ほんまに?(笑)

看護師としてチームで働いた経験が生きている

守田
それでね、もう少し倉林さんの人となりを紹介するために聞きたいのだけれど、やはり倉林さんがもともとナースをやっていて職業的な経験を積み上げてきたことが、こうやって人をつなぐために生きているのではないかと思うのだけれど。


ナースとして「診療報酬の改善」や「賃金の大幅アップ」を求めて奮闘していた倉林さん(HPより)

倉林
そりゃそうよ!ナースは転職だと思っていたのだけれど、そう思ったのはもちろん患者さんが喜んでくれるということがあるよね。そこに面白さがあるのだけれど、これをみんなでやるからより面白いんですよ。1人じゃ絶対にできない。
1人のエリート看護師がいても、その集団全体が同じ看護計画、プランを貫いていかないと看護が成り立たない。いい看護をしようと思ったらいい仲間にならんとあかんのです。
それで仲間の水準をみんなで常々維持し、あげようとしていかないといい集団にならないんですよ。でもそれでいい集団を作れたら最高にもう、ほら、気持ち一つにね、その患者さんへのアプローチができたりして、もう泣けるぐらい嬉しかった。

守田
ほおおおお。

倉林
おほほほほほほ。
だから本当になんて言うのかな。みんなで集団を高めていくことが結果としていい仕事につながるんだなあということが分かって、だから労働組合も必死になってやってたしね。
それに看護の現場にはいろいろな世代の看護師がいるし、子育て中だったり親の介護を抱えていたり、そうやって多様な人を抱えていた方が多面的に患者さんを捉えることができるわけ。
若い人ばっかりだったらやっぱり理解力にも想像力にも限界があるじゃないですか。それがすっごく楽しかった。天職だなあと思ったのはそれが私自身の喜びになっていたから。どっちかというと集団作りが好きだったな。

守田
そうかあ。だから議員になってもいろいろな人に対応できるわけだね。ナースはどんな人に対してもまずどうして苦しんでいるか察知してあげるわけだものね。

倉林
そうなのよ~。仲間内でもそうで、できる人、できない人、デコボコしていてもいい。それでもみんなで・・・。

守田
カバーリングしあって・・・。

倉林
うん。いやカバーリングというよりももっとお互いが考えながら、なんというか・・・。

守田
ハーモニーを奏でるような。

倉林
そうそうそう。そういう感じ。そこが面白い。だから「みんな」って面白いなと思って。人が好きなんだな。基本的に。

守田
それは僕もそうだよ。(笑)

倉林
それで例えばね根本厚労大臣とか、答弁がひどいんだけどさ、「勉強する時間がないんやろうな」とかついつい思うもんね。ぼろくそ言われているけれど。
もうちょっと、答弁書を読むだけではなくて背景とか、これは違うんちゃうかとか考えればいいのになあとか思うわけね。あ、もうこれ、看護の精神やな。

守田
わはははは。いや、僕はそれがすごく大事だと思うのね。その場では政治的に対立もするわけだけれど、そういう人間的な思いは通じるじゃない。
だから麻生さんがね、中小企業の事業者が消費税納付の延長が申請できることを倉林さんが議会で取り上げたときに、素直に謝ったけれど、それもそういうところを感じていたからなんじゃないかな。
あの人、やはりけんかはうまくて「これは謝った方がいい」と即座に判断したのでしょう。


麻生大臣が素直に謝罪(倉林明子プロモーションビデオより)

倉林
いやそこはね、実際に知らなかったと思うんですよ。だって知らせる通知はもう作っていたのだもの。それが現場でちゃんと窓口においてないことを初めて知って。

守田
それで引き下がったわけだ。でもあれはある意味、あの酷いこと連発の麻生さんでもやるべきことをやるときもあるじゃんとなって、ちょっとは彼の得点にもなったよね。

倉林
まあねえ。

守田
でも僕はそれでいいと思うんだよ。

倉林
そうそう。いいことをやったらほめんとね。

守田
なんというか。人をいい方向に持って行くと言うか。猛獣使いのようなというか。

倉林
わはははは。

「あなたなんだ!政治を変える主体は!」

守田
いやいや今日は美味しい話がいっぱい聞けました。これを記事にして参議院のリアリティや倉林さんがはたしている役割をきちんと伝えます。
さっきも話したように「議会で共産党の議席を一つ維持したって力にならないんじゃない」とか思ってしまう人に、人々の声を届ける意義や議事録に残すことの大切さを伝えたいな。

倉林
世論が国会に届くと、与野党を問わず議員を説得することになるわけですよ。私が国会に入る前は、経済産業委員会には9年間、共産党の議員がいなくてあまり討論がされてなかった。
そこに私が入ったことで世論が持ち込まれたわけですよ。「原発ゼロ、消費税増税はダメだ」とね。私が議席をもって委員会に入ったことで世論が持ち込めたという実感がすごくあるんですよ。
そうすると世論をみんな正面から聞いているわけだから、だんだん私の発言に拍手したりとかさ、そういうことになるわけですよ。


 国会前に集まった人々に向けてアピールする倉林さん(HPより)

守田
それいいなあ。面白い!

倉林
消費税ももっと早く10%にあげようとしていたのに2回も延期したじゃないですか。そういうときにも「凍結しろ」とか「延期しかない」とか言うようになるわけ。世論を国会の中で可視化させてまっすぐ届けることはそれだけ大きいことなのですよ。
私も世論の力ってきちんと届けたら「ああ、こういう変化を起こせるのか」と分かって「もっと届けよう」と思ってきたわけ。

守田
素晴らしい。

倉林
それらからすると、この間、原発ゼロ法案が出てくるとか、隔世の感があるなあ。私は直接に係ったわけではないのだけれど、まさに世論が届いて国会議員を変え、動かしてきた。そういうことなんだあとあらためて実感できて。


立憲民主、共産、自由、社民の4党で「原発ゼロ基本法案」を提出 2018年3月9日(YouTubeより)

守田
倉林さんはそうやって「下からの民主主義が国会に影響を与えている」ことから話をしてくれるよね。だから一人でも民衆の側にたつ国会議員がいることに意義があるとね。すごく共感するなあ。 その上に、さっきいまは「もう主体が違う」って言ってたじゃない。政党が「こうだ」と言ったことに集まるのではなくて、「われわれ」が主人公で政策を作っているとね。

倉林
本当にそうなの。そこでね、「主体の力」をみなさんに実感して欲しいと思うわけよ。「あなたたちがいま、政党を動かしているし、あなたたちの声はいま政策で野党をまとめた」と言いたい。

守田
ああいい、それいい。

倉林
「あなたたちの声が政治を作る時代になるんですよ!」「この構造変化の中で主人公として声を上げたらそれが生きる時代になるよ」って伝えたい。

守田
それ「ラディカル・デモクラシー」と僕は呼んでいるんですよ。「どういう政権がその座についていようとも民衆がその政権を規定している状態」ということなんだよね。

倉林
そう!本当にね。そもそもこれまで安倍政権がさんざん民主主義を壊してひどいことをやってきたわけだけれど、それで逆に民主主義が育ってきたじゃないですか。

守田
そうそう。成熟してきた。

倉林
そう。成熟してきた!「政党に言われて動くんじゃない、僕たち、私たちがこうしたいんだ。それに政党は力を合わせてやってくれ」という声があってそれで政党が手をつないだ。本当に戦後の民主主義の大きな転換点が今なんですよ。

守田
素晴らしい!そこだあ。

倉林
やったあ(笑)

守田
そこを一緒に作ろうと。今度の選挙で。

倉林
だから私が行く、行かんという範疇を越えてね、「こういうチャンスに今あるんだよ」と言いたいわけ。だってさんざん諦めさせられてきたじゃないですか。政治に。何を言ってもしょうがないと。野党が政権獲ってもダメだったと。

守田
そうそうそう。

倉林
そういう閉塞感をみんなで越えて作った野党のまとまりは、いったんつぶれかかったけれどもいま再生して、新たな政策の一致での選挙まできたわけだからね。過半数割れに追い込むまではまだ一歩あるかもしれないけれど、政権を変えることが現実のものになりつつある。

守田
すごい。これ、みんな元気が出るわ。というかここで元気をださないとね。 日本の多くの人はまじめすぎてあんまり自分を誉めることをしないけど、でも与党があれだけ議席を獲っているのに原発だってそんなに動かせてないわけでね。今でも民衆の反原発運動が政府を規制している。

倉林
そうそう。憲法だってけっきょく変えられないじゃないですか。三分の二をとってこのザマ。そこに民主主義の水準がある。どっこい力があるんだ、みんなに。それが新たな段階を迎えている。 だから「楽しい選挙にしよう」と言っているのですよ。実際、こんなに楽しいことない。

守田
潮目が大きく変わろうとしている。本当に民衆が主人公で、下から政権に影響を与えられる流れが始まりつつある。

倉林
だから「共産党さん、よろしくお願いします」ではなくてね。

守田
ああいい、いい。倉林さん、そこがいい!「だから一緒にやろう!」だよね。

倉林
そう。だから私は言いたい。「あなたなんだ!政治を変える主体は」「私たちが代弁者になって国会にあなたの声を届けあなたの願いを実現するから」と。

守田
かっこいい!

倉林
やったあ(爆笑)

守田
ぜひみんなで一緒に勝ちにいきましょう!

倉林
そう。本当にみんなでね。それが楽しいのよ。

守田
今日はありがとうございました!

倉林
こちらこそ!

連載終わり

    みんなで未来を作る選挙を大いに楽しもう!

