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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「約束の夜」169

2019年10月08日 | 物語「約束の夜」

「仲間ってつまり、
 京子ちゃんね」
「ツイナとヨシノも戻ってきていると良いが」

案外早く耀を見つけられたので
約束している日よりは早い。

それならば、とマサシは頷く。

「みんな集まってからお茶しましょう。
 つもりつもる話もあるでしょうから、
 とびきり甘いパフェでも食べながらね」

バチーン、と満樹にウインク。

「ぱふぇ」

あれ、
そう言われれば、もし父親が同じという話が本当なら
この人、一応兄なのかなぁ。

「…………」

「どうした、考え事か」

「………」

同じく、耀を見る。
こっちも兄なのかなぁ。

「………俺は、弟だったのか」

そもそも、満樹には東一族の兄が居るので
前から弟ポジションです。

というか、
京子は妹で、ツイナは弟なのか。
ヨシノはちょっと年齢不詳な所あるけど
姉か妹なのか。

「????????」

うん、東一族の兄さんは、東一族で。
あれ、でも髪の色?まさか???
というか家族設定。

「???????????」

「あ、耀ちょい待ち。
 満樹がパニクってる」
「やっと現実を受け入れたか。
 まあ今のうちに
 充分思い悩んでいた方が良い」
「そういう耀は
 もう納得済みってカンジ?」

「充分時間があったからな。
 腹はくくって居るよ」

そういうお前はどうなんだ、と。

「ワタシねぇ。
 というより、ワタシって少し特殊でしょ。
 自分で言うのもなんだけど」

実はこのメンバーの中で
マサシが一番年上です。

「変わっているのには慣れてるし。
 兄妹がいるなら
 会えるのは嬉しいからね」

「ふぅん」

そんなもんか、と少し耀は驚く。
が、それも一瞬だけ。
ところで、と満樹に声をかける。

「お前達は、待ち合わせ場所を決めてないのか?」
「??????  え!?」

現実に引き戻される満樹。

「そこに行くのが一番良いと思うが」
「あ、ああ」

待ち合わせ場所。

「というか、
 泊まっている宿だな」

特に約束をしていた場所ではないが、
単純に考えて
皆、そこに集うだろう。

「ああ、東一族のお兄さん。
 お帰りなさいよ」

宿屋のフロントで
受付のおばさんが、満樹を見ながら宿帳を捲る。

「覚えてくれていたのか」

一度泊まっているとは言え
宿泊客は多いだろうに。

「そりゃあ、西一族に東一族。
 海、山一族と珍しい御一行だからね」

今度は谷一族と、それにもう1人西一族かい、と
後ろの耀、マサシを見ながら笑う。

「ああ。
 ところでそのまま連泊を続けている
 西一族の子なんだが、部屋には戻っているか」
「そうそう、ひとり残っていたね。
 何があったのかと思ったよ」

うふふ、とおばさん、
きっと色々勘違いしているに違いない。
色恋とかじゃないですから。

「あ!!その子、ね」

そうだったわ、と
こう続ける。

「昨日から、戻ってきてないんだよ」


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