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現在は「続・夢幻章伝」掲載中。

「続・夢幻章伝」121

2022年07月05日 | 物語「続・夢幻章伝」
昔は夏休みの部活でも
水分は補給しなかったよ、とか
エアコンなんて無かったとか言うけれど

「昔とは夏の暑さが違うのよ!!」
「温暖化、酷暑、水不足、節電、節水
 だが、この暑さ。俺達は耐えることが出来るのか」
「小まめな水分補給を!!」
「塩飴!!」
「ポ●リ!!」
「ソ●ティラ●チ美味しい!!」
「首に巻くタイプの保冷剤、オススメ教えて欲しい!!」

やいのやいのと大声で話しながら
砂一族の村に辿り着くアヅチマツバ。

思った事全部声になって出るタイプの人か。

「エアコン?節電?なんのことでしょう?」
「異世界の話だから
 深くつっこんじゃダメよぉヨシ」

ギャグ時空に連れて行かれちゃうよ。

「まあ、なにはともあれ
 ようこそぉ砂一族の村へ」

その名の通り、砂漠を進んだ先にある村。

薬の扱いに長けたという名目の
毒のスペシャリストの集まりという砂一族。
奥の方に見える僅かな緑地も
薬草という名の毒の草なんだろうな~。

「さて、と」

砂一族の地に降り立つマツバ。

「頂こうじゃない。
 砂一族のウエルカムドリンクとやらを!!}

はぁい、と
どこからともなく現れるメニュー表。

「こちら無料のものから有料のものまで
 どうぞお好きなドリンクを選んでね」

アヅチはメニュー表を覗き込み、
ピントが合わなくて少し後ろに身を引くという
老眼の人の動きをする。

「無料~有料は、うん、わかる」

「そうなのです、この砂漠の村では
 水分、食料の確保が本当に大変。
 少しお値段が張るのはご了承頂きたいですわ」

ご理解頂けるかしら、とヨシ。

「うんうん。
 で!!この値段表記がマイナスなのは何?」

「よくお気づきになられましたね」

キラキラと眼を輝かせるヨシ。

いや、だって、太字アンダーラインマーカーワードアート、
周りにキラキラ装飾、と
見てくれと言わんばかりの強調具合。

「それは、飲んだ人がお金を受け取れるという
 なんともお得なドリンクですわ!!」

「え?」

ニコ、と無言の微笑みを浮かべるフワ、ヨシ。

「なんで飲んだ方が貰えるのよ?」

問いかけには答えず
ただただ、ニコ、と同じく無言の微笑みのその他砂一族。

ニコニコ(無言)
ニコニコ(無言)

「入ってるな~、これ、色々と」
「治験のバイト感覚かしら?」

無難に無料ではないが高額ではないドリンクを頼むアヅマツ。
もはやウエルカムドリンクというか
普通に飲み物注文した状態だったがそれはそれ。

「さぁ、それでは歓迎の宴を!!」

「お待ちなさい!!」

提案を制するマツバ。

これは確実に宴も毒入りご飯。
 ↓
普通に美味しいご飯が食べたい
 ↓
今の流れから行くと
毒入りじゃない物はきちんとお金を払わねば。
 ↓
お財布の準備が必要。

「………」
「おい、マツバ?」

「とりあえず、へび呼ロイドと合流したいわ」

どーん!!

「あ、ああ!!そうだな!!」

俺としたことが、
まずは大切な仲間との合流が第一だった、と
心を打たれるアヅチ。

「あとは観光とかしたいわね!!」

普通に労働には対価が必要、と考えるマツバ。

「観光と言っても、ウチの村
 観光向けの村じゃないからねぇ」

見る所はそんなに無いわよ、とフワ。

「そうですわね~、
 見所ありそうな、ど……お薬の生成所も
 村民以外立ち入り禁止ですし」

社外秘。

「理容師とかどう?」
「そうですわね、理容師なら!!」

砂一族の理容師は、薬(という名の毒)に次いで水辺でも有名。
北一族の村で年に一度開かれる水辺三大りようし祭においても

海産加工物販売、海一族の漁師。
ジビエ、山の幸、山一族の猟師。
確かな技術、砂一族の理容師。

「として、沢山の観光客がブースに訪れるという」


「「どういう祭り、それ!!!!!!!」」


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