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明日に向けて(1698)政治をみんなで変えるときが来た!そんな選挙を大いに楽しもう(倉林さんインタビュー3)

2019年06月09日 22時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190609 22:00)

倉林明子さんインタビューの第3回目をお届けします。今回は国会論戦の時の大事なポイントは何かという点にフォーカスしました。


京都の企画「JCP with you」であかたちかこさんと守田で倉林・井上両議員を囲みました 2019年5月26日 

障害者福祉切り捨ての前に立ちはだかって

守田
他にはどんなケースで国民・住民を守ってきたのだろう。

倉林
今期で言うとね。といっても前期からの続きなのだけれど、障害者の施策をめぐる法が相当に改悪されているんだわ。介護保険に合わそうということで。それで「障害者報酬」のことなどを聴き取りしてきたわけね。
障害者サービス提供は公定価格があって報酬単価が決められていてそれが施設や事業所に入る仕組みになっているわけ。病院に診療報酬があるのと同じで事業に対して出ているものなのですよ。「障害者何人あたりこのサービスならなんぼ」という形で。
それが改定されたことによって施設がやっていけなくなっているわけ。(守田注:正式には「障害福祉サービス等報酬」。医療も介護・福祉も市場経済に任さず国がそれぞれの行為への報酬額を決めて繰り返し改定している)。

守田
あ、それよく分かる。予算カットだよね。

倉林
障害・介護・医療のトリプル改悪だったんですよ。2018年から今年は。

守田
僕は経済学者ですでに亡くなられた宇澤弘文先生の研究センターにいたことがあって、先生が「社会的共通資本としての医療」に強い関心を持っておられたので一緒に研究していたのね。
あのころは2年に一回改定される診療報酬をそのたびに読んでいたけど、毎回読みこんでいないと分からなくなってしまう。あれで医療現場がコントロールされているわけだけど、ちゃっちゃか変えられてそのたびに現場が右往左往しているんだよね。

倉林
そう。ちゃっちゃか変えられる。しかもいまね、担当者たちが考えているのは、介護でさんざん予算カットしてきたことに福祉を合わせようということなのね。その矛盾が一番出たのが福祉の施設や事業所だったわけ。
とくに矛盾が集中したのが就労施設。就労支援A型、B型ってあったでしょう?

守田
はいはい。(守田注:就労継続支援A型は、障害や難病のある人が雇用契約を結んで一定の支援がある職場で働くことができる福祉サービス。 就労継続支援B型とは、障害や難病のある人で、年齢や体力などから企業等で雇用契約を結んで働くことが困難な人が、軽作業などの就労訓練を行うことができる福祉サービス)

倉林
A型に営利型企業が参入して、破たんして、障害者を放り出してということが全国で起こって、A型の方はそれで「障害者福祉を利用して悪いことをするものがいる」ということになって対応がなされたのだけれど、逆にB型でまじめにやっているところが食べられなくなっちゃんたんですよ。報酬改定で。

守田
ひどい話だなあ。

倉林
そうなんですよ。まじめにやっているのに施設運営が困難になった。あれは加藤大臣のときに一回質問をやってそのときは障害者の事業所を運営している人たちから本当に喜んでもらえて。

守田
改定を止めてくれたということで?

倉林
いや、何にも止めてないんやで。なんだけど声を、実体を国会に届けてくれたことで喜んでくれた。あとは働き方改革やね。それから年金の改悪。大きい改悪で国会をたくさんの人が包囲してね。 そういう闘いの中で結局悪法は通るじゃないですか。でも終わった後に「本当によく代弁してくれた」「声を届けてくれてありがとう」とかさ。


水道「民営化」との対決など命と人権を守りぬく様々な活動を報告 2019年2月(HPより)

みんなの意見を国会に反映させ議事録に書きこませることがとても大事

守田
たとえ悪法が通ってしまっても、そういう声がちゃんと出せたと言うことで?その場合、条文を削ったりはできるの?一つの法案が通されようとしているときにせめてこの部分は認めないとか。

倉林
それは修正ですね。今、衆院で審議されている「児童虐待防止法」、あれは修文成立ということで合意になったよね。政府が出した法律案があって、野党が対案を出して、すり合わせをやって、野党のものを一部盛り込んで法案がまとまったケースもある。
でも少ないのね。対案とか修正案とか、野党が出すことはあるのだけれど、それで書き換えまでいくというのはなかなか。

守田
なるほどね。数の論理では通されてしまうわけだね。その通されてしまうときに、問題点を明らかにし、当事者の声を反映させ、そのことが少しでもマスコミに流れるようにすることが大事なのかな。

倉林
それもあるけど、やはり国会の議事録に残すと言うことがすごく大切で。次の議論、必ず次の「改正」のときが来るじゃないですか。そのときにどんな議論があったのかがすごく大事なんですよ。
この前もうちの吉良よし子議員が50年前の文部省と共産党のやりとりで「こう答弁しているじゃないか」と議事録を活用してね。

守田
なるほど!そうかあ。すごいなあ。50年前の方と出会ったわけですね。

倉林
そんなこともあるぐらいで、議事録にどんな答弁をしたのかを積んでおくと、その時は通されても、歴史の中で検証することが可能になるわけ。

守田
なるほど!いやいやこういうことをみんなにもっと伝えなければだな!だって今の数の論理では通されちゃうじゃない?多くのものが。

倉林
そう、でもけしてそれだけでは終わらない。先々に生きる議論を積み上げておく。「国会でこんな議論があったのに通したのか」と残すわけね。あるいはこういう問題点について「政府はこういう見解を言っていた」と。
その答弁は踏襲されるんですよ。必ず。だから議事録にどういう議論を残せるのか。何を言わせるか。どこまで問題点を引っ張りだせるか。そこが勝負なの。

守田
すごいね。その中には50年後に生きるものすらあるかもしれない。

倉林
いまは議事録検索ができるようになったからね。どんな議論がなされてきたのかを前よりも調べやすい。今後はもっと活用されるでしょう。


 昨年7月豪雨の際、氾濫寸前の京都の桂川を右京区の共産党府会市会議員とともに視察。こうした調査が論戦の力の源

守田
なるほど本当にここが大事だな。やっぱり国会って外から見ているだけではなかなか分かりにくい。それで「共産党の議員が少し増えたって多数決でやられちゃうんでしょう?」とも思われてもしまうわけね。でもたとえ絶対多数を握られていても・・・。

倉林
反対している国会議員に大きな値打ちがある!

守田
そう。だからそういう議員を一人でも増やすことに、絶対多数をすぐに覆せなくても大きな意義があるわけだね。そのことをもっと広めなくちゃだ。

常に与党になることを意識してきた

守田
なるほどねえ。その場合、答弁に説得力を持たせる点で、京都の共産党の人で倉林さんをよく知る人からこう聞いたのね。
「倉林さんはいつも自分が政権をとったらどうなるのかと考えて発言している。だから反対に説得力がある。いわゆるなんでも反対ではまったくない」と。

倉林
そうですよ!だってね、市会議員時代は幹事長もしていたじゃないですか。それでいつも4年ごとに市長に私たちが信頼する人を推し上げて、政権を獲るつもりでたたかっていたわけですよ。いつでも政権与党にならなくてはと思っていたんですよ。

守田
なるほど。素晴らしい。

倉林
だから行政マンを敵にしてはダメなんですよ。

守田
うーん、そこ。そこですよ。うん。そこそこ(笑)

倉林
いまは市長に言われるから本当は嫌なことでもやっている。ね?でも地方公務員だったらやっぱり市民のためにと思って仕事している。市民に喜んでもらえたら嬉しいんですよ。市民とも直接触れ合うし。
基本的には市民が喜ぶことをしたいんですよ、公務員は。じゃあそのために何ができるのかということで持ち込む。

守田
はいはい。

倉林
だからある意味「あなたの仕事がしやすくなるように応援しているんだ」というスタンスでね。「邪魔をしているのは誰だ」みたいな。

守田
うはははは。すごく良く分かるな。僕が各地の行政の方と原子力災害対策を一緒にやっているときにもそこを大切にするものな。

倉林
だから私、市会議員を辞めてから市役所の幹部のOBの人たちがよく声をかけてくれるんですよ。それも元建設局の方が多いんです。道路建設なんかを担当していた部局でね。
何故かと言うとさんざん議論を重ねて高速道路建設を止めさせたじゃないですか。5本計画があったうち3本は諦めさせた。でもそのときの議論を彼らはきちんと納得してくれていたんですよね。

 
京都の仲間と共に(HPより)

守田
わああ。

倉林
「これは作ったらダメ」「作るのはよくない」とね。そういう議論の中で信頼関係が作れてね。議論の筋を通すこと、道理を踏まえること、そして市民のためにというスタンスを守ることで積み上げてきた信頼関係があるんと違うかな。
だから常に与党になることを意識するというスタンスは私の中に確かにあるな。行政の方たちって明日から仕事を一緒にする仲間じゃないですか。こちらの推す人が市長に通ったら。

守田
その通りです。

倉林
本当のところどういうことをやりたいと思っているのか、どういう考え方で市政に関わりたいのかを心を尽くして話すようにしていたのね。だから「いつ変わっても大丈夫!」という感じでね。

守田
それ本当に大事だよねえ。でも市民運動でも行政交渉となるとしばしば詰問調で責めがちになってしまう。
もちろん時にはそれも必要なのだけれど、でも行政を問い詰めても、多くの場合、前面に出てくる現場の人たちには決定権がない。首長や議会が決めたことをやらざるをえないわけでね。

倉林
わかります。それよくある(笑)。私自身、本当に変わったのはやっぱり本気で私たちが推す市長を登場させよう思ってからよね。それで政権を担う側になった後のことを想像できるようになってからだな。

続く

京都市円山野外音楽堂での集会に参加する倉林さん(HPより)

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明日に向けて(1697)政治をみんなで変えるときが来た!そんな選挙を大いに楽しもう(倉林さんインタビュー2)

2019年06月08日 23時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190608 23:00)

前回に続いて倉林さんインタビュー記事をお届けします。今回は参議院での論戦をよりリアルに知っていただくために、精神保健福祉法「改正」をめぐる攻防をお伝えします。

倉林明子さん(HPより)

人権を守るために大奮闘

倉林
そういえば少し前に「精神保健福祉法」の改正法案というのがあって大揺れしたんですよ。(守田注:正式名称は「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」)
法案を審議するときには、普通、その主旨が説明されるわけですよ。「こういう目的で改正案を作りました」というのがあるわけ。それをね、審議中のあるとき官僚が書き換えて議員会館に持ってきた。
立法目的が途中で変わったんです。ちょっとにわかに信じがたいでしょう?

