ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『第2図書係補佐』又吉直樹

2012-10-21 20:00:20 | わたしの読書

 『第2図書係補佐』又吉直樹
 

「昨日のアメトークを見ましたか?」というメールをjasuminさんからもらって、
「アメトークって、何?」「又吉って??」と返したのは、ほんの数か月前のこと。
拝啓、jasuminさま 私は、あれから、アメトークを録画までして観ていますよ
(読書芸人は、まだ、レンタルできず、見ていませんが)
そして、とうとう、又吉さんの本まで借りてきましたよ。おほほ。

妹の「読書メーター」のページで、この本を知り、読書芸人が、どんな本を読むのか?という、
ただの「興味」で借りてきた本。題名と表紙から、本の紹介本だと信じて疑わず。

・・・・で、かなり本気で裏切られました
全然、紹介本じゃないじゃん

まあ、勝手にイメージを持ったのは、私なんですけど。
これは、本にまつわる自らのこと、エッセイみたいな本なんです。

正直、最初は、文体にも慣れないせいか、裏切られた感の方が大きくて、
「なんだ、あんまり面白くないじゃん。」と思いながら、読んでいました。
とりあげられる本が、ことごとく、私が、今まで読んだことがない本ばかりだし、おまけに、
読みたいと思える感じの本でもなくて、「あーあ。」でした。

そういう時に、私が使うのが、とばし読み。
目についた単語だけをを拾って、「面白そうだな」と思う所だけ読んでいくと、一応、最初から
最後まで、何が書いてあるか大体把握できるという読み方です。
おかげさまで、あっという間に読了。「まあ、所詮、芸能人の本だから、仕方ないね。」という感じで。

でも、何だろう?何かひっかかって、何か気になって・・・翌日、最初から、読み返してみることにしたのです。

いやあ、そこからハマりました。面白くて、面白くて。
声をあげて笑い出してしまう位に面白いものだから、息子が、「テスト終わったら、貸して。」と。
すみませんねえ。テスト中に誘惑してしまって。
病院の待合室で読んだ時も、我慢しきれずにふきだしてしまって。いけない、いけない。

それにしても、面白い人だなあ。
小学校のときの話は、どれもこれも爆笑ものだし、スポーツが出来る印象が、これっぽっちもなかったから
ちょっと、驚きの「かっこいい!」もあったし、とにかく、面白い、面白い。
そんな、何の関係もないように思える過去のエピソードが、ぴたりと本の内容に結びついたり、本を読むことに
至るエピソードだったりするから、すごい。
いつの間にか、「この人、私が読みたいと思う本を一冊も読まない」が、「あれもこれも読んでみたい。」になっていました。

これって、新手の「本の紹介本」なんじゃないか?

しかしまあ、図書館の本を全部読んでみたいという、子どもの頃の夢(欲望?)は、たぶん、叶わないことを
40代にして、ようやく確信しました。
まだまだ、知らない世界があるなあ。深すぎる。

そして、当たり前のことだけれど、本って、それぞれが、違う想いで、違う状況(場面)で、違うことを考えて、
違うことを想像して読むんだよなあ・・・と、つくづく思ったのでした。
それって、なんか不思議で、なんか凄いことですよ。本が好きって、やっぱり素晴らしい!
読書って、もしかしたら、共通言語を獲得しているようなものなんじゃないかな?とか、訳のわからないことを
考えてしまったのは、この本のせいでしょうか。

ちょっと、私ったら、すっかりファンになったかも。