ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『風の靴』

2009-10-24 15:28:21 | 息子が一人で読んだ本

『風の靴』 朽木祥

最近は、学校の「読書の時間」が、唯一の読書時間の息子。
その時間すら、すぐに削られてしまうのだと、息子が、不満気に教えてくれました。
運よく、「読書の時間」のままだったとしても、女の子達の談笑がうるさくて、集中できないのだと、
これまた不満気に・・・。担任の先生がいるにも関わらず。困ったもんです。
だって、部活にテストにと、忙しすぎる中学生。
この間、中間テストが終わったと思ったら、一週間後に文化祭。その一週間後に新人戦。
その2週間後に期末テストですって!
「読書の時間」がなければ、本を開く余裕がないのです。先生、御願いしますよー。

「読書の時間」。ずっと、ランサム全集を読んでいた息子でしたが、夏休みに買った本が、
一冊、読み終わらなかったので、2学期は、その本からはじめることになりました。
最初は、ランサムを読み進めたいと、口をとがらせていた息子でしたが、「せっかく夏用に
買ったんだから~」の母の言葉に、しぶしぶ持って行ったのです。

ある日のこと。急に、部活が休みになり、母の帰宅が間に合わなかったことがありました。
と、玄関の前に座り込んで、本を読んでいる息子が。

「あれれ。ごめんねー。」
「いいよ。本読んでたから、あっという間だった。」
「読書用の本は、重いから、学校に置きっぱなしにしておくんじゃなかったの?」
「そうなんだけどさ。この本、あんまり面白いから、やめられなくて持って帰ってきたんだ。」
「!!!」

その言葉通り、二学期がはじまって、たった1週間で読んでしまった『風の靴』。
最後まで、面白くて、面白くて、仕方がなかったそうです。
母の中では、「ビーバー族・・・」の次!だったのだけれど、と、息子に聞いてみたら、
「面白い本は、どっちが、面白いかなんて比べられないよ。」なのだそうです。
どっちも、最高に面白い!それで、いいじゃないと。

はー。その通り。・・・・・・・・・一本とられました。


そんなことがあった後、友だち家族とデイキャンプをしたときに、突然、猫じゃらしを
火にかざし始めた息子。
そうです。あれです。猫じゃらしを食べるシーン
始めは、全部、焦がしてしまっていた息子でしたが、なんと、なんと!すぐに、上手に
ポップコーンに仕上げられるように。
一つ作ってもらったのだけれど、ほんとーに、白くて、ポップコーンみたいなの。
(小さすぎて、全く、味はわかりませんでしたが)
本を読んだことのない友達も、あっという間にまきこんで、みんなで、猫じゃらし祭り
そのうちに、「これを『猫ポーン』という名前にしよう!」と、勝手に命名。
さらに、盛り上がっていました

友だちのお父さんは、笑い顔・呆れ顔で、
「おたくの息子、あんなに、猫じゃらし食べて大丈夫なの?だいたい、猫ポーンって、
猫ポップコーンの間違えだろ。」と
でもね、大丈夫。息子も友だちも、お腹をこわすことはありませんでした。
で、家に帰ってから、猫ポーンのことを聞いたら、

「いやだなあ。猫ポップとか、猫ポップコーンじゃ、ひねりがないでしょ。
全部から、少しずつ名前を借りて、新しい名前を作るから、いいんじゃないの。」

ですって。
はあ。またまた、大人は、一本とられました。
そして、友だちのお母さんからは、「その『風の靴』って本、貸して」のリクエストも、もらいました。
いつも、意図せずに、本の宣伝大使の息子くんなのです。


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8 コメント

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Unknown (ぱせり)
2009-10-25 10:01:33
猫ポーン、すてきな名前。わたしもそう呼ばせてもらおうっと♪
でも、これ、難しいですよね。すぐ燃えちゃうし。なかなかうまい具合にポップコーンにならないんですよね。
初めてちょこっと白いふわふわが出たのを見たときはとっても感動しました。ほんとにできたよ。ほんとに食べられるよ。ッて感じで。
すぐ上手になった息子くんは、さすがアウトドアマン!すごいです!

