ぼちぼち日記

大切な日々のこと

『急行 北極号』

2009-01-16 14:32:41 | わたしの読書


『急行 北極号』 クリス・ヴァン・オールズバーグ 村上春樹訳

教えて頂いてから、少しずつ、図書館に通って読み続けたオールズバーグ。
その独特の世界は、あっという間に、私を虜にしてしまいました。
今、集めているカリジェが揃ったら、次は、オールズバーグと、密かに心に決めています。
けれど、この、「クリスマス前には、必ず、本屋さんに平積みされている本」だけは、
まだ、一度も手にとったことがありませんでした。
それは、地元の図書館で、他のオールズバーグの本は、すべて書架にしまわれて
いるにも関わらず、この本だけが、他の絵本と一緒に、前に並べられていたからかもしれません。
・・・・・・・・・・私って、あまのじゃくだから

先月、息子への父母からのクリスマスプレゼントとして、我が家にやってきた、この本。
皮肉にも、我が家のオールズバーグコレクション、第一号になりました
クリスマスから年末にかけては、とても、新しい本を開く余裕なんかなくて、
お正月も終わった3連休の中日、ようやく、ようやく、この本を読みました。
私が読んでいるのを見たら、プレゼントされたことなど、すっかり忘れていた息子が、
あわてて、追いかけるように本を開きました。

まるで、運命だと思いました。
息子が、サンタからの最後のクリスマスプレゼントを受け取った年にふさわしい、
だからこそ、読んでほしい本でした。
最後のページを読んだ時の、こみあげてくる気持ち。
自分でも、どうしてよいのかわからなくなる程でした。
「今、出会うべくして出会った本」という感覚は、きっと、本好きの人なら、一度は
味わったことがあると思うのだけれど、まさにこの本は、私と息子にとって、
このクリスマスに出会うべき本でした。

もちろん、北極号に乗れるチャンスが、まだまだ、残っている子ども達にとっても、
この本は、きっと、素晴らしい一冊になることだろうと思います。
そんな子ども達は、息子とは、違う感動に出会えることでしょう。
色々な子どもたち、色々なサンタとの思い出を心に持った、かつての子どもたちが、
それぞれの想いをのせて、読むことが出来る一冊。

一度読んだら、やめられなくなって、ちょっとでも時間があるときには、パラパラと
めくって再読している様子の息子。オールズバーグの本は、まるで、麻薬です。
私は、その麻薬の余韻に浸りながら・・・・・・・・・・
今もなお、サンタの鈴の音を聞くことができる息子に、ちょっとだけ、嫉妬している
ことに気が付きました。