守田
審議している途中で目的が変わる?

倉林
そうそうそう。その信じがたいことが起こったのがこの事件だったのですよ。朝早く議員たちが来る前に部屋に投函してまわった。私は朝が早いから気が付いたのだけれどね。
でもどうするつもりだったんだと思うね。立法趣旨が途中で変わるなんてひどすぎる。「出し直せ」と言うことじゃないですか。

守田
途中で話が変わるということだものね。それが「これじゃあ通らないぞ」ということで。

倉林
審議の中で気が付いたのでしょう。「津久井やまゆり園」の事件があったでしょう?あれが立法の根拠だったのですよ。

守田
すごく大きな話ですね。

倉林
そう。しかも安倍さんの一言で。

守田
実質的にはどういうことだったの?

倉林
いまの精神保健福祉法で強制的に入院させることができるわけね。「措置入院」というわけだけれど、津久井やまゆり園の事件の犯人の植松氏は措置入院をしていた経験があったのですよ。その後に退院して事件を起こした。
そこに注目して「措置入院を一旦したものには警察が関わって監視ができるようにする」というものでね。

守田
わあ。考え方が最悪だね。障害者抹殺につながっていきかねない。

倉林
そうなんですよ。ぞーっとするでしょう。恐ろしい法律ですよ。

守田
ナチスがちらっと見える。  


くらし・営業・福祉を守った国会レポート 2017年7月(HPより)

倉林
そうそう。ざっくりいうと「措置入院患者に警察が関与して悪いことをしないように退院しても監視できる法律を作れ」と言うことだったわけ。あの事件をきっかけに「精神保健福祉法」を見直せと言う指示がなされて出されてきたのですよ。

守田
なるほど。じゃあ障害者団体の方たちなどが注目していたわけだ。

倉林
それはもうすごく。これは大変なことになると。

守田
こんなことがまかり通れば障害者の人権が大きく切り縮められてしまう。

倉林
そうなの。そうなの。ただでさえ、精神科の入院施設の人権侵害が問題になっているわけじゃないですか。

守田
日本の医療の闇だものね。

倉林
それなのにさらによ。措置入院患者については退院後も監視の対象にすると。「犯罪をするかもしれない」ということで監視せよということなのね。

守田
そうなると退院してきた人たちはみんな犯罪者予備軍にされてしまう。

倉林
そうなの。これはもう二重三重に精神障害者の人権侵害にあたるわけで絶対に許してはあかんと思ったわけですよ。それで議論の中で「立法事実もおかしい」とやっていたら「いやいや」といって立法目的を差し替えて放り込んできたものだから。もうね、頭から火が出るかってぐらい怒ってね。
(守田注:「立法事実」とは、立法的判断の基礎となっている事実のこと。「法律を制定する場合の基礎を形成し、かつその合理性を支える一般的事実、すなわち社会的、経済的、政治的もしくは科学的事実」(芦部信喜、判例時報932号12頁))

守田
そりゃそうやねえ!

倉林
そりゃそうよ!本当にえげつない話やったんですよ。

守田
それはぜひ紹介しないと。その攻防って人権を守るためのリアルな攻防だものね。

倉林
そうでしょ。だから切れたのよ。頭が。

守田
わっはっは。

安倍政権の人権軽視は極めて危険

倉林
精神保健福祉法はたまたま先議になったんですよ。参議院で先に議論をしたわけ。

守田
それはなぜ?

倉林
参議院は衆議院が終わらないと法案がまわってこないじゃないですか。だから隙間ができるときに、じゃあこっちは先に参議院でやってくださいという話が成立したら参議院からやることもたまにあるんです。

守田
じゃあこの場合は参議院で話して世論が喚起されて・・・

倉林
それから衆議院にいくはずだったわけですよ。ところがもう審議中から世論がうわっとなって。それで結局、衆議院で審議に入れなくなってしまって最後は廃案になりました。


参院本会議で精神保健福祉法「改正」断固反対を訴える倉林さん 2017年5月17日(HPより)

守田
なるほど!そうかあ。審議に入れなくしてしまったんだ!
ちなみにさっきナチスがちらっと見えると言ったけど、少し前にBSの海外ドキュメンタリーで『それはホロコーストのリハーサルだった』という番組があってね。ナチスが使ったガス室は実はドイツの精神医学会が開発したことが明らかにされていて。

倉林
そこ、すごくくっついているのよね。精神医学と障害者の人権侵害と。

守田
ドイツの精神医学会が精神障害者をガス室で抹殺することを始めて、ナチスはそれを取り入れて対象をユダヤ人などに拡大したのね。
だからナチスという「極端な思想集団」が始めたことではなくて、近代の医学の考え方の中に、人間を「生産性」で測り、「劣ったものを社会的に養っていくのはマイナスだ」とかいうひどい考えがあったわけなんだよね。

倉林
いまそういう考えが本当に強められようとしていてね。安倍政権はナチスに通ずるところが見えていてすごく危険性を感じるのね。

守田
それこそ杉田水脈議員の「LGBTには生産性がない」なんて発言なんて典型だよね。LGBTの人々への侮辱でもあるけれども同時に人間を生産性で測るところが恐ろしい。

倉林
そうそうそう。そういう意味でね、あの事件をきっかけとして、安倍さんの命令一下でこんな危険な法律案が出されたことに危険性をリアルに実感したよね。こんなことをしようとするのかと。
立法事実は国民の中にないわけよ。精神障害者にももちろんない。安倍さんの考え方でしかないものだった。それに対して厚労大臣が命令一下のもとに短期間に作り上げたものだったわけ。

守田
でもだからこそ人権の観点からまっこうから突っ込まれたら耐えられないものだった。

倉林
だって辻褄が合わないですよ。「精神保健福祉」として積み上げてきたものがあるわけだから。

守田
なるほど。もともともっと人権に配慮した法だったわけだ。

倉林
精神保健福祉だからね。そこで議論と改正を積み上げてきているわけですよ。やはり入院ではなくて地域で暮らしていけるように包括的な福祉に進んでいかなくてはならないと。

守田
犯罪者のように扱ってはならないと。

倉林
それよ!いまは精神病院に入ったら何十年も拘束したりしている。そうなったら出てきても受け皿もないし。結局、障害者の監獄が、自宅軟禁から精神病院に移ったという構図でね。
本当にこの国の精神医療は遅れている。そのことに対する問題意識を私は持っていたから。

守田
さらに酷さを促進すると。

倉林
だって犯罪者扱いでしょう?もう逆行以外のなにものでもないわけですよ。

立法主旨の書き換えのその日に委員会で追究

守田
その立法主旨を差し替えたものがたまたま朝配られたわけだ。

倉林
そう。本質は障害者に対する差別と偏見を助長するような人権侵害法律を安倍さんの主導で作ろうとしたということだったわけです。

守田
それですぐに追及をして、その意味では倉林さんも食い止めたわけね。すごいじゃん。すごく大きいことだな。

倉林
と言っても参議院ではいったんは通ってしまったんですよ。でもあまりにも問題が紛糾したので、衆議院では審議に入れなくなってしまって。
それでそのときの193国会から法案として次の国会、その次と継続審議扱いになっていたのだけれど、結局できないままに衆議院が解散したので廃案になったわけ。

守田
これは分かりやすい攻防だね

倉林
安倍さんの本質が出ているでしょう。おんなじようなことその後もやっていて。

守田
杉田水脈議員の暴言はある意味で安倍さんを代弁するものであったわけだけれど、この法案は安倍さん自身が指令を出したわけだし。

倉林
(その時の資料を見せながら)これこれ。これをもって来られて頭に来てそのまま質問に立って追究したんですよ。原稿もなしにその日のうちに。ひどすぎると思って。  

赤字で示されていたもともとの立方主旨が消されてしまった(倉林さん提供)

守田
へええ。それで阻止した!

倉林
阻止した!ホームページに動画があるんだけど「がーっ」って怒ってやってる(笑)  

守田
見たい!ぜひ見なくちゃ。(笑)

倉林
当時は「ヒスだ」とかいろいろネットで書きこまれたのね。でもそれも含めてけっこう見られていたんだと思う。




当日、厚生労働委員会ですぐに質問に立った倉林さん。塩崎大臣を追及 2017年4月13日( HPより)

守田
これすごく重要なことだものね。植松氏という一個人が犯した罪を同じような病を持っている人がみんな犯しうるかのようなことを言っている。
でも実際には精神障害者よりも「健常者」の方が圧倒的にたくさんの深刻な犯罪を起こしているんだよね。

倉林
そう。精神障害者は犯罪率はずっと低いのよ。それなのに。

守田
そういうことだったのか。なるほど。このケースはまさに倉林さんが人権を守った具体的例だよね。1人の参議院議員が怒ることでこうして悪法が世に出ることを止めることもできる。だから倉林さんの議席が重要。

倉林 そうなんですよ!

守田注:以下は当日の委員会(2017年4月13日)での質疑と、参議院本会議(2017年5月17日)での反対表明。問題点については後者がまとまっている。必見!

