今回の訪問、微妙に先行した後段の企画(訪問記は下に)の後期開始に合わせて。
世田谷美術館「吹田文明と版画集「東京百景」」 ぐるっと2020Part1Vol26 - シモキタのtokyoboy
東京百景部分が全面入れ替え、ということで、前期楽しんだ私として再訪マスト。
でもその紹介前に、今回の企画展(収蔵品での展開でこちらとしては企画展扱いしていない)から紹介開始。
五つの話、とは収蔵品紹介を5つの切口で整理した、ということ。
最初が「素朴派」、アンリ・ルソーなど正式に美術教育を受けていない画家たちのコレクション、タイトルは「私をめぐる話」。
最近、アール・ブリュットの企画展を目にしますが、その嚆矢となる方々。
この前、プロローグにはナチス時代に「退廃芸術」と見做され、戦中アメリカに亡命したマックス・エルンストのブロンズ像がありました。
リヒターの映画を見たばかりで、その中の「退廃芸術展」のシーンを思い出し、思わずブルッとしました。
素朴派から話は逸れますが、カンディンスキーらのナチス時代の迫害は凄かったんでしょうね…
私得意の写真撮影不可だったので文章一辺倒で恐縮ですが、この後展示は:
「未知の文化と出会う物語」、「美術と言葉で物語る」、「挿話 暮らしの姿」、「大きな物語の中の私」、「日常から始まる物語」と続きます。
それぞれ、土方久功さんのパラオだったかな他で収集したマスクその他、
水木伸一さんの絵と河東碧吾桐さんの文章と書、そして柚木沙耶郎さんの人形その他。
挿話は桑原甲子雄さんの昭和十一年の写真集。
第4話は熊谷守一さんのヘタウマ線画と小堀四郎、その名前は森杏奴さんのご主人と知っていましたが、の絵。
そして抽象的な作品で締められました。
さて、「東京百景」の方は後期になって1990年辺りからミレニウム前夜、1999年までに制作の作品。
吹田文明さんの「東京の花火」も含まれていました。
(写真は館内通路に掲げられたインスタ用の制作物)
フライヤーや、この版画集が何かは上記リンクでご覧になって下さい。
この辺になると風景そのものを作品化したものは少なくなり、とある場所にインスパイアされても、作者自身が感じたそこを伝える、言ってみれば抽象的表現の作品が多くなるのが特徴と思いました。
展示最後に「東京回顧圖會」、川上澄生、平塚運一さんらの1930年代の東京をモチーフにした作品群が前回同様にあって、こちらも各作家のスタイルになっていますが流石と思いました。
非常にお得、お勧め、でも平均ぐるっとパス効果には逆貢献の今回、入場料は200円。これが無料となって、ぐるっとパス効果は計9,300円となりました。