滋賀県犬上郡豊郷町吉田の酒蔵 『岡村本家』 に行ってきました。
予約なしで訪問したのですが、快く酒蔵見学を受け入れて頂きました。
創業が安政元年(1854)彦根の井伊藩から酒造りを命じられ、今も変らぬ伝統の技で
日本酒を醸している蔵です。
銘柄の「金亀」という名は、彦根城を別名「金亀城」ということから名付けられたそうです。
暖簾を潜ったら、蔵の中はひんやりとした空気と吟醸香に包まれ、神聖な雰囲気が漂っていました。
まず天井の木の梁にビックリ、太い丸太が何本も並んでいます。
靴底の消毒をして、醸造蔵の中に入れていただきました。
まず、見せて貰ったのは麹室。
(雑菌が入るといけないので一般にはなかなか見せてもらえないところ)
作業は行われていませんでしたが、映像で見たことがある白い台がありました。
杜氏さんが麹菌を混ぜるところで、作業は35度の温度の中で行われるそうです。
甑(こしき)と呼ばれる、大きな圧力鍋のような釜、これでお酒を仕込む米を蒸しあげます。
それから ひんやりとした仕込み蔵の中へ。
桶の中をそっと覗くと、米が発酵中。
だんだんお酒に変わろうとしているところで、プクプク呼吸しています。
とっても いい匂いです。
この蔵の特徴、蔵のテイストを引き出す 昔ながらの 「木艚袋搾り」 について説明して
頂きました。
岡村本家のHPを引用させていただきます。 ↓
岡村本家のこだわり 手造りで行う、昔ながらの木艚袋搾り
お酒の発酵が進むといよいよ搾りになります。当蔵では、1枚ずつ袋に入れて搾る
「木艚袋搾り(きぶねふくろしぼり)」を行っております。
これは、先代の能登杜氏の畳伸一氏が、「大変な作業だが、お酒に優しい搾り機なので
残すべきである」と現杜氏、園田睦雄杜氏が伝承し今尚使い続けております。
2日間3回の袋の移動が必要で効率は悪い、重労働な反面、お酒に優しく搾りすぎない
ため、お酒の品質の良さはもちろん、酒粕も多くのお酒を含んでおります。
発酵した米(もろみ)を長細い袋に入れて、木艚(きぶね)と言われる木の箱に敷き詰めて
プレスを掛け搾ります。
船の底に出口があってそこから搾りたてのお酒が出てきます。
ここから出てすぐ瓶詰めしたものがふなくちと呼ばれます。
木艚はふたつありました。
木製というのがいいですね~
蔵の空気や木の香りなども含め 「金亀」 の味になっているんでしょうね。
もっと贅沢な吊るし搾りなどもやっているそうです。
米がたくさん積んでありました。 地元の近江米だそうです。
蔵の見学のあと、二階の酒蔵資料館も見学させていただきました。
二階に上がると、木組みに圧倒 ここは柱が剥き出し 木造建築の展示館という感じ。
これほどの大きな木造建築は、明治村の武道館か、岐阜の歌舞伎舞台に匹敵するほどの
とても貴重な建物だと思います。
酒造りに使用する道具の展示や、「金亀」にちなみ、亀の郷土人形や美術品など、亀づくしの
コレクションもありました。
2階だけでもかなり見る物があります。
建物の真ん中は吹き抜けになっていて下が覗けます。
天井には荷物を揚げ降ろしするための大きな車が付いていました。
少し不気味な コナンのトリックに出てきそうな車でした。
これで、終わりかと思ったら次に案内されたのが、別棟(蔵)の2階。(次の写真のところ)
昔は蔵でしたが、今は畳が敷かれ講堂という感じ、よく見ると奥にはグランドピアノが。。。
ここでは、ジャズ演奏など音楽のイベントが催されるそうで、過去には渡辺貞夫さんが
来演したことがあるそうです。
おみやげに 金亀白80生原酒 と 茶70生原酒を購入。
今までいろいろな酒蔵見学をして来ましたが、金亀さんで初めて麹室内部や、発酵中
の樽、珍しい木艚などを見せていただき、いろいろ質問などにもお答えいただき、とても
有意義な見学でした。
「金亀」さん ありがとうございました。