精神保健福祉法改定案の趣旨説明「相模原事件」を厚労省削除 「立法事実に関わる」倉林氏 2017年4月13日 厚生労働委員会 倉林明子ホームページより
http://kurabayashi-akiko.jp/report/20170413kourou/

共産党倉林明子さん精神保健福祉法改正に断固反対 参議院本会議 2017年5月17日 https://www.youtube.com/watch?v=kPAg_uWoOAY

続く

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明日に向けて(1696)政治をみんなで変えるときが来た! そんな選挙を大いに楽しもう(倉林さんインタビュー1)

2019年06月08日 11時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190608 11:00)

参議院選挙が迫っています。今回の選挙、僕はようやく政策合意のもと、32の一人区で候補者一本化を決めた市民と野党の共闘を心から応援しています。
同時にこの共闘のために並々ならぬ尽力をしてきた日本共産党を応援し、とくに僕が住んでいる京都で現職参議院議員の倉林明子さんをもう一度国会に送りこみたいと思っています。
もともと倉林さんに共感していてファンだからでもありますが、要請を受けて日本共産党・倉林明子選挙事務所の事務次長にも加わることにしました。(おそらく選挙事務所への党員以外での初めての参加です)

それで早速、東京の参議院会館を訪れて倉林さんにインタビューしてきました。聞きたいことは山ほどありました。例えば倉林さん、僕が一番重視している原発問題で50回を越える質疑を行われています。
しかし今回はあえて「参議院のお仕事」と「野党共闘の意義」にフォーカスしました。選挙をみんなで能動的に担うために参議院という場がどういうところなのか、どんな攻防があるのかをもっと深く知る必要があると思ったからです。
また成立した野党共闘の意義をみんなで何度でも確認したかったからです。

この点ではこのインタビューには、野党共闘のすべての候補の応援にもつながる内容がこもっていると自負しています。というか倉林さんは非常におおらかにその点を語ってくださっています。
だからこのインタビュー、倉林さん以外の民衆の側に立つ候補予定者を応援するすべての方に読んでいただきたいです。


参議院会館の倉林さんの部屋にて 2019年5月25日

しかし一方でここでは倉林さんの魅力のすべてを網羅できていません。その点をもっと知りたい方はぜひ彼女のホームページに掲載されている、生い立ちや看護師から政治家に転身した経緯などを一緒に読んで下さい。
「webまんが アッコ物語」がとくにお勧めです。また国会での原発での質問や今回も触れた消費税をめぐる論戦などを扱った素晴らしい出来栄えのプロモーションビデオもあるのでそちらもご覧になって欲しいです。

倉林明子ホームページ プロフィール
http://kurabayashi-akiko.jp/profile/

日本共産党・倉林明子参院議員プロモーションビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=cBvn1R-lafw

以下、インタビューに移ります。

*****

政治をみんなで変えるときが来た! そんな選挙を大いに楽しもう!
倉林明子さんインタビュー 
2019年5月25日 参議院会館の倉林さんの部屋にて

守田
こんにちは。国会で本当に忙しい中、時間をとってもらってありがとうございます。

倉林
いやあ本当にいまは繁忙期で。国会と地方議会と日程感がぜんぜん違うんですよ。

守田
そうなんだ。

倉林
本会議がなくなったり飛んだり。日程が一つの政治的駆け引きになったりもするし。なんていうところだ。地方議会では考えられへん。

守田
それでだいたいの質問はメッセージで書き送りましたけど。

倉林
なんか怖いわ(笑)

参議院と衆議院はどう違うのか

守田
今回、インタビューの前に考えたのだけれど、普段、人々は参院と衆院の違いをあまり考えてないと思うのね。一応、知ってはいてもそこでの仕事の仕方の違いとか、何が攻防になっているのかとかあまり知られていない。

倉林
そうやね。衆院と参院となんで二つあるのかとかね。

守田
「どうせ参院に来て衆院の決定をひっくり返してもまた衆院でもとに戻ってしまうのでしょう」とかも思われていて。

倉林
予算案とかはそうやけどね。(守田注:他に法案、条約承認、内閣総理大臣の指名)

守田
その辺のことがもう少し伝わった方がいいかなと。野党共闘は大事だけれど、みんな候補をどう統一するのかの方に意識があって、そもそも参議院の仕事はどういうものなのかをもっと知らないと。

倉林
確かに。そうやなあ。衆議院が入り口になるじゃないですか。法案はね。まず衆議院でバーンと審議をやると主な論点が出てくる。そうするとはっきりしたところ、とめられたところ、触れられていない隠れた論点は何なのかということになるわけ。
またそうやって衆議院で議論になると報道されるので世論の反応も出てくる。でも衆議院の時は審議に反応が間に合わない面がある。だから衆院の審議があってそれに世論が反映されて参議院に来るという感じが多いんですよ。

守田
なるほどね。

倉林
だから衆と参が何が違うかと言うと、衆は入り口で論点をはっきりさせ、世論が起こって参でもう一回審議して世論が反映される。ここが大きいかな。二院制のいいところは一回で終わりにならずに国民の声を含めた論議ができるところやね。

守田
でも衆議院の討論ってどこで終わって参議院にまわるんだろう。

倉林
衆議院では基本的には本会議で負託して、委員会で審議して委員会の採決をして本会議で採決した上で参議院に来ると言う流れですよ。

守田
採決まで論点を尽くすと言っても強行されてしまうことがよくあるわけでしょう?  

倉林
あるある。法案によって「これについては審議時間をこれぐらい確保しましょう」とか理事会で全会一致で確認した上で転がすというのが基本なのだけれど、日程がつまってきたリ、はやくあげたいとなると削ってくるわけよね。


倉林明子ホームページトップより

守田
1回の会期でだいたいどれぐらいの法律ができるの?

倉林
今回は5本かな。議員提案も入れると7本ぐらいかな。でも一括法案というのが増えていて一本に8つぐらい入っていてね。だから一括審議も含めて5本から8本ぐらい。
ただしこれ私のいる厚生労働委員会だけですよ。会期にも寄るんですけどね。通常国会の場合だと何十本とかかってきますね。

守田
それを全部、勉強しはる・・・

倉林
そうそうそう。ふふふ。それと法案と法案の間に、必ず一般質問というのを入れるんですよ。厚生労働委員会で。法案、一般、法案、一般というふうに。

守田
それはどういうもの?

倉林
自由なテーマでできるんですよ。社会保障や労働行政に関する質疑ということで。そうでないと法案のことしかできなくなるじゃないですか。このため自由質問できる場を入れ込むわけ。厚生労働委員会は所管も多いので必ず入れようということで。
通常国会の一般質疑でいったら~質疑をまとめてファイリングした封筒がぎっしり詰まっている本棚の前に移動~ここからここまでがこの国会でやったやつで。これが一般でやったやつかな。これは国保、これは年金だ。
それから医師・看護師の働き方問題、これはどこでやったんだったかな?これは生活保護の物価偽装、これも一般質問でやって・・・。だから今期、ここから始まってここまでダーッと。

守田
うわあ~~~。


高浜原発再稼働断念を迫る質問のレポート(HPより)2015年8月

常に幾つかの法案に同時並行で対応

倉林
へへへ。この間、行政監視委員会というのもあって、そこで集落営農の問題を扱って。(守田注:集落営農とは、集落を単位として、農業生産過程の全部又は一部について共同で取り組む組織のこと 農林水産省HPより)。
中山間地のね。これは農業シンポジウムを京都の北部でやったときの宿題をやったの。

守田
なるほど!忙しいなあ。

倉林
わはははは。ハラスメントについては1回、2回。女活はもうちょっと審議せなあかんと思ったんやけど、1回、2回。それから参考人を呼んで。それでもやり切れてないのが多いんだけれどこんな感じで。

守田
すごいねえ。

倉林
これを「198国会でやったよ」と積んでいくわけ。この辺もいれると3年分。

守田
でもこれ一つ一つ勉強するの?知らないこともあるでしょう?その場合は一から?

倉林
そうだねえ~。一応ほら、厚労は3年目なのでだいたい大きい法律、というか年金などの大きい「改正」を通り越してきたので。

守田
その時に勉強してきたわけかな。

倉林
そう。そのときだね。それに25年の京都府議会、京都市議会、国会とすごしてきて経験の蓄積がそれなりにあるからまったく一からでもないのだけれど。
先週だったら月曜日が行政監視委員会ね、農業をやって、火曜日は統計不正の問題。それの集中審議をやって。それで水曜日は本会議。この時は出番はなかったけれど。

木曜日には女活法の参考人質疑をやって。「女活法」ってすごくいやらしい名前だけどねえ。そのあとに本会議があって私が出て質問せなあかんかったんやけど、最初に話したように急に延びて来週の水曜日になって。
それで質問の準備をどうするのかというと、金曜日に「こんな質問をするよ」と通告するわけですよ。来週分をね。

守田
すごい連続だ!

倉林
その通告のための準備をして、他と並行なのだけれど、ここのスタッフで質問内容の集団検討を前日朝にはやるのでそこまでに原稿をあげて。それでみんなで検討してもらって昼以降に通告を出すわけ。
それが連ちゃんになったりするじゃないですか。そうするとこの作業を幾つかいっぺんにやるわけですよ。今週だったら障害者雇用の法律のことも入ってきて最初の代表質問をすることになったので、農業についてやりながら障害者雇用のことをやって女活法も。

守田
わあ。ははは。もう笑えてしまう。とにかく並行してやらないと。

倉林
そう。並行してやるしかなくてね。ここで参考人質問が入ってとこんなことで順繰り、順繰りにね、やっていくという感じで。

守田
うーん。これ、ぶっちゃけさあ、他党含めてね、どれぐらいの議員さんがこれだけのことをちゃんとやれてるんやろう。めっちゃ大変やん。これ。

倉林
大変・・・。一人会派は維新と私と無所属の人で、ここはずっとやらなくちゃならないわけですよ。

守田
あとの大きいところはもっと分担しているわけか。

倉林
分担したり、与党は「もういいや」と言ってやめちゃったりもするし。自分の質問時間を吐き出して野党にやってもらったらいいと。
それも駆け引きの一つなんだけどね。審議時間を短くして早く上げたいとか。自分たちは提案までに関わってきているのでね。  


守田
これ、他の共産党の参院の人たちと一つ一つ協議することとかできないのでしょう?