玄関の前で本を読んで待っていた息子君の姿、なんだかいいですね。すてきな光景ですね。ごめんね、も、もちろんあるんだけれど、ちょっと目に焼き付けておきたい場面です。

「風の靴」自体、とってもすてきな本だけれど、この本をめぐって、すてきな話をあちこちで聞いて、知って、ますますこの本が大好きになっています。
本もいいけど、本の周辺もすてきな、ほんとに魅力的な本ですね。
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Unknown (jasumin)
2009-10-26 14:29:40
息子君は、いつも本に影響を受ける様が微笑ましく
おばさんはとっても嬉しい気持ちで見ています。
娘は、つい先日ビーバー族を読み終え、これから「風の靴」にはいります。
ほんとは寒くなる前に読んでもらいたかったけど、それは我慢しなくては(笑)

たしかに、中学生たちは読書時間が減りますよねー。
娘の中学ではリクエストを出すと、その人に「はい」と手渡してくれるようです。
さすがに文庫本みたいですが、新品の本を買ってもらった気分になるのだとか。
その前に読んでいたのは、クラスにあった「夜のピクニック」だそうです。
恩田さんは、途中までしか読んでなくて、話ができなかった母です(涙)

「サイコーに面白い本」が次々読めるって、最高ですよねぇ!
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ぱせりさんへ (こもも)
2009-10-28 18:33:26
わたしも、あの白い小さいのを見たときは、感動しました!
本の中から、また新しい物語が始まるのって、とても楽しいですね。

この本。息子が夢中になって読んでいるのを見て、
私とは違う感覚で読んでるんだろうなと感じました。
たぶん、私より、ずっとずっと楽しんだと思うのです。
ずっとずっと、主人公に近い気持ちなんだろうなと。
それは、悲しいかな、私には、もう体験できないもの。。。
あー。私も、子どもの頃に出会いたかったな。
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jasuminさんへ (こもも)
2009-10-28 18:37:08
お花ちゃんも「ビーバー」から「風の靴」なんですね!
どんな風に読んだんだろ。どんな風に読むんだろ。
とても楽しみです!!!

中学生の読書時間の少なさは、本当に悲しいものがあります。
そんな中、ちゃんとリクエストを出しているお花ちゃんは、さすがですね~
「夜のピクニック」知りません。
ほーんと、読みたい本がイッパイで叶わないなあ。
あと、100年は生きていないと!
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Unknown (朽木祥)
2009-11-21 15:36:18
続編を書くことがあったら、ぜひ「猫ポーン」、使わせていただきます。ネーミングについてのご子息の説明もとても素敵だと思いました。
こちらには、ぱせりさんもこももさんもいらっしゃるんですね。みなさまで『風の靴』を楽しんで下さって、ありがとうございます。
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朽木祥さま (こもも)
2009-11-22 10:09:27
コメントをありがとうございます。
嬉しいのと、本当?!の気持ちが、入り混じり、
興奮しすぎて、パソコンの前で固まること、約一日でした(笑)

『風の靴』。
本当に、楽しく読ませて頂きました。
息子は、小さい頃から、気に入った本を、実生活
の中に、すんなりと取り込んでいく子で、おかげで、
いつも、愉快な思いをさせてもらっています。
親として、幸せだなあ~と感じる瞬間なのですよ。

『風の靴』は、風を感じながらの読書が心地良く、
息子が、同じ風を感じていたのだと思えることも
親として、この上ない幸せでした。

この本は、読書友のぱせりさんから、紹介してもらい、みんなで楽しみました。
本がつなげる輪の大きさと、温かさを感じています。
大切な本との出会いは、一生の宝物。
宝物を頂き、本当に感謝しております。

