満樹とマサシ、耀は、北一族の村へと向かって歩く。
先ほどに続き、
おしゃべりなマサシが、きゃっきゃと喋っている。
男3人旅。
「それで~、それで~、マッキーと耀は恋人とかいるの~」
「ああ、うん。俺はな。満樹はどうだ」
「何も答えてないぞ、耀」
息を吐き、満樹が云う。
「本当に、おしゃべりが止まらないな」
「そうよねぇ」
頷く、マサシ。
「北に行ったら、ついでに買い物もしないとね」
谷にはない店とか
ちょっと、かわいい系の小物欲しいし~
「バックも新調しなきゃね!」
「緊張感ないな、マサシ」
耀も息を吐く。
「やだ。どうせなら、楽しい雰囲気の方がいいでしょ!」
「もうちょっと、何かないのか、会話」
「なら、西一族の男子たちはどんな会話をするの?」
「うーん。それはだな」
耀が云う。
「狩りの話とか、狩りの道具の新調とか」
「さすが狩りの一族!」
「やれやれ。本当に京子のペースに、・・・いや、マサシのペースに」
「んで、東の男子たちは?」
耀の話、聞いていないよ、マサシ。
「うちは、水遊びいつにする、とかかな」
「えぇえええええ、かたりたいー!!!」
(かたる=仲間に入りたい、の意)
「もっとほかの話は!!」
「俺たちの父親って、どんな人だった!!?」
マサシ、キリッ。
「急に重たいテーマ! そして、俺達って!?」
「俺たち、同じ父さんだろう?」
「それ決定でいいのか!?」
「だから、みんな手のひらにアザがあって、裏一族に狙われていて」
「確かに・・・」
「魔法が使えない、もしくは苦手で!」
「ははっ。父親が西一族なら、そうだろうな」
耀が笑う。
「朝とか苦手で!」
「それも遺伝!?」
「麦茶にトウモロコシ茶をブレンドしたり!!」
「えっ、お前もやってるの!?」
「それ、うちもやってた!!」
結構、見つかる。共通点。
「いや、待て」
いやいやと満樹は首を振る。
「俺は、東一族の父親がいるから!」
「ふぅん」
耀が云う。
「きょうだいで義父がいるのは、今のところ満樹だけだな」
「だーかーらー!!」
「あっ。北一族の村が見えてきたわよ!」
マサシが指を差す。
「おしゃべりしてると、あっという間ね~」
「うーん・・・」
「そうなのか・・・」
「まずは、北に入ったら、」
耀は、満樹とマサシを見る。
満樹とマサシは頷く。
「「もちろん」」
「お茶タイム!!」
「違う!!」
満樹、全力で止める。
「何よ~。喉が渇いた~」
「仲間を、探すん、だ、よ!!」
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