倉林
できないですよ。テレビで流れる予算委員会とか代表質問は集団で検討してもらえるのだけれど、委員会の一本一本は個人責任です。

守田
それが共産党の見解になるわけでしょう?

倉林
そうなの。法律での国会論戦は地方議会でも使われもするじゃないですか。もちろん法案についてどんな態度で臨むか、党の中で検討前に衆参の委員会単位で部会を作ってどうするか決めて臨むんですよ。
でもそのあとから出てくる論点とかを含めて私が対応していくことになるんです。


若者たちと談笑する倉林さん(HPより)

一番大事なのは現場の声に耳を傾けること

倉林
それを質問にしたてないといけないじゃないですか。いかに市民の声や生活、起こっている出来事なんかを含めて「だから反対」ともっていくか。
そこで聞いている側に共感を得られないといけないじゃない?独りよがりで言っているだけでは説得力を持たないしね。リアルな声をどうやって集めるのか。

守田
それによって違ってくるわけだ。

倉林
そう。それをどうやって拾って論戦に生かして議事録をきちっと残せるかがとても大事。それでレクをしてもらったり、当事者の声を聞いたり、そういう時間もいっぱい必要になってくるんです。
厚生労働省に聞くだけじゃなくて、各団体にも聴くし院内集会もたくさん開かれるし。  


守田
なるほどねえ。それでどんどん判断していくわけだね。でもそれって怖いよね。間違って判断してしまうこともありえるわけだし。

倉林
ああ、もう怖い怖い。責任重大!でも判断するときに自信を与えてくれるのはやはりそこに声があるということなんですよ。実体がある。
事実として出ているリアルな要求が法に照らしてどうなのか、憲法に照らしてどうなのかの物差しさえはっきりしていれば大きな間違いには絶対にならないと思っていて。

守田
それで現場の声を重要視しているわけやね。

倉林
そうそう。

守田
この予定表にあるのは、今度の日曜日の京都の集会だよね。いつ来ていつ戻るの?

倉林
土曜の夜行って、日曜の夜に戻らないと。火曜日に質問でその準備があるから。

守田
休みないじゃん!

倉林
そうなの!

守田
うーん、うーん、なるほどねえ。

倉林
強制労働委員会だ~なんて。

(爆笑)


舞鶴で紙智子参議院議員、原田完府議と共に漁業者と懇談 2018128日(HPより)

初めは本当に苦労した・・・いまも大変だけれど・・・。

守田
そっかあ。そういう活動を6年重ねてきて、どれぐらいで慣れたというか、ペースをつかんだのかな。

倉林
あー。そうやねえ。経済産業委員会のときは・・・

守田
最初はその委員会だったわけね。

倉林
そうなんだけど分野が経済でしょう。あと原発でしょう。本当に苦労した。法案も。

守田
どういうふうに苦労したの?

倉林
ようは、リアル感ということで言うとね。まあ原発はまだしもなのだけれど、経済の規制緩和に関する法律がバーンと出てくる。そういうものがどう暮らしや中小企業とか事業者のところに影響が出ていくのかを落とし込んでいくことがすごく大変で。
そもそも法を読むことが大変だしいま加わっている厚生労働委員会は暮らしに密着しているので分かりやすいのだけれど、経済産業委員会のときは・・・。例えば特許法とかさ!

守田
特許法ねえ。

倉林
ね?特許法とか、法律のたてつけがどうなっていているのか。いわゆる枠組みや骨子、まあルールよね。それがどうなっているのか、実際にそのルールが効いているのかとか。 多くは大企業が使いやすいように流し込んできているのだけれども、そこがどうなのか。

守田
つまりどこが悪いのか。

倉林
そうそう。この法律のどこに悪さがあるのかを明らかにしようとするのだけれど、法律そのものが複雑なのよ。それで経済産業のときは、法律そのものを勉強するためにとっても時間がかかったし。
うーん。それに対して質問に組み立てていかなくてはならないわけで、1年目のときは「これ6年なんてとってもやれそうにないな」と思ったくらい。本当に。泣きを入れたくなるくらいやった。ははは。

守田
お疲れさまでした!

倉林
本当に!

守田
今回、倉林さんをもう一度参院へというときの理由としてあげるべきことは一つはそこだな。6年間で培ったすごい経験を絶対に生かさないと。

倉林
そうよねえ。未だに慣れたと思ってないしドキドキハラハラ感でやっているんやけどね。

守田
でも積み上げてきたものがあるでしょう?慣れというのではなくて。

倉林
そうやね。経験は積んだね!ははは。私だってこの道のプロとしてこの仕事に入ってきたわけではないわけよね。国民の代表として送ってもらっているのでそういう点で一から勉強してきたものもあるな。

続く 


厚生労働分野での奮闘をレポート 2018年1月(HPより)

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明日に向けて(1695)だれもが自分らしく暮らせる明日へ(参院選に向けて市民連合の要望書に5野党・会派が署名!)

2019年06月07日 21時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190607 21:00)

● 安倍政治との対決に向けて画期的な共闘が成立!

5月29日に安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合が提出した要望書に5野党・会派の代表が署名し、参議院選をともに闘う合意がなされました。画期的です。 署名したのは立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党、社会保障を立て直す国民会議です。

13項目は概略次のようなことです。1,憲法9条を守る、2,安保法制や共謀罪法などを廃する、3,防衛予算を減らして他の政策に振り向ける、4,辺野古基地建設を中止し沖縄県民の人権を守る、5,東アジアの平和のために努力する、6,原発ゼロを実現する、7,行政による情報ねつ造をただし偽造データによる法律を廃止する、8,消費税値上げを中止する、9,保育・教育・雇用予算を拡大する、10,最低賃金1500円を実現する、11,LGBTsや女性差別を解消する、12,森友・加計・スーダン疑惑を究明し内閣人事局のあり方を再検討する、13,報道の自由を守る。(詳しくは末尾の合意文章全文を参照してください)


野党共闘調印後にみんなで写真撮影 しんぶん赤旗2019年5月30日

● 市民が主役となって共闘を形成

この合意が画期的なのは、5野党・会派のトップ会談などで成り立ったのではなく、原発再稼働や辺野古基地建設反対運動の中で高まってきた「野党は共闘」という声のもとに成立したことです。
各地の市民が奮闘している諸課題を市民連合のみなさんがまとめて提案し、それに5野党・会派代表が署名したことです。市民主導で野党の共闘が成り立ったのです。こういった共闘の成立はこの国の歴史の中で初めてではないかと思います。

今回の参院選、このもとに闘われます。みなさん。ぜひこの共闘のもとでの議席の獲得に向け、大きく手を取り合って頑張りましょう!選挙運動の中で共闘の輪をさらに豊かに、大きく、広げていきましょう。
僕はさらにここに他の野党や自民・公明を支持している人々の参加も呼びかけたいです。なぜなら保守の方たちの中にも平和を愛しているたくさんの方がおられることを知っているからです。

沖縄が市民と野党の共闘をけん引した!
カチャーシーを踊り当選を喜ぶ玉城デニーさんら2018年9月30日撮影 論座2018年10月8日

● 合意内容をさらに豊かに広げよう

同時にこの項目の中にまだ入っていない大切な問題が幾つかあります。僕が思うのは一つに福島原発事故で飛び出した放射能による被曝をもっと深刻な問題としてとらえ、被曝防護を促進することです。
二つに軍隊「慰安婦」問題=旧日本軍性奴隷問題や「韓国元徴用工問題」など、アジア侵略の中で行われてきた負の歴史の真っ当な清算を行うことです。

しかしある意味では足りないものがあって当然。やっと13項目もの合意を作れたのですから、その意義をみんなで温める中でさらに豊かに発展させていきましょう。 そのためにも今度の参院選、みんなで団結して頑張りましょう!僕自身、全力をふりしぼって頑張ります!