続編…。もしも、出たら…
主人公の子どもたちは、きっと、随分、成長していることでしょうね!
(「猫ポーン」は、別として)ものすごく、楽しみです!!!
今後の作品も、楽しみにしております。
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Unknown (ぱせり)
2009-11-22 14:27:51
こももさん、こんにちは。
こももさんのお気持ち、とってもとってもわかります。
わたしも実は同じ経験をさせていただきました。
わたしは、mixiにもブログと同じ文章を貼り付けているのですが、以前、朽木先生の本の感想をアップしたときに、それを先生がごらんになったのです。
なぜ判ったかといえば、mixiには、訪問したかたのお名前がすべて「足跡」という形で残るのですが、そこに朽木先生のお名前を見つけたのでした。
まさか、と足跡をたどれば朽木先生のページにいきなりジャンプしてしまうし・・・「わ、ほ、本物の朽木祥先生だあ・・・」(先生、失礼をお許しくださいませ)・・・パソコンの前で約一日固まっていたこももさんといっしょです。ぼーっとして頭が真っ白になってしまって、そのまま戻ってきてしまいました。
すごく時間がたってから(でも一日たっていません、笑)、生まれて初めてのファンレターを書きました(打ちました)
そしたら、朽木先生は丁寧であたたかい返信をくださったんです。
もうパソコンの前でがたがた震えていましたよ~。
その後、何度かずうずうしくメールをさせていただきましたが、はじめて先生の足跡をみつけたあの日の感動は忘れられないんです。

そして、きのうです。
お、お、恐れ多くも、先生から、わ、わたしのほうに「ぼちぼち日記」をごらんになったとお知らせしてくださいました。
そして、
「こももさんにも機会がございましたら、どうぞよろしくお伝え下さい。編集担当者さんたちもブログとそのやりとりを拝読して大変喜んでいました。」
とのお言葉をお預かりしました。
僭越ですが、それでこちらに伺ったのです~。
と、いうより、やっぱりわたしも興奮していて、ああ、この幸福をこももさんと分かち合いたい~というのが本心なんですが
~。
うれしいですよね。
ほんとうに読者を大切にしてくださる朽木先生、ますますあこがれてしまいます。
そして、大好きな本「風の靴」に関わるすてきなエピソードがまたまた増えて、ますます好きになってしまいました。

でも、もしかして、私のコメントが、かえってこももさんのお気持ちに水をさすようなことになってしまったらほんとうに申し訳ないのです。ごめんなさい。
まだ公表していないそうですが、(でも書いてしまいます)来春には、朽木祥先生の新作長編ファンタジーが刊行される予定とのことです。楽しみですね!
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ぱせりさんへ (こもも)
2009-11-24 14:05:10
ぱせりさんのコメントを読んで、またまた興奮し、
言葉を失い、今、ここで呆然とパソコンの前に座っています。
夢では、ないのですね?

こうやって、子ども達が、目を輝かせて本を読んでいる様子、
次から次へと、本の輪が広がっていく様子を、
(つたない文章はありますが)作者の先生に、伝えることができ
この上ない幸せです。

・・・・・・・・・あー。
私、ちゃんと日本語打ってます?
興奮しすぎて、うまくコメント返せないんですよ、ぱせりさん(笑)
わざわざ、コメントを追加して下さり、本当に、ありがとうございました。
ぱせりさんの追加コメントのおかげで、夢が現実となり、
現実が夢のようで(どういう意味!?)、なんだか
素敵なこの数日間でした。

本って、やっぱり凄いです。
物語を紡ぎ出す人がいて、それを手渡す本屋さんがいて、それを読む人たちがいる。
それぞれの想いが、一冊の本に、どんどん足されて、
今、私の手元にある本は、最初に家に来た時とは、また違う本になっているのです。
そういうことが、頭をぐるぐる廻っていますよ。
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