今年度の幼稚園の講演会の講師は、汐見先生でした。
私は、恥ずかしながら存じ上げなかったのだけれど、とても有名な先生なんだそうです。
お友達のママが、以前から先生を知っていて、本も持っているというので、貸してもらいました。
子育て本は、あまり得意じゃないけれど、講演会がとても良かったので、興味深く読みました。
早期教育への警鐘や、絵本の読み聞かせの大切さ、外遊びの大切さ、テレビやゲームに頼らない
子育て、子どもと一緒に日々の生活を楽しむ・・・など、3人目のママとしては、もう、わかってる!
と思うことが多く、感激する!とか、目からウロコ!という感想は、なかったけれど、それでもなお、
講演会を聞いてよかった、本を読んで良かったと思いました。
日々の子育ての中で、ついつい、流されたり、心配になったりして、揺れ動く母の心。
そんな母に、「ほら、あなたの教育方針は、こうだったでしょ?」と、思い出させてくれました。
何より、何があっても、この原点がぶれるようなことがあってはいけないと、改めて思ったのでした。
その先は、ぶれぶれだって仕方ないけれど、やっぱり、原点は、しっかりしてないとね。
講演会や本の言葉で、印象に残ったこと。
まずは、学力低下の話。
子ども達の学力低下が問題となっているけれど、昔の子どもより、今の子どもの方が、ずっと、ずっと、
勉強している。読み書き計算だって、ずっとずっと、今の子の方がやっている。
じゃあ、どうして学力低下か?という話。
問題は、子どもの「経験のなさ」なのだと、先生は、仰いました。
漢字をいくら覚えても、計算が、いくら早くなっても、それだけでは、ある一定のところで、絶対に、
学習は止まってしまう。覚えたら、出来るようになったら、その先に必要なのは、「自分で考える力」。
その力は、どうやって作ることが出来るのか?
それは、「子どもの時に、どれだけ沢山の経験をしたか。」なんだそうです。
討論だとか、そういう経験じゃなくて、もっと単純に、自然の中で遊ぶとか、音楽会に行くとか、
友達とプールに行くとか・・・。そういう実体験。
子どもの頃に、どれだけ沢山の経験をしたか。それこそが、考える力になるのだそうです。
そうかあ。確かに、そうかもしれないなあ。
ちなみに、家に帰ってきてから、息子に、この話をしたら、「じゃあ俺とTは、将来、天才かも。」と、
言いました。小学校の頃、まさに、毎日のように、Tくんと野山を駆け回ってたもんねと、二人で笑いました。
地図帳持って、自転車で旅に出たこともあったしねえと、思い出話。
・・・・・・・・・・・・しかし、「将来、天才」って・・・。それ、何か違うでしょうよ。
もう一つ、印象に残った話。
その子にとって、マイナスだと思っていることは、逆に言えば「個性」。大切にしてあげて欲しいという話。
大切どころか、先生は、セールスポイントにしてしまおう!と仰いました。
例えの一つが、まるで、息子だったので笑ってしまったのですが、
「この子は、何をやってもノロイ。」という子、それも、個性だと言うのです。
将来、「私は、何をやっても遅いけれど、じっくり、コツコツやるタイプですので、仕事は、丁寧ですんで、
遅いところは、まあ、ちょっと目をつぶって下さい!」と、その子が、自己紹介してしまう位に、その個性を
前向きに、大切に、認めてあげて欲しい。。。と。
実は、講演会の日の朝、まさに、「のろすぎる!」と息子を怒鳴り散らしてきたので、本当に、心が痛みました。
思えば、ずっとずっと、この「ノロイ」で怒ってきたけれど、怒鳴ったからといって改善したとは、到底思えず。
っていうか、高校生になっても、同じことで怒鳴ってるぐらいだし。
先生の仰る通り、ノロイけれど、仕事は丁寧だし、じっくり取り組む人だよなあ。
母としては、こんなにノロノロやっていたら、仕事についてから困る!と心配してのことなんだけれど、
余計なお世話なんだね。きっと。
「子どもを信じる。」
これが、先生の講演のしめくくりのキーワードでした。