韓国ソウルの韓国大法院で、判決を受けて手を上げる元徴用工・挺身隊訴訟の原告団 APF2018年11月29日

以下、合意内容全文をご紹介します。

*****

だれもが自分らしく暮らせる明日へ

1 安倍政権が進めようとしている憲法「改定」とりわけ第9条「改定」に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くすこと。

2 安保法制、共謀罪法など安倍政権が成立させた立憲主義に反する諸法律を廃止すること。

3 膨張する防衛予算、防衛装備について憲法9条の理念に照らして精査し、国民生活の安全という観点から他の政策の財源に振り向けること。

4 沖縄県名護市辺野古における新基地建設を直ちに中止し、環境の回復を行うこと。さらに、普天間基地の早期返還を実現し、撤去を進めること。日米地位協定を改定し、沖縄県民の人権を守ること。また、国の補助金を使った沖縄県下の自治体に対する

操作、分断を止めること。

5 東アジアにおける平和の創出と非核化の推進のために努力し、日朝平壌宣言に基づき北朝鮮との国交正常化、拉致問題解決、核・ミサイル開発阻止に向けた対話を再開すること。

6 福島第一原発事故の検証や、実効性のある避難計画の策定、地元合意などのないままの原発再稼働を認めず、再生可能エネルギーを中心とした新しいエネルギー政策の確立と地域社会再生により、原発ゼロ実現を目指すこと。

7 毎月勤労統計調査の虚偽など、行政における情報の操作、捏造(ねつぞう)の全体像を究明するとともに、高度プロフェッショナル制度など虚偽のデータに基づいて作られた法律を廃止すること。

8 2019年10月に予定されている消費税率引き上げを中止し、所得、資産、法人の各分野における総合的な税制の公平化を図ること。

9 この国のすべての子ども、若者が、健やかに育ち、学び、働くことを可能とするための保育、教育、雇用に関する予算を飛躍的に拡充すること。

10 地域間の大きな格差を是正しつつ最低賃金「1500円」を目指し、8時間働けば暮らせる働くルールを実現し、生活を底上げする経済、社会保障政策を確立し、貧困・格差を解消すること。また、これから家族を形成しようとする若い人々が安心し

て生活できるように公営住宅を拡充すること。

11 LGBTsに対する差別解消施策、女性に対する雇用差別や賃金格差を撤廃し、選択的夫婦別姓や議員間男女同数化(パリテ)を実現すること。

12 森友学園・加計学園及び南スーダン日報隠蔽(いんぺい)の疑惑を徹底究明し、透明性が高く公平な行政を確立すること。幹部公務員の人事に対する内閣の関与の仕方を点検し、内閣人事局の在り方を再検討すること。

13 国民の知る権利を確保するという観点から、報道の自由を徹底するため、放送事業者の監督を総務省から切り離し、独立行政委員会で行う新たな放送法制を構築すること。

2019年5月29日

私たちは、以上の政策実現のために、参議院選挙での野党勝利に向けて、各党とともに全力で闘います。

安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合

上記要望を受け止め、参議院選挙勝利に向けて、ともに全力で闘います。

立憲民主党代表 枝野幸男

国民民主党代表 玉木雄一郎

日本共産党委員長 志位和夫

社会民主党党首 又市征治

社会保障を立て直す国民会議代表 野田佳彦

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明日に向けて(1694)ラジオ番組で「しえんほう」シネマについてお話します(4日火曜日、11日火曜日午後9時半からオンエア)

2019年06月02日 20時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190602 20:00)

表題にあるように6月4日、11日いずれも火曜日の午後9時半からラジオ番組「こっからパーマカルチャー」に出演します。 大阪中津にて「養生のための衣食(茜染、麻褌、味噌、鉄火味噌など)」を自給する「冨貴工房」を営みながら、各地で暦・養生・手仕事などをテーマにワークショップを開催している冨田貴史さんとご一緒します。
パーソナリティは池田麻矢さん。冨田さんと池田さんとは6月16日に吹田市の「ももの家」で「しえんほうシネマ」という福島原発事故被災者に保養をテーマとした企画も行います。
「しえんほう」とは「子ども被災者支援法」のこと。今回はその宣伝を兼ねて出演させていただきます。

冨田さんは茨城県守谷市の出身。福島原発事故でたくさんの放射能が降ってしまいました。
その自宅の庭から土を採取しました。スコップを入れたとき、子どもの時に無邪気に庭で遊んでいたときのことが蘇ったそうです。
その土を東京の市民放射能測定所に運んで測ったところ、かなり高い値が出てしまいました。しかし放置もできないので持ち帰らねばならず、背中に汚染された土を背負いながら悲しい思いで自宅に帰ったそうです。

僕はこの2月にその守谷市に招かれました。常総生協さんの招待で、安定ヨウ素剤自主配布会に参加し、すでに起こってしまった福島原発からの放射能から身を守ることも含めて、身体を守り方をお話しました。
それで何か冨田さんとの深い縁を感じていたのですが、ラジオの収録が行われた日の朝も、その常総生協さんから僕の『原発からの命の守り方』を生協で扱いたいと連絡をいただき「これはつながってるなあ」と強く感じました。

番組では被曝影響の中で命をつないでいくことに関してけっこう突っ込んだ会話ができたと思っています。
「話しずらい」ことにグッと踏み込んで話せたなと思っています。ぜひ多くのみなさんにお聞きいただきたいです。以下、Facebookの案内ページをご紹介します。

「こっからパーマカルチャー」ゲスト: 守田敏也さん・冨田貴史さん https://www.facebook.com/events/394378807955406/



以下、池田さんが書いてくださった案内を貼り付けておきます。

***

ゆめのたね放送局・関西チャンネルより 毎週火曜日21:30~22:00放送の 「こっからパーマカルチャー」

6月1・2週目は 守田敏也さんと冨田貴史さんのお二人をゲストにお迎えします。

目には見えないけれど私達が影響を受けつづけているもの… 事故から8年たった今も。

災害に遭われた方も、 遭われなかった方も、 同じ人間として  命を健やかに守り、 希望とともに先の世代に継いでいくために 今何をすればいいのでしょう? 具体的にどういうことが助けになるのでしょう?

被災地での体験と保養・避難先での受け入れ活動の両サイドに深く関わってこられたお二人のお話を伺って、インスピレーションを頂きながら みなさんと一緒に考えてみたいと思います。 ここで話されることは放射能問題のみならず、「生き方」や「在り方」そして自分の生を全うするための偉大なヒントが根底に含まれています。2回のシリーズを通してぜひそのあたりを感じ取ってみて下さいね。

※ 放送は各回オンタイム1回限り。再放送、アーカイブはありませんのでどうぞお聴き逃しなく!!!

talk theme

<前編 6月4日(火)21:30?22:00> ・福島第一原子力発電所事故から8年 ・なぜ今あらためて 避難、保養が必要? ・タカさんが原発事故後に体験したこと ・命を落とすケースすらある「心理的バイアス」とは? ・暮らしのヒント by 守田敏也

<後編 6月11日(火)21:30?22:0> ・WHAT’S しえんほう? ………………… ・しえんほうシネマの骨子 ・暮らしのヒント by 冨田貴史 ・内田ボブさんの唄

<番組の聴き方> 21:30になりましたら

①まずこちらをクリック!
http://www.yumenotane.jp/now-playing

②「関西チャンネル」のすぐ下のPlay ボタン をクリックしてください。 (ネットがつながる環境さえあればオンタイムで世界中どこででも、

★PCやスマートフォンで聴くことができます。) 番組へのご感想、質問、応援メッセージはこちらへ。
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守田敏也さんProfile

ジャーナリスト。 同志社大学社会的共通資本研究センター(宇澤弘文教授主宰)の客員フェローなどを経て現在はフリーライター。

京都「被爆2世3世の会」世話人、兵庫県丹波篠山市原子力災害対策検討委員を兼ねる。福島原発事故以降、被爆地【被曝地】を度々訪問。各地で放射線防護と原子力災害対策の講演を行い、丹波篠山市では安定ヨウ素剤の事前配布を実現。ヨーロッパでも度々講

演し、日本からの原発輸出が計画されているトルコに4回訪問。ブログ「明日に向けて」で情報を発信。 著書に物理学者矢ケ崎克馬氏との共著『内部被曝』(岩波ブックレット)、原子力災害対策をまとめた『原子力からの命の守り方』(海象社)がある。

Beの肩書:むずかしく、ときに だましの入った言葉を翻訳。通訳もOK。

冨田貴史さんProfile

手仕事のための作業所を営む。草木染めとみそ作り、大豆畑など。 大阪中津にて「養生のための衣食(茜染、麻褌、味噌、鉄火味噌など)を自給する「冨貴工房」を営みながら、各地でワークショップを開催している。テーマは暦・養生・手仕事など。

保養プロジェクト「海旅Camp」共同代表。2016年からは新潟で行われている保養イベント「風フェス」の運営に関わっている。 著書『わたしにつながるいのちのために』(2006年自主出版)、『春夏秋冬 土用で暮らす』(2016年主婦と生活社・共著)、『いのちのみそ』(2018年冨貴工房)など。

Beの肩書:人が本来持っている「何かをいっしょにつくることから生まれる喜び」を祝う

<Special thanks > ★楽曲提供★ オープニング:『Sol』by Chasqui from 『Oracion』 イベントインフォ エンディング:『パチャママ』by Chasqui from 『Oracion』 エンディング:『人類のうた』by かむあそうトライブス from 『MAXI FOUNDATION』

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明日に向けて(1693)対米へつらい外交の直接の目的は安倍政権の延命、しかし自衛隊の攻撃的な部隊への再編も進行した・・・!

2019年05月29日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190529 23:30)

トランプ大統領が日本でのすべての日程を終えて帰国しました。
安倍首相はいつにもましてひどい対米へつらい外交を続けましたが、マスコミが連日、安倍政権の意図に沿った「歓迎ムード」報道を続け、皇室もてひどく政治利用されて和やかムード演出に使われてしまいました。
今回のトランプ大統領訪日、問題点がたくさんあり、検証が問われます。安倍首相とトランプ大統領が目指したものは何だったのかという点から分析を行ってみました。

● 異例の長期滞在で至れり尽くせりの歓待・・・

まず今回の日程を再確認したいと思います。(首相と大統領の肩書を省略します)

25日、トランプ来日。都内に宿泊。

26日、安倍・トランプが千葉県でゴルフ。 夕方、両国国技館で大相撲千秋楽を観戦。 都内の居酒屋で安倍・トランプが非公式夕食会。

27日、安倍・トランプが皇居で天皇・皇后と会見。 迎賓館で日米首脳会談。 朝鮮による拉致被害者家族と面会。

28日、安倍・トランプが海自護衛艦「かが」に乗船。 自衛官と米兵に訓示。 トランプは米強襲揚陸艦ワスプにも乗船。 帰国。


時事コム 20190522より

安倍首相が狙ったのは外交の連続的失敗を隠しつつ軍拡(解釈改憲)を進めること!

