『石川くん』 枡野 浩一
母の生まれ故郷が岩手なので、小さい頃から、夏休みに旅行といえば「岩手県」でした。
その度に、おじさんが連れていってくれるのは、石割桜と「石川啄木」縁の場所。
だから、小学生の私は、作品も知らないのに、一番身近な作家さんが「啄木」だったのです。
そのせいでしょうか?
妹が貸してくれたこの本を読んだとき、無償に作者に腹が立って、もう、どうしようもなくなって、
途中で読むのをやめてしまったのです。
ところが、「返さないと」と思って数日前に広げてから、夢中になってしまって・・・・
あっという間に読了。我ながら、びっくりです。
読んでいなかった間に、免疫が出来たかしら?なんて。
これは、石川啄木を愛してやまない?作者による、啄木の短歌を現代風になおして紹介した本。
現代語での訳?は、とても楽しいのです。
問題は、一つ一つの作品に添えられた啄木のエピソード(笑)
私生活と作品を、ここまで強く結び付けられてしまうと、なんだかねえ。
しかし、まあ・・・たしかに、石川くんは、ヒドイ!
女遊びしすぎだし(ただの好色男?)、借金は踏みたおすし、仕事しないで夢ばかり見てるし・・・
だから、この本を読んだあとに、今までのように、啄木の歌を読めない自分がいます。
笑っちゃって、なんだか、純粋に歌を楽しめないというか。。。
私が、人の言葉に影響を受けやすいからいけないのかな。
作品の裏側を知るのは、もっと、作品自体を味わってからで良かったかなあ。
と、ちょっと思ったりもしたけれど、この本をきっかけに、啄木を無償に読みたくなりました。
うーん。高校以来だけれど、読んでみますか!
もしかしたら、今までと違う「啄木像」が、私の中にも出来たりするかも?