この平櫛田中美術館は今年からぐるっとパス施設に加わりました。お名前は存知上げていたんですが、作品として訪問前に浮かんだものはありませんでした…
えらくローカルなんですね、西武多摩湖線って…国分寺と萩山の間、途中に二駅あるだけの区間を往復している、って初めて知りました^^
その一つ、一橋学園駅から徒歩10分程でこちらに到着します。静かな住宅地の中にあるんですね。
正直そんなに期待はしていなかったのですが、結果として素晴らしい時間を過ごすことが出来ました。
また、展示室の後、田中さんのお宅も拝見したのですが、素晴らしい日本住宅。そして、玄関付近に日本舞踊の武中はんさんを作品にしようと準備されていた楠の大木が印象的でした。
最大の発見?は現代において木造彫刻も粘土→石膏型を作った後材料である木をどれ位彫ったらよいのか測れる器械がある、ということです。この田中さんはブロンズなどの彫刻だけでなく、数多くの優れた木彫彫刻を残されており最初疑問だったのですが、そういった仕掛けでいきなり原木から彫り出すということはなかったんだ、と知りました。
また、木彫+彩色という手法も積極的に導入、代表作である「鏡獅子」を始め、対象によっては効果的なことが良く理解出来ました。
実はこの翌日、藝大美術館で行われている朝倉文夫さんの企画展に行ったので両者の年代比較をすると…
田中さんは1872~1979(107歳!)で、木彫りの修行から入られた。明治末期から大正初期に掛けて岡倉天心さんに師事、1944年東京美術学校教授となられ、その後藝大教授も務められた方。
文夫さんは1883~1964、彫塑から入り美術学校に1903年入学。1921年に同校教授となって高村光太郎のライバルと目される。
基本的に同時代の方だったんですねえ。
というこちらの入場料300円が無料となって、ぐるっとパス効果は計12,470円となりました。