この異例といえる「へつらい外交」で安倍首相が目指したものは何だったのでしょうか。
一番に指摘したいのは「相次ぐ外交の失敗を隠すこと」にあったに違いないという点です。アメリカとの「親密関係」の演出はそのために必要だった。もちろん選挙対策としてもです。
実際には安倍外交は失敗ばかりで、民間の社長なら更迭されても当然です。

一つ目はなんといっても原発輸出計画の総破たん。首相官邸肝いりで進められたこの政策、「トップセールス」とも言われましたが、アメリカ・台湾・ベトナム・リトアニア・トルコ・イギリスと連続して大失敗です。
二つ目に、朝鮮半島での劇的な和平の進展でも蚊帳の外に立ち尽くしている。「条件なしでの対話」へと転換しましたが、朝鮮は見向もしてくれない。拉致問題も解決とは程遠いし韓国との関係までも悪化するばかりです。
三つ目に、ロシアとの領土交渉にも完全に失敗し「北方領土返還」のめども立っていないし、四つ目にそもそもトランプ大統領にTPPから脱退され「復帰を求める」とか言ったものの全くできておらず、二国間交渉を強いられるありさま。


朝日新聞20181218より

理由ははっきりしています。国会をみれば分かるように他者に高圧的で傲慢、都合が悪いことは無視したり嘘でごまかす安倍首相に、外交能力などあるわけがないからです。
海外の要人は忖度などしてくれないし自民党内恐怖政治だって通用しない。だから何一つ成功しない。そもそも人を説得する態度が安倍首相には大きく欠けています。
この失態続きをを隠して生き延びるためのフィーバーが今回のへつらい外交の目的の一つだったのです。

ただ私たちは他者と対話のできない安倍首相が、よりアメリカの軍事体制への傾斜を強めたのが今回のへつらいの結果でもあったことを見ておく必要があります。
その点を明らかにするために、次にトランプ大統領の狙ったものについて分析していきます。


朝鮮に対して対話してはならないと強調する安倍首相 20170429 ロンドンにて 出典不明

トランプ大統領が狙ったのはアメリカ製品の売りつけと日米軍のさらなる一体化だ!

トランプ大統領は安倍首相の狙いに全面協力したわけですが、もちろん大きな見返りが得られるからです。大きなことは三つ。一つは農産物に対する関税を引きさげさせ自国産品をたくさん売り込むこと。
首脳会談後になされた「貿易交渉で大きな進展があった。7月の選挙後を待つ。大きな数字を期待している」とのツイートは支持者向けのアピールでもあったのでしょう。
もう一つは欠陥飛行機であるF35の購入継続の確約をとること。同盟国の多くが購入見直しを始める中で、同機が海に墜落しパイロットも機体も行方不明なのに、なんの文句も言わずに購入継続を表明する日本はアメリカにとって「極上の客」です!

ただ注意が必要なのはF35が欠陥機であることだけが問題ではないことです。むしろF35の導入により自衛隊が「専守防衛」をさらに踏み越えていくことになることが問題なのです。
この点の大きなポイントとして両首脳による自衛隊の護衛艦「かが」への乗船があったことを見ておく必要があります。「かが」はF35改型であるF35Bを載せるために改修中の艦船です。
「かが」は「空母化」を考えて作られたものの戦闘機を発進させるカタパルトがないし甲板の長さも足りない。ところがF35Bは短距離離陸や垂直着陸ができるので使えるのです。トランプ大統領にとってF35Bの絶好の売り込みの場でもあります。


護衛艦「かが」 日経新聞20190528掲載のweb動画より

しかしここには重大な問題が介在しています。日本政府はこれまで「他国への攻撃能力を有する空母保持は憲法違反」と言ってきたからです。「かが」へのF35Bの搭載はこれに反することになる。またしても解釈改憲です。
いやそれはF35そのものに言えることなのです。この機は攻撃力がこれまでのものより格段に高く、他国攻撃可能な巡航ミサイルも搭載できます。「専守防衛」のためとはとても言えな攻撃性を持った兵器なのです。
その点でトランプ大統領の狙いは、F35を多数売りつけて自衛隊の攻撃性を増し、米軍の補完部隊として実戦使用する道を広げることにもあったと言えます。その象徴として「かが」船内で両首脳による米兵・自衛官への演説が行われたのでしょう。


「かが」が改修されることで「日米両国が」より広い領域を守れると強調するトランプ大統領
日経新聞web上動画より

私たちはこの点をこそ批判しなくてはいけません。トランプ訪日でなされたのは、農家を危機に追い込む貿易合意、武器の爆買の継続合意とともに、自衛隊を米軍に差し出すことを前提とした攻撃力の増強=憲法のさらなる骨抜き化でもあったのです。
安倍首相の側から言えば、外交がまともにできないがゆえにこそ、ますますトランプ大統領にすり寄ったとも言えるでしょう。そのために自衛隊の攻撃的な軍への再編がますます進められつつあるのです。
こんなこと、まったくもって許せないし、もっと鋭い暴露を重ねてこの流れをひっくり返さなくてはいけません。さらに分析を続けます・・・。


「かが」で演説するトランプ 東京新聞20190528より

続く

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明日に向けて(1692)安倍首相はトランプ大統領との貿易交渉内容を選挙前に明らかにすべきだ!

2019年05月27日 09時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190527 09:00)

トランプ大統領が来日しています。ゴルフ、大相撲、居酒屋と大接待が続いています。 ここで大変なことが公然と語られました。貿易交渉で安倍首相から大幅な譲歩を引き出したトランプ大統領が「参院選が終わるまで待ってやる」と言ったのです。 あまりといえばあまりにひどい。安倍首相は交渉内容をただちに明らかにして、選挙で信を問うべきです。

● 「夏の参議院選挙が終わるまでは妥結を急がない」の意味するもの

昨日の安倍首相とトランプ大統領の対談についてANNは以下のように報じています。 「トランプ大統領は、懸案の貿易問題で日本に対してアメリカ産の農産品の輸入拡大について確約するよう迫るものとみられます。 トランプ大統領:「きょうは安倍総理大臣と貿易と安全保障などについて話し合った。とても有意義な日だった。あすも同じように実り多い日となるだろう」 日米の貿易交渉について、トランプ大統領は夏の参議院選挙が終わるまでは妥結を急がない意向を示しています。 ただ、選挙の後には日本がアメリカ産の農産品の輸入を大幅に拡大することに期待感を見せていて、27日の首脳会談でも日本側に確約を迫るものとみられます。 一方、北朝鮮を巡っては拉致問題への協力や日朝首脳会談の実現に向けた日本政府の取り組みに理解を示すものとみられます。」

トランプ大統領 農産品の輸入拡大の確約を迫るか ANN 5/27(月) 5:57配信
https://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000155516.html

これどういうことでしょうか。 明らかに日本にとって、とくに日本で農の営みにいそしむ人々とその恩恵を受けている私たちにとって、大変、不利な約束をトランプ大統領が安倍首相に強いているわけです。 しかしその内容が明らかになると安倍首相が選挙で不利になることは目に見えているから「参院選が終わるまで待ってやる」と言っているわけです。 反対に言えば「待ってやるからそれなりのことをしてくれるだろうな」と恫喝していることにもなります。

● 安倍首相は会談内容を選挙前に明らかにすべきだ!

ある意味でこれはトランプ大統領の失言でもあります。だってこれ、植民地宗主国の主の発言のようなものだからです。 「選挙前には明らかにしない!」 つまり選挙までは国民を欺いていて、その後に日本に不利なことを通せとぬけぬけと語っているからです。 そもそも日本にとっても喜ばしいことなら安倍首相の方から選挙前に明らかにするはずです。
もしかするとこれはトランプ流交渉術なのかもしれません。「選挙前に言われたくないだろう?」と貸しを作り、それをあらかじめ公言してしまうことで、日本政府を逃れられない状況に追い込んでいこうというのかも。


しかしこれ、日本の政治家とマスコミへの重大な挑戦です。ものすごい侮辱でもあります。 明らかにトランプ大統領は交渉に選挙を使っている。いや常に外交交渉では相手の国の状況を「利用」はするでしょう。しかしここまで露骨に言うことなどそうあることではありません。 もやはこうなったら安倍首相はトランプ大統領に迫られている内容を選挙前に明らかにすべきです。野党とマスコミも「交渉内容を明らかにせよ」と追及して欲しい。だってトランプ大統領がこれだけ憶測可能な形でリークしているのですから。

いや野党だけではない。与党のみなさんにだってこれはあまりに侮辱的な行為なのではないでしょうか。「アメリカに都合のいいことを選挙が終わってからやれ」と言われているのですから。ぜひこの点を与党からも首相に問うていただきたいです。 こんなことを「はいはい」と聞くのであればそれはもう植民地そのものです。与党は植民地に据えられた操り人形でしかなくなってしまう。あまりにも屈辱的ではないでしょうか。 「慰安婦」問題や韓国元徴用工問題などではあんなに傲慢な対応をとるのに、アメリカに対してはここまで平身低頭していく。「恥ずかしくありませんか」「そんなことは嫌ではありませんか」と与党の方たちに問いたいです。

続く

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明日に向けて(1691)原発から命を守るために―7 安倍政権の原発輸出路線が完全に行き詰った!(「ようとく」用12月原稿から)

2019年05月17日 08時00分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190517 08:00)

京都市左京区養徳地区で配られている月刊紙『ようとく』に連載中の「原発から命を守るために」の7回目をお届けします。昨年12月に原発輸出のとん挫が明らかになった時に書いた原稿です。 この後半で僕は「輸出のとん挫は安倍政権の終わりの始まり」と書きました。いま考えてみてやはりそうだと思います。みなさん、アベノミクスはボロボロで何一つ成功してない!だからいま、頑張りましょう!驕る平家は久しからず!

● トルコとイギリスへの原発輸出がとん挫

連載7回目を迎えた12月、喜ばしい報告が続けて入ってきました。 一つは日本政府と三菱重工がフランスの旧アレバ社と組んで行おうとしていたトルコ・シノップへの原発輸出が断念されたこと、もう一つは同じく日本政府と日立製作所が行おうとしていたイギリスのアングルシー島への原発輸出が断念されたことです。 理由はどちらも建設費が高騰して採算が合わなくなったこと。福島原発事故後に私たち日本の民衆を先頭に世界中で原発に反対する運動が高揚したため、安全対策を強化せざるを得なかったものの、それでもう採算割れに至ってしまったのです。 その意味でこれは私たち民衆の頑張りの結果です。私たち民衆が勝ったのです!


朝日新聞 2018年12月18日記事より


● アベノミクスの柱の一つが完全に折れた

同時に原発輸出のとん挫は安倍政権の終わりの始まりであることも捉えておきましょう。なぜかと言えば安倍首相が自らの経済成長戦略の大きな柱の一つとしてきた原発輸出計画が完全に行き詰ってしまったのだからです。 トルコ、イギリスでのことだけではありません。その前にリトアニア、台湾、ベトナム、アメリカと次々と原発輸出路線は暗礁に乗り上げていたのでした。 だからいま、私たちがより大きな声をあげれば、海外に輸出などとてもできない原発を、国内でもすべて止めていく展望も生まれるし、横暴を極める安倍政権を倒すことだってきっとできます。頑張りましょう!


アベノミクスの柱が折れたことを報じるテレビニュース ANN

続く

なお明日18日に舞鶴市で講演します。 詳しくは以下をご覧ください。

明日に向けて(1689)原発は地震に対して極めて脆弱。すぐに停めるべきだ!(18日舞鶴市でお話します) https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/15be82a7a3f36fc8d91414f08dbaeb12 https://toshikyoto.com/press/3266

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明日に向けて(1690)いまこそ被曝の危険性を捉え返そう!(6月1日に高槻市でお話します)

2019年05月16日 23時30分00秒 | 明日に向けて(1501~1700)

守田です(20190516 23:30)

6月1日(土)に高槻市でお話します。高槻市民放射能測定所6周年の集いにおいてです。午後2時から高槻市上牧の本澄寺本堂にてです。測定室を抱えてくれているお寺さんです! タイトルは「フクイチ8年の今、脱原発の課題」ですが「いま一番話したいことを話してください」と言ってくださったので福島原発事故から8年を踏まえ、かつ脱原発を進める上での最も重要な課題である被曝防護についてお話しようと思います。 今回はお話することの要点を述べたいと思います。

● 原発ゼロへの道をさらに進むために被曝と立ち向かおう!

福島の事故からの8年間でこの国の中では脱原発運動がとても大きく進みました。事故前に54基あった商業用原発は現在33基にまで激減。すでに21基を廃炉に追い込んでいます。(福島原発事故前から数えると24基) これとは別にもんじゅの廃炉も決まり「核燃料リサイクル」の道も完全に閉ざされました。原発産業の生き残りをかけてきた原発輸出政策も全部破産。私たちは確実に「原発ゼロ」への道を歩んでいます。 ただしまだ9基の原発が動いていて大事故の可能性があるし、他にも再稼働が狙われてもいるので楽観していいわけではありませんが、私たちは自分たちの力を信じつつ、さらに加速度をつけて歩んでいきましょう。

そのために必要なのは僕は放射線防護の観点をもう一度きちんと広げていくこと。放射線被曝をめぐる数々の嘘をきちんと解き明かし、反論し、打ち破っていくことだと思っています。 二つの理由があります。一つには原発だけでなく核兵器廃絶の道をもっと進む必要があること。他方で今後廃炉作業と向き合い、使用済み核燃料をはじめとした膨大な放射性廃棄物と向かい合っていかなければならないからです。 その点で被曝との対峙はまだまだ続きます。いま生きている私たちの世代が誰もいなくなってもずっと続きます。申し訳ないことながら人類は長きにわたって放射性廃棄物と向き合っていかなくてはならない。

その際、安全管理のために最も大事なのは、放射線被曝の危険性をきちんと把握することです。それは未来世代への責任をかけた行いでもあります。 しかしいま「被曝はどれぐらい危険なのか」という点について、社会的にはものすごく大きな開きがあり、脱原発を唱える民衆の間ですら違いがあります。 なぜそうなのかの考察を6月1日は話しの中心にすえたいと思います。被曝影響から目をそらさせるために作られた文科省発行の『放射線副読本』なども見すえてです。


「原子力発電所の現状」20190315 経産省資源エネルギー庁HPより これだと稼働なのうなのは36基になるが未完成ないし未稼働の大間・東通・島根3号が入っているため。

● 被曝影響を捉える上で一番大事なのは原爆被害から考えることだ!

ここでポイントとなることを書いておきます。被曝影響について社会的見解が大きく分かれているのはなぜか。答えは核エネルギーの使用が原爆から始まっていること、放射線と人体の影響の考察もそこから始まっていることの中にあります。 民間人の大量虐殺という明らかなる戦争犯罪の中で「放射線と人体」の影響の研究は進んできました。原爆を落とした加害者であるアメリカが被害者である被爆者を調べたことがデータの基礎になっています。 このことの中にたくさんの大事な点が含まれています。本来こんな調査はあってはならないものだったからです。加害者が戦争犯罪のもとの加害事実を誠実に記すことなどあり得えない。むしろ調査は加害行為の隠ぺいを目的にしていたのでした。

テクニックは割とシンプルです。爆心地にいた人々が大量の放射線で急性障害を起こして亡くなったことは否定できないので、この被曝は認め、それ以外の被曝被害をほとんど認めないことでした。 より詳しく言うと原爆が破裂した時に中性子線とガンマー線が激しく飛び出しましたが、これらが1分以内に地表に到達したものを「初期放射線」と呼び、これに多くの人々が「外部被曝」させられたことは認めたのです。 しかしアメリカはこの放射線の影響を「半径2キロ圏までだった」と言い張りました。2キロ以遠の人々を調査せず、被害事実を無視して記録しなかったことによってでした。

実はこれが「被曝量100ミリシーベルト以下では放射線障害は確認されない」という説の根拠にもなっています。初期放射線の量は爆心地からの距離に反比例して少なくなりますが2キロ弱、正確には1.9キロで100ミリシーベルトが記録されていたからです。 アメリカはこれ以外に「残留放射線」の影響も認めています。中性子があたった土などが放射性物質に変わり、放射線を出すようになったからです。これからも外部被曝がもたらされました。 これ以外に原爆によって生じた死の灰=放射性物質が降下した影響が甚大だったわけですが、アメリカはその影響をまったく認めませんでした。半径2キロ以内の外部被曝を認める代わりに内部被曝による被害を一切無視したのです。


「放射線の影響について」と題されて厚生省のHPに載せられている図。被曝を外部被曝に限定し距離で大きさを捉えている。ただし多くの問題をはらんでいたため一部の文言がその後に削除された。

なおこの図に関しては以上の記事により詳しく説明を書いています。ご参照ください。
明日に向けて(1322)内部被ばくを無視したICRPと政府は被ばく被害を過小評価している(東京シンポ発言より)下
https://blog.goo.ne.jp/tomorrow_2011/e/65ec8887a9895adaed4ce7db060b4869

● 核戦略のために被害を隠したアメリカから真の意味での独立を勝ち取ろう!

アメリカはなぜ内部被曝を無視することで、被曝影響を小さく見積もったのでしょうか。先にも述べたように加害事実をできるだけ小さく見せるためでしたがより大きな目的がありました。 アメリカ国民を含む全世界の人々に被曝を強要し、核戦略を受け入れさせるためだったのです。核戦争を進めるためはたくさんの死の灰を降らせる核実験が必要だったからです。 さらにアメリカは核戦争にアメリカ国民を動員するためにも被曝被害を隠し、核攻撃を受けたら「ダック&カバー」=丸くなって頭を引っ込め手でカバーすることで防げると指導しました。被害を隠すことで核戦争への国民協力を作りだしていたのです。

私たちが捉えなければならないのは第二次世界大戦以降、アメリカが嘘を重ねて全世界の民衆を騙し続けてきたことです。もちろん旧ソ連も同じでした。核を使うことに対し実は東西対立はなかったのです。 私たちはこの大いなる騙しから脱却しなければなりません。そのために今一度、原爆被害に立ち戻り、内部被曝による何十年にもわたる命への圧迫、世代を越えた苦しみの強要のすべてを解き明かし、世界に告発しなければなりません。 これは戦後にアメリカに占領され、いまなお一部で占領を続けられている日本の民が、本当の意味での独立と自立をかけてすすめるべきことがらです。

核をめぐる問題の根っこにあるのはこのことです!私たちは核の戦後を捉え返さないといけない。 全土を爆撃され、沖縄に地上戦をしかけられ、二つの原爆を落とされたアメリカに、常に追随し続け、そうして朝鮮戦争でしこたま儲けて復興し、ベトナム戦争でしこたま儲けて高度経済成長を実現してきた情けない歴史を越えないといけない。 そのためにもアメリカが作りだし、日本政府が長年にわたって担ってきた放射能をめぐるウソをひっくり返す必要があります。6月1日にお話したいポイントはここにあります。


「カメのようにうずくまり頭を抱えれば核攻撃を凌げる」とアメリカ国民をも騙した・・・。
Source: Federal Civil Defense Administration [1951] 2005.  

